195話 予定外の道
「・・・隣の国って言うと・・・」
ユナが少し動揺していた。
「どうした?ユナ」
「いえ・・・何でもないわ。そのルートしかないのなら行くしかないわね」
一瞬様子が変に見えたが、いつも通りのユナに戻っていた。
「しかし、予定より大分日数がかかっちまうな」
「シアさまのために出来るだけ急ぎましょう!わたしも目一杯走ります!」
ヒナは胸の前で両手をぎゅっと握って、やる気に満ちていた。
俺達は予定を変更して、当初予定していた国とは別の国を目指す事になった。
俺にとっては初めて通る街道だったが、ベテラン冒険者のユナは通った事があるそうだ。
ヒナもがんばってくれたおかげで、三日後には国境付近の町に到着する事が出来た。
普通に歩いたら二週間はかかる距離だ。
「よく頑張ったな、ヒナ」
「はい!・・・この三日間でだいぶ体力がついたと思います!」
附加装備の補助があるにしても自身の体力も消費する。
ヒナは弱音も吐かずに必死に俺達についてきたのだ。
この町は結構大きな宿場町だし、おそらく貴族向けの高級宿もあるに違いない。
ヒナもがんばった事だし、今日は奮発して少しいい宿に泊まるか。
俺は町の中心部を目指した。
「ゲンさま?先程から宿屋をいくつか素通りしていますがどこを目指しているんですか?」
ヒナが俺に疑問を投げかけたところで、俺は目的の宿を見つけた。
「今日はあそこに泊るぞ」
「ええっ!こんなお城みたいな宿にですか!」
「ゲン君、ここって・・・貴族向けの宿じゃないの?」
「金さえ払えば誰でも泊めてくれるはずだ。今日はここで羽を伸ばすぞ」
「いいのですか?」
「ああ、頑張ってくれた二人に俺からの感謝だと思ってくれ」
宿のロビーに入るとそこも貴族の屋敷のような豪華な作りだった。
今日は客も少なく、ファミリールームが空いていたのでそれを借りた。
「わあ!すごーい!これが宿の部屋ですか!」
案内されたファミリールームはリビングも豪華だった。
「部屋は個室がたくさんあるから好きな部屋を使って良いぞ!」
この手の貴族向けの客室はどこも同じ様な構成だな。
共通スペースのリビングには個室が繋がっていて、更に専用の家族風呂もあるのだ。
「わあ!部屋を見て回っていいですか?」
「ああ、好きな様にしてくれ」
ヒナはユナと一緒に一つ一つ部屋を見て回っていった。
「へえ、部屋はそれぞれ内装が違うんですね?」
「好みに合わせて式な内装の部屋を選べるみたいだな」
「お姉ちゃん、今度はこっちの部屋を見てみよう!」
「へえ!この部屋の飾りつけはあたし好みね」
ユナもこういう貴族向けの客室は初めてらしい。
ヒナと一緒に楽しそうに見物していた。
・・・時間がかかりそうなので俺は先に風呂に入る事にした。
「じゃあ、俺は先に風呂に入ってるぞ。俺が出たらヒナたちが入ってくれ」
「うん!ごゆっくりどうぞ!」
浴場は家族風呂とは思えないほど、豪華で広い浴場だった。
一人で入るには広すぎるな・・・
そう言えば前の旅では4人一緒に入るのが定番になっていたな。
最初はハプニングもあったが、一緒に風呂に浸かっていると、仲間としての信頼感が強まった気がした。
そんな事を考えながら湯に浸かっていたら、気持ち良くて、ついうとうとしてしまった。
・・・すると、何かに頬をつつかれた気がした。
「ゲンさま、お風呂で寝たらダメですよ?」
「んん、ヒナか・・・俺は・・・眠っていたのか?」
ヒナが俺の頬を指でつついていた。
「はい!遅いので様子を見に来たらお湯に浸かって気持ちよさそうに眠っていました」
「そうかすまない・・・・・って!ヒナ!何でここにいる!」
ふとヒナの方を見たら俺の隣でお湯に浸かっていたのだ!
・・・目線を下に動かすと
水面の下にはヒナの素肌が見えていたのだ。
さすがに水面から出ている胸は片手で隠していたのだが、水面の下では何も隠していない素肌がちらちらと見えてしまっていた。
「ヒナ!何でお前まで風呂に入ってる!」
「ゲンさまが気持ち良さそうなので、つい一緒に入っちゃいました!」
「いや、何を言っている。一緒に入るのはだめだろう」
「前の遠征の時は皆さんで一緒に入浴してたって聞いたけど?」
後ろからユナの声も聞こえたので振り返ると、ユナのも俺の隣で湯に浸かっていたのだ。
「なんでユナまで入ってるんだ!」
「だって、ヒナとゲン君を二人きりにして何か過ちがあったらいけないじゃないですか?ここは大人としてあたしが監視させていただきます」
「監視が何で全裸なんだ?」
そう・・・ユナも当然全裸だ。
成熟した大人の女性の裸が嫌でも目に焼きついてしまう。
ユナも胸を手で隠しているのだが、その豊満な膨らみは、とても片手では隠しきれていない。
そして・・・水面下に見える腰の括れから腰へのふくよかラインと、水面越しに見えるあの部分は・・・明らかにシアやヒナとは異なる大人の女性の体特有の色香が漂っていのだ。
「お風呂に入るのに裸になるのは当たり前でしょ?」
「いや、俺とユナで過ちがあったらどうするんだ?」
「ふふっ、ゲン君、ヒナだけでなくあたしにも気があるんですか?さっきからあたしの体を舐め回す様に凝視してますけど・・・もしかしてあたしの体に欲情してる?」
・・・しまった、また女性の体を凝視していた。
「だめです!お姉ちゃんはそれ以上ゲンさまに裸を見せないで下さい!」
ヒナが俺とユナの間に割り込んで立ち塞がった!
・・・って、ヒナ!全部見えちまってるぞ!
大の字で立ち塞がったために、手で隠していた胸もまるみえになり、まだ小ぶりだか形の良い膨らみだけでなく、かわいらしい先端部分もしっかり見えてしまった。
さらに足を開いて立っているので、まだあどけないあの部分も、しっかり見えていた。
「ヒナ!全部見えてるぞ!」
「えっ!あっ!やん!」
ヒナは我に帰って、慌てて手で体を隠し、お湯の中に体を沈めた。
・・・前にシアが全く同じ事をやってた気がするな・・・
「ゲンさまに・・・全てを見られてしまいました・・・」
顔の半分までお湯に浸かったヒナは、真っ赤になってブクブク言いながらそう呟いていた。
「これはゲン君には責任をとってヒナをお嫁にもらって頂かなくてはならないわね?」
ユナが立ち上がって腰に手を当て俺にそういった。
・・・いや、その理屈だと俺はユナも嫁に貰わなきゃいけなくなってるだろ?
今、ユナの体も全てが見えてしまっているのだ。
「だからお姉ちゃん!ゲンさまに裸を見せてはだめです!」
そう言ってヒナはユナに抱きついて俺の視界を遮ったのだ。
そして、俺の目の前にはヒナのかわいらしい尻が突き出されていたのだった。
ヒナの尻は、大きさといい形といい、シアとそっくりだった。




