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【8章完】勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第七章 魔女の夢
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241話 救済作戦再開

「ヒナ・・・さっきからシアを煽りまくってるんじゃないのか?」


 意図的にではないんだが、シアの嫉妬心を更に煽る事ばっかりやっている気がする。


「ゲンさま!・・・さっきの作戦、続行しましょう!」


「さっきの作戦って、挑発作戦の事か?今更何を言ってるんだ?作戦は失敗しただろう?」


「そうでもありませんよ。さっきから見ていると、わたしや巫女たちの負の感情と融合したはずなのに、だんだんシアさまの個性だけが強くなってきている気がします」


「・・・確かに、絶望や憎悪というよりは嫉妬の感情が表に出てる気がするが・・・」


「そうです!明らかに他の感情よりもゲン様への執着が強くなってきているんです!このまま煽っていって、ゲンさまへの嫉妬心が他の感情を完全に押さえつける事が出来れば、シアさまを正気に戻す事が出来るかもしれません!」


「・・・なるほど・・・だが、具体的にどうするんだ?」


「そんなの簡単です!シアさまの目の前で、ゲンさまがわたしとほんとにエッチしちゃえばいいんです!」


「なっ!・・・さすがにそれは出来ない」


 いくらシアを救うためとはいえ、ヒナとそういう行為をするのは・・・さすがに無理だ。


「・・・そういいつつ、今の一言で一瞬で大きくなりましたよ?」


 ヒナが俺の下半身をちらっと見ながら言った。


「見るな!」


 仕方ないだろ!・・・想像しちまったんだから・・・


「でも何かしないとこの状況を変えられません・・・仕方ありません。残念ですが、また演技だけにしましょう」


 ・・・ヒナ・・・本気で残念がってるな?


「わかった、それで試してみよう」


「じゃあ、シアさんから見えない角度で後から突いているふりをして下さい」


 ヒナがそう言って、上半身を屈めて尻を俺に向かって高く突き出したのだ!


「おうっ!」


 俺の尻に下からヒナの柔らかい尻がぷにっと押し付けられ、尻に何とも言えない快感が走った!


「さあ、ゲンさま!この体勢きついので早く!」


 ヒナは尻を突きあげて上半身を屈めた姿勢のまま、前方からから迫りくるウィンドスライサーを捌いていた。


「わかった。今からやるぞ!」


 俺は後方から迫るシアの攻撃を後ろ手でストーンブレードで叩き落しながら、体を捻って腰をヒナの方に向けた。


 一瞬、ヒナのかわいらしい尻の穴が視界に入った気がしたが、全力で視線を逸らした。


 ・・・というか、直視している余裕なんてないんだが・・・


 そしてシアに聞こえる様にわざと大声で言った。


「ヒナ!今度こそお前を抱くからな!覚悟はいいな!」


「はい!どんと来いです!」


 シアの形相が更に険しくなるのがわかった。

 これは・・・確かに何か効果はありそうだな?


「行くぞ!ヒナ!」


 俺はそう言って、ヒナに向かって思いっきり腰を突き出す動作をした!

 勢いあまって下っ腹がヒナの尻に当たってしまったが、ものはしっかりと下に逸らしている!


「ああんっ!ゲンさま!気持ちいいです!」


 実際にはしていないのだが、ヒナは迫真の演技をしていた。

 これは・・・過去に男たちに抱かれた時の記録を参考に演技しているのだろうか?


 俺も負けじと演技をしないといけない。

 ・・・といっても、こういう時の演技ってどうするのが正解かよくわからいのだが?

 変態おやじたちの真似をするのも何か違う気がするが、とりあえず激しく腰を前後すればいいんだろうか?


「ヒナ!最高だ!」


 俺はそう叫んで腰を前後に動かし始めた。

 もちろん、その間も後方からのシアの魔法をストーンブレードでさばきながらなので、これはかなり難しい。


 しかも、ヒナの方も前方からの魔法を打ち返すために体を動かしているので、うっかりタイミングを間違えると本当に入ってしまう危険があるのだ!


 実際に何度か目測を誤ってヒナの尻やふとももに先端をぶつけてしまっている。


「あんっ!・・・・ああんっ!・・・・あああああんっ!」


 その度にヒナも俺も思わず本気で声が出てしまう。

 そしてヒナは、俺の動きに合わせて迫真の演技を繰り返している。


「ついにっ!・・・ゲンさまとっ!・・・一つになりましたっ!」



 ・・・今のは・・・少しわざとらしかったが・・・



 俺も次第に腰の動きを早くしていった。

 ヒナはそれに合わせて演技に熱がこもる。


「あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!・・・・」


 実際には接触していないにもかかわらず、ヒナは俺の動きに合わせて絶妙のタイミングで声を上げる。

 ・・・どうやって合わせてるんだ?


 そして、それに伴ってシアの攻撃も激しさを増してきた。


 ・・・よし、明らかにこちらを意識しているな。


「ヒナ!もっと激しくいくぞ!」


 俺は大声で叫び、腰の動きを更に速くしていった!


「あっあっあっあっあっあああああんっ!最高ですっ!ゲンさまっ!」


 ヒナの演技もわざとらしいながらも頂点に達しつつある。


「俺もだっ!ヒナの中は最高だっ!」


 ・・・俺の演技力もひどいものだった。


 こんなのでシアの事を騙せるのだろうかという不安が頭をよぎるが、これでシアの攻撃が更に激しくなるだろうと構えていたら・・・


 シアの攻撃がピタッと止まったのだ。




 ・・・これは、本当に作戦が成功して、シアが正気を取り戻したのだろうか?


 攻撃が止まって余裕が出来た俺はシアの方を見た。




 すると、シアは大粒の涙をぼろぼろ流して泣いていたのだ。




「どうした?シア!」


 俺は腰を動かすのを止めてシアに呼びかけた。




「ふぇ~ん、ゲンの初めてをヒナさんに取られちゃいました~」


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