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勇者を名のる剣聖の弟子  作者: るふと
第一章 剣聖の弟子
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21話 附加装備

「はれてゲンも『下級剣士』になれた事だし、これで一緒に討伐に行けるね!」


 2度目祝賀会の次の日、師匠がにっこにこで提案してきた。


「討伐って、魔物の討伐か?」

「うん、ちょうど中級の魔物の目撃情報があってね、明日と明後日は学院も休みだし、早速魔物討伐に行こうよ!」


 そんなピクニックに行くみたいなノリで言われても。


「連れて行ってもらえるなら行きたいが、俺が行っても大丈夫なのか?」


 魔物の討伐は『剣士』や『魔法士』などの資格を持っていない者には許可されていない。

 俺は『下級剣士』になったので一応討伐参加は可能になった。


「今までも無許可でやってたんでしょ?大丈夫だって」


 あまり大きな声で言うなよ。家の中だが。


「何より実戦が一番いい経験になるんだよ」


 昨日もそんな話が出てたな。


「『下級剣士』なりたての俺が、『勇者パーティー』と一緒に討伐に行って足手まといじゃねえのか?」

「大丈夫だよ、そんなやわな鍛え方してないからね!」


 にこにこ嬉しそうに言うなよ!


「それでね、ゲンの装備を用意したんだけど、ちょっと来てもらって良いかな」

「俺の装備?」

「一緒に討伐に行くには必要でしょ?」


 それってつまり、俺の剣技大会優勝から下級剣士の合格して討伐行くまでが、師匠の中では全て予定に入ってたって事だよな?


 そこまで信頼されているのは嬉しい事なんだが・・・なんか微妙だな。


 師匠に連れてこられた場所は屋敷の離れにある武器工房だった。


「屋敷の中にこんな場所があったのか?」

「うん、以前は工房を借りてたんだけど、屋敷の中にあった方が便利だから、工房を作ったんだ」


「この工房、誰が使うんだ?」

「私だよ」

「何に?」

「何にって、武器工房だから武器を作るんだよ」

「師匠がか?」

「こう見えて『中級魔技士』なんだよ!まぁ、まだ『中級』なんだけどね」


 『魔技士』は魔法特性を附加した武器や道具を作る仕事だ。

 『魔技士』自体が多くはいないが、大半は『下級魔技士』で、『中級魔技士』って言ったらかなりの熟練者じゃないのか?

 例にもれず『上級魔技士』は数えるほどしかいないって聞いた事がある。


「師匠、ほんとに何でもできるんだな」

「ふふ、それでね、これがゲンのために作った『附加装備』だよ」


 ロングソードに、ライトメイル、ガントレットとブーツが揃っていた。


 デザイン的には落ち着いていて、冒険者風のイメージにまとまっていた。


「これ全部俺のために用意してくれたのか?」

「うん、ほんとは『上級魔技士』のギムさんに作ってもらいたかったんだけど、忙しくてすぐには揃えられそうもなかったんで、私が作ったんだよ。性能的にはギムさんの装備より落ちるけど無いよりはいいかなと思って」


 本当に師匠は次から次へと何でも出てくるな。


「くれるって言うなら遠慮無く貰うけど、『附加装備』って、めったにお目にかかれない高級品じゃねえのか?」

「普通はそうだけど、私が作ったから材料代ぐらいしか掛かってないよ」


 材料代が結構かかるんじゃねえのか?

 そして『中級魔技士』の人件費ってただじゃねえだろ? 


「『附加装備』って事は何か魔法的な効果があるって事だよな?」

「そうだよ。ゲンは『身体強化』が使えないから、代わりに装備は充実しておいた方がいいからね!」

「どんな効果があるんだ?」

「まず、ライトメイルは『防御力向上』実戦に出るならこれは必須だからね。ガントレットは『腕力増強』、ブーツは『加速』、そしてロングソードは『攻撃力増加』だね。そして、全部の装備に『耐久性向上』と『簡易自己修復』が附加されてるよ」


 全部乗せだった。


「そんなに何もかも詰め込んで、俺に使いこなせるのか?」

「大丈夫だよ!そのための訓練はしてきたからね。この『附加装備』はゲンの本来の能力を倍増させてくれるから、今のゲンならすぐに使いこなせるよ!」



 まあ、明日の討伐で試させてもらおう。


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