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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第八章 上級剣士
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269話 敗北の味

「大丈夫ですか?ゲン」


 シアの声で目が覚めると、俺は何か柔らかいものの上に寝ていた。


「あっ!ゲンさまが目を覚ましましたか?」


 ヒナが上から心配そうな顔で俺を覗き込んでいる。


 ・・・俺は・・・どうなったんだ?


「ゲンは気を失っていたんですよ?どこか痛いところは無いですか?」


 上を見ると、緩やかなふくらみの向こうにシアの顔が見えた。




 ・・・そうか・・・俺は試験でギルに負けたんだな。




 この状況は・・・俺はシアの膝枕上に寝ているのか?


 ・・・しかし、シアの胸が程よい大きさで良かった。

 これ以上無駄に大きかったらシアの顔が見えなかったところだ。


 この角度から見るシアの胸も悪くない。

 程よい膨らみ加減で形の良いシアの胸は、下から見上げるとまた新鮮な味わいがあった。


 やはり俺は今のシアの胸が好きだ。



 ん・・・という事は今俺の後頭部に感じている柔らかいものはシアの太腿か!


 いや、後頭部に感じる得も言われぬ柔らかい感触はそれだけではない。


 これは・・・下腹部か!


 つまり俺の頭は今、シアの三角ゾーンの隙間にはまってるという事になる。


 それにしてもなんという柔らかさだ。

 シアの足は細めだが、必要な肉はしっかりついている様だ。


 待てよ・・・という事は俺の後頭部からわずか数センチのところにシアの・・・あの部分があるという事だ!


 俺は・・・このまま頭を回転させてシアの太腿と下腹部の隙間に顔をうずめたい衝動にかられた。




「・・・ゲン・・・僅か数秒の間にエッチな事をいっぱい考えていましたね?」


 シアは顔を赤らめながら少し怒った顔で俺を見下ろしていた。


「その様子なら大丈夫そうですね?」


「ほら!わたしの言った通りですよね!ゲンさまはシアさまが膝枕でもすればすぐに元気になると思ったんです!・・・本当はわたしがしたかったですけど」


 ヒナが自慢気に言っている。


「も、もう大丈夫だから」


 俺はさすがにいたたまれなくなって、シアの膝から頭を起そうとした。


「ダメですよ!頭を打ったかもしれないのでもう少しこのままでいて下さい」


 起そうとした俺の頭をシアがギュッと押し戻した。

 その時に頭の向きが変わってしまって俺の顔は、シアの下腹部に押し付けられてしまった!


 今、まさに俺の鼻先数センチのところにシアのあの部分が迫っているのだ。


 今までこの距離まで接近した事は無かった。


 以前に風呂場の事故でもろに見てしまった時でも、距離は密着していたわけではないのだ。


 ついその時の情景の思い出してしまった。

 シアの小さな縦筋から僅かに見えたきれいなピンク色が、今でも鮮明に記憶に残っていた。


「ああ、ゲンさまが急に元気になりました!」


 余計な事を考えてしまってせいで、俺の股間は元気に膨らんでしまったのだ。


「もう、ゲンってば・・・ゲンが求めるならわたしは拒みませんけど、そういうのは今夜ベッドでお願いします」



「やれやれ、負けた君の方が随分と役得じゃないかい?これなら僕がわざと負ければよかったよ」


「あなたが負けても膝枕はしませんよ」


 シアがそう言って俺の頭をギューッと抱きしめた。


 俺の顔は更にシアの下腹部に押し付けられる。

 もう俺の鼻の頭はシアのその部分に当たっているのではないか?




 さすがにギルの見ている前でこれは気まずい。


 俺はシアの手を振り払って無理やり頭を起し、シアから離れた。


「ああっ、ゲンっ」


 シアは俺に逃げられて少し悔しそうにしていた。




「おや、このまま僕の目の前でシアさんと行為に及んでしまうのかと思いましたよ?」


「そんなわけあるか!それよりもさっきの技は何だ?速度では俺の方が勝っていたはずだ」


「ふふふ、そう簡単に手の内を明かすと思いますか?僕に勝つ方法は自分で考えてください」


「確かにそうだな・・・よし、今からもう一戦だ」


「それは勘弁してください。試験は1日1回までとしましょう。それよりも、もう夕食の時間です。みんなでディナーを楽しもうじゃないですか」




 結局うまい事はぐらかされてしまった。


 それにしてもさっきギルの技は一体何だったんだ?

 速度の緩急を混ぜた攻撃は師匠や俺も良く使っている。


 だがさっきのはギルの動きは始終遅いままに見えたのだったのだ。

 それなのに結局俺の剣は届かず、ギルの攻撃を先に受けてしまった。


 俺は食事の間もずっとその事を考えていた。




「もう!ゲンったら、そんな顔をして食事をしてもおいしくないでしょう?」


「そうですよ、ゲンさま。今は試験の事は忘れましょう!」


 シアとヒナにそう言われたが、やはり頭から離れない。


「ジルにはさっきギルが何をしたかわかったのか?」


 俺はジオに聞いてみた。


「ああ、わかる」


 やはり、ジオには分かったのか。


「さすがだねジル殿。今度君とも手合わせしたいな。出来ればベッドの上でもね」


 ギルはこんな時でもナンパを忘れない。


「なるほど・・・ベッドの上の不安定な足場での訓練か?・・・悪くないかもしれん。今度やってみるか?ゲンもどうだ?」


「ほう!、まさかジル殿がOKしてくれるとはね!じゃあ早速今晩どうだい?」


「さすがに宿のベッドを壊す訳にもいかんだろう。場所は考えた方が良い」


 ・・・全く会話がかみ合っていないんだが・・・




 ギルが一度ベッドの上で手痛いお仕置きを受けるのも悪くないかもな?


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