光の先に行きつく場所・・・
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ナナちゃんの手を僕はまだつかんでいる。まばゆかしい光がなくなり、視界に通常の風景が戻ってきた。
「ナナちゃん。大丈夫?」
「えぇ、ちょっと視界がおかしくて、ふらついてはいるけど、問題ないわ。トシ君こそ大丈夫?」
「あぁ、僕も体調は問題ないよ。で、なにがどうなったの?」
あたりを見回すと、学校の校舎、中庭の噴水、正門に繋がる坂。見慣れた光景だ。なんらおかしいとこはないように感じる。
「なにも変わっていないとこを見ると、不思議な現象というのは、光が溢れだすだけみたいだね。」
「そんなことないわよ。トシ君ちゃんと見て、七夕の竹の飾り付けが全然違うわ。校舎も新しいし、他にも木の高さや枝並が違っているわ。それに一番違うのは、校舎の窓が開いていて、学生の姿が見えるってことよ。」
「えっと、それはつまりどういうこと?学校は学校だけど、違う学校?それとも僕たちが目を閉じている間に時間が経過したってこと?」
「こういう転移ものの時の上等手段って知ってる?新聞で日付を確認することよ。さっ、図書館にいくわよ。あそこなら最新の新聞がおいてあるわ。」
二人は図書館に移動した。行きながら道中を観察していると、どこも構造は僕の知っているものと同じである。一部掲示板やインテリアが若干異なっている。それにやっぱり校舎自体が新しいようだ。そうなるとここは、新築した校舎なのだろうか?
授業中なのだろうか?すれ違う生徒も先生もいない。でも助かった。いつものブレザーではなく、今着ているのは、弓道衣と剣道着なのである。場所としては間違っていないが時間帯的には間違っている。ここがもし僕の知っている校舎ではなかったら、面倒なことになってしまう。
「着いたわ、さっそく新聞を持ってくるわね」
と、僕は椅子に座り、ナナちゃんは置いてある新聞を取ってきた。
「ここ見て。トシ君。日付が1995年の7月7日になっているわ。私達がいたのは2019年だから、24年前の学校なのよ。ここは。」
ナナちゃんが驚いて、嬉しがっているのか、声が上ずって大きくなっている。
「ちょっと、ナナちゃん声が大きいよ。それが本当だとしたら、僕たちはこの時代にいない学生になるんだよ。面倒なことになる。特に先生に見つかると。」
ナナちゃんは、周りを見渡し、小さく舌をだした。いや、可愛いけどさ。ダメじゃない?ナナちゃんは小さい声で話始めた。
「そうね。私としたことがうっかりしてたわ。でも、これは凄いことなのよ。トシ君。未だかつて人類が時間移動をしたという形跡はないわ。あるのは、漫画や小説であるだけよ。それを私達二人が行ったのよ。こんなに凄いことはないわ。記念に写真を撮っておかなきゃね。」
といって、スマホを取り出した。
「あっ、圏外になっている。私○●のユーザーだけど、この時代はなかったのかしら?それとも電波塔が立ってないからかしら。ま~いいわ。写真撮るのに、電波はいらないもの。トシ君も一緒に取るわよ。新聞持って、日付が見えるようにね。ハイ、チーズ」
ナナちゃんが僕の肩を組んで、写真が見えるような構図にしてから、自撮りでシャッターを切った。
「カシャッ」
撮った写真を確認する。
「うん、いい感じね。これでタイムスリップした証拠写真が出来たわ。」
「ナナちゃん。それは、ちょっと証拠としては薄いんじゃない?だって、新聞なんて現代でも作れるし、日付をいじれば、現代でもなんとか作れそうだよ。」
「そうね。記事は今の時代しかないけど、それを現代で検証するのも面倒だもんね。証拠としてはいささか薄いわね。当時の先生とのツーショットだったら、間違いないわよ。現代でもいる先生なんかだとバッチリなんだけど」
「いやいや、そっちはかなりまずいよ。1995年だろ。その時代ってもしかしたら、携帯そのものがないんじゃない?そんな時代にスマホを使ってたら怪しまれるよ。」
「それもそうね。なら、どうやってタイムスリップの証拠を作ろうかしら」
「いやいや、それよりももっと大事なことあるんじゃないのナナちゃん?」
「えっ、そんなのあったかしら?」
「あるよ。これがもしタイムスリップ?タイムトラベル?異世界転移?いやどれでもいいんだけど、もし、それが起こったのであれば、どうやって戻るかの方が大事でしょ。証拠はその後だよ。」
「そうね。その問題があったわね。でも七不思議からは、神隠しによる失踪はなかったから、飛ばされた人もなんの問題もなく戻ったのよ。つまり、無事に帰る方法はあるわ!!!!」
授業の終了のチャイムがなった。今はお昼時間のようだ。
「ちょっと待って。授業が終わったから、人が来るかもしれない。場所を移そう。」
「わかったわ、ならいつもの場所へ行くわよ。」
と言って、ナナちゃんは僕の手を引っ張って、いつもの、そう僕たち真相究明俱楽部の使用している場所へと向かった。
「ここなら、そこまで人気もないわ。昼休みならなおさらよ。」
「そぅ。それで、どうやったら戻れるかあてはあるの?」
「う~~ん。それは~~~。ないわね~~~~」
困った顔をして、答えるナナちゃん。
「ないのか。そういえば、あの時、虹の光がナナちゃんの胸元に集まっていたけど、あれはなんだったの?」
「そうね。それも確認してなかったわね。」
いつの間にか、上衣に戻していたお守りをナナちゃんは再び取出した。
「これよ。これが七色の光を吸収して、光を放出してたのよ」
「これはお守り?このどこでも買えそうなお守りにそんな効果が?いや、それなら、他にも犠牲者は沢山いるはずだ。虹の根元という条件は特殊だけど、そこまで少ない現象でもないよ。」
「そうね、正確に言うと、お守りの中に入っているものね」
そういって、ナナちゃんはお守りの中から、黒い丸い石を取り出した。
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