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お父さんと私 

以下、ナナちゃん視点で今回はお送りします。


「ただいま~~」


「あらお帰りなさい、那奈美ちゃん今日は遅かったのね。また部活かしら」


「うん、トシ君と一緒にSK俱楽部(真相究明俱楽部)の部活動してたんだ~」


「あら、トシ君とね。あなた達は昔から仲がいいわね。そうそう、お父さん珍しく帰ってきてるわよ。」


「は~い。お父さんただいま~」


と言って、私はお父さんに抱き着いた。私はお父さんが大好きだ。私の願いは大体叶えてくれるしね。



「お帰り那奈美。今日も楽しそうだね。なにか学校でいいことでもあったのかい?」


「そうそう、お父さんよくぞ聞いてくれましたね。実はね。1年間追い続けていた神宮寺高校の七不思議の謎がもうすぐ解けそうなんだよ!!」


と私は声を弾ませて、両手をぶんぶん縦に振りながら、力説した。


「おいおいまだ学生服のままじゃないか、そろそろご飯だからまずは着替えてきなさい。話は後でゆっくり聞かせてもらうか」


「は~い」と言って、私はその場で制服を脱ぎ始めた。

スカートを脱ぎ始めた時、


「ちょっと那奈美。もう高校2年生になるんだから、自分の部屋なり、洗い場で着替えなさい。」


「は~い」


私はそのままスカートを脱いで、自分の部屋まで持っていった。誰も別に見てないしいいでしょ。


「お母さんいつも那奈美はあんな感じで着替えているのかね?」


「い~え、いつもはちゃんと自分の部屋で着替えてから来ますよ。よっぽど楽しいことがあって、気分が浮かれてたんじゃありませんか?」


「はぁ~、年頃の娘だし、彼氏の一人でも出来たのかと思ったら、またミステリーの話か。一体どうしてあんな娘に育ってしまったんだろうな。浮いた話の一つも持ってくるかと思えば、生まれて以来そんな様子はないしな。お母さんに似て、器量はいいし、美人だし、周りの男子がほっとかないと思うんだが」


「あら、いいじゃありませんか。男の子の話なら、那奈美ちゃんからはよくトシ君の話を聞きますよ。」


「ふ~む、いざとなったら、トシ君にもらってもらうか。どこの馬の骨かわからんチャラチャラした男よりかは、いいだろう。」


「お父さんまたそのお話ですか、那奈美ちゃんが聞いたら、『お父さん嫌い』って言われてしばらく口をきいてもらえなくなりますよ。あっ、扉がまた開きましたよ。」


トントントンと階段を降りる子気味よい足音が聞こえてくる。


「お父さん着替えてきたから、聞いてね。私の話」


「那奈美。ご飯が終わってからにしなさい。お母さんの美味しい料理が冷めてしまうから。温かいうちに食べてしまおう」


「は~~い」


 私達家族3人は席について、夕食を食べるのだった。今日はお父さんの好きな焼肉である。私は、にんにくを擦りおろしたものをタレと混ぜてつけて食べるのが好きなんだ。明日学校が休みでよかったよ。トシ君と会うのも明後日だし、大丈夫だね。私だって女の子なんだから口臭には気を付けてるんだよ。



食事が終わると、


「で、那奈美、待たせたけど、楽しかったこと聞かせてくれるかい?」


「うん」


私は前のめりでそう返事する。私は今日あったことを初めから終わりまで一点も余すことなく俱楽部の活動について話した。


「そうか、神宮時高校の七不思議か~。父さんの若い頃にもあったな。そういえばその話は誰から聞いたんだったかな。確か、袴姿の女の子に聞いたんだったか。」


「へ~お父さんも神宮時高校だったんだ。知らなかった。それなら、受験するときに教えてくれたらよかったのに。確かお母さんも神宮寺高校だったよね。年齢も同い年だし。お父さんとお母さんてそのころから付き合ってたの?」

お読み頂きありがとうございます。


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