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【9章開始】勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第七章 魔女の夢
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212話 戦場での出来事

 ヒナの方に体を向けた俺にヒナが抱きついて来たもんだから、体同士がぴったり密着してしまった!


 柔らかい胸の感触や全身の肌が触れあって、その肌の触れている部分全てに快感が走る。


 更に、俺の下半身のあれは、ヒナの太腿の間の隙間に挟まってしまった。

 さっき済ませたばかりだというのに一気に復活し、ヒナの足の間で大きくなろうとしている。




 ・・・この体勢はだめだ!


 このまま大きくなってしまうと・・・もろにヒナのあの位置に当たってしまうではないか!


 そうなったらいろんな意味でアウトだ!




「ヒナ!一旦離れろ!」


 俺は慌ててヒナを体から引きはがした。


「ええっ、ゲンさまぁ?」


 ヒナはちょっと不満そうな顔をしたが、俺は近くにあったタオルを拾ってヒナの体に巻き付けた。


 そして俺は周りを見回し、ベッドの脇に落ちていた俺のインナースーツの下半分を見つけ、急いでそれを身に付けた。


 しかし、何で俺は全裸になっていたんだ? 

 やはり無意識のうちにヒナにそういう事をしようとしてしまったのだろうか?


 ・・・だが、とりあえず最悪の事態は回避したな。




「ゲンさまぁ・・・ひどいです」


 ヒナはだいぶ不満気味だ。


「ヒナもユナも誤解している様だが、俺はヒナに何もしていないからな」


「ええっ!さっきゲンさまと結ばれたのは夢だったんですか!」


「・・・ああ、夢だ」


 俺はヒナに断言した。


 ・・・実はほんの少し自信が無かったが、ここは断言してしまおう。


「そんなぁ・・・あの素敵な瞬間が夢だったなんて・・・」


 ヒナは一体どんな夢を見ていたんだ・・・




「まあ、確かに、床に飛び散ってるという事は少なくともヒナにはしていないって事だけど・・・ヒナ、ちょっといい?」


「おねえちゃん!何するの!」

 

 ユナはヒナの両膝を掴んで思いっきり左右に開いた。


 そしてその間に顔を入れたのだ!


「あなたのためよ、我慢しなさい」


 俺はその時ヒナの頭の方にいたので、俺の角度からはその様子は見えないが・・・ユナが何をしているのか、なんとなくわかった。


「・・・・・確かに、ヒナは何もされていない様ね」


 ・・・強引な確認方法だった。


「おねえちゃん!・・・ひどいです」


 ヒナは真っ赤になって涙目になっていた。




「疑って悪かったわ、ゲン」


「誤解が解けてなによりだ」


「それにしてもあなたって、こういう状況に陥る事が多いわよね?」


「それは俺も疑問に思ってたとこだ」


 なぜ、こうも何かにつけてスケベな状況に陥るのか、俺が聞きたいくらいだ。




 ・・・それなのに、何で師匠とはそういう事が起きねえんだ!


 心の中で、つい本心を叫んでしまった・・・




「とにかく、もう乾いているみたいだから二人とも服を着なさい」


 ヒナは乾きかけのインナースーツを身に付け、装備も着け直した。

 ヒナのインナースーツはあちこち破れているので、結構素肌が見えている。

 外れていた装備はユナが見つけて回収してきてくれていた。


 その間に俺も身なりを整える。




「さて、それじゃあヒナ、あれから何があったのか話してちょうだい」


 そうだ、俺もまだそれを聞いていなかった。




「このまま勢いでゲンさまと結ばれたかったのに・・・・」


 ヒナが小声で何か言っている。




「棘狼に攫われた後、どうなったんだ?ヒナ」


 俺は聞こえなかったふりをして質問を続けた。




「あの後、棘狼の背中に張り付いて、背中から剣で切り付けたんです。そうしたら棘狼が暴れてわたしを振り払おうとしたんですけど、ひっかっかった装備が外れなくて、そのうち、棘狼が中級の魔物の群れの中に飛び込んでしまって、そこで暴れ回ったものだから、他の魔物が棘狼に攻撃を仕掛けたり、乱戦になってしまったんです」


 そこまでは予想通りだな。


「それからどうなったんだ?」


「そのまま棘狼に引っかかっていたら危険だと思って、棘から取れなくなった装備を外して脱出したんです」


「それで装備が一部無くなっていたのか」


「はい、その後は魔物同士の乱戦が続きました。わたしは、それを避けながら、ダメージを受けた魔物のとどめを刺したり、同志打ちになる様に誘導したりしていたんです」


「よくそんな事が上手く行ったわね?」


「運が良かったんだと思います。棘狼がいい具合に引っ掻き回してくれたので」


「そして最後に残った瀕死の魔物数体にとどめを刺したところでゲンさまが助けに来て下さったのです!」


「そうか、大変だったな。すまなかった。もう少し早く助けに行ければよかった」


「いえ、結果的にみんな無事でしたので」




 しかし、そんなに都合良くあれだけの数の中級の魔物が同志打ちになるものなのか?


 ちょっと信じられないが、実際に魔物が全滅していたのは事実だ。

 ヒナがまともに戦って倒せる数じゃない事は明白だった。



「とにかく、ヒナが無事だったってだけで、俺は十分だ」


 俺はヒナの頭に手をのせた。


「えへへ」


 ヒナは嬉しそうに笑った。


「ほんと、ヒナが連れ去られた時のゲン君の動揺って言ったら、普段のゲン君からは想像もできないくらい取り乱していたんだから!」


「ほんとですか!ゲンさま!」


 ヒナが嬉しそうに俺に詰め寄って来た。


「あ、あたりまえだろ、ヒナにもしもの事があったらどうしようかと思ったんだ」


「嬉しいです!ゲンさま!」


 ヒナが再び俺に抱きついてきた!


「でも、次はこんな無茶はするなよ」


「はい!今後はどんな事があっても絶対ゲンさまから離れません!」


「ああ、絶対に俺から離れるなよ」


「はい、もう離れません!・・・そのためにも・・・早くゲンさまと一つになりたいです!」


 ヒナが更にぎゅうっと密着してきた。


「いくら何でもそんなにくっついていたら戦えないだろ?」


 俺はそう言ってヒナを引きはがした。




 一体、今日はこれを何回やってるんだ?




 ユナもあきれた顔で俺とヒナを見ていた。


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