神宮寺高校の七不思議を追え
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「キンコーンカンコーン、キーンコーンカーンコーン」
チャイムが鳴って、退屈な授業が終わった。
僕は天宮寿也。県立神宮寺高等学校の2年生だ。去年より、僕はとある部活動に参加している。いや、規定人数が満たないため、学校に認められていない、非公認の同好会だ。
集合場所の図書館下のロビーに行く。割と図書館下のロビーは空いていて、同好会活動をしていても、邪魔にならないので、注意されることもない。
ロビーには、僕より先にロングの髪の女性が立っていた。彼女は、時渡那奈美。僕の小学校からの幼馴染で、僕らたった二人だけの同好会の同士である。ちなみに、彼女は、ミスコンの秋の部一年の優勝者で、この学校で彼女を知らない人はいないだろう。
ちなみに僕は、一般の学生から見れば、彼女の付き人その1である。
「ちょっと、遅いじゃないトシ君。チャイムが鳴ったらダッシュで来ないと。同好会の活動時間は刻一刻と減っていくんだよ。青春の1分1秒はとても貴重なんだから大切にしなきゃ。」
そう、彼女は黙っていれば、校内付き合いたい女性№1を誇るのだ。しかし、一たび口を開けばこの通り、キツイお言葉が飛び交ってくる始末である。
僕の彼女いない歴は、年齢と同じである。不思議なことに彼女に関しても同じなのだ。モテルはずなのに……謎である。
「ごめんごめん。ちょっと遅れちゃったよ。ナナちゃん。」
「もう、今度からはダッシュよダッシュ。この場所も最近目を付けている同好会が他にもいるんだから。早く来て場所取りしないと、私たちの活動場所がないんだからね。」
「はいはい、今度からは頑張って場所取りさせて頂きますよ。それで、今日は何をするの?」
「ふふん、今日はね。この学校に伝わる七不思議のひとつを調査するのよ。トシ君。この学校の七不思議全部覚えている?」
「ああ、去年この真相探求俱楽部を作った時に一番初めに調査したやつだろ。ちょっと待って。」
ブレザーの内ポケットからメモ張を取り出す。
「神宮寺高校七不思議
1.3階の女子トイレに花子さんがでる
2.屋上に繋がる階段が13階段になるとき黄泉の国へ繋がる
3.虹現る時、虹の根元で不思議なことが起こる。
4.塞がれた枯れ井戸に徳川の埋蔵金が眠っている
5.理科室の人体模型が夜な夜なダンスを踊っている
6.音楽室のベートベンの肖像画が、交響曲第5曲(運命)を弾くと表情が変わる。
7.七不思議を追うものは神隠しにあう
だったかな。でもこの7不思議っていうのも、毎年変わっているらしいよね。お話好きの女子たちが面白がって作っているんだよ。」
「そうよ。その7つの不思議を調査するのが、この真相探求俱楽部(同好会)の目的よ。これまでにも今迄あげた七不思議のいくつかを調査してきたわね。」
「そうだね。わかりやすい所から順番に1年の時に調査しに行ったよね。
『1.3階の女子トイレに花子さんがでる』
は、3年生の教室前にあるから、調査し辛かったけど、ナナちゃんが放課後誰もいないときにこっそり調査してもんね。あれは何もなかったね。時間帯や状況がわからなかったけど。
『2.屋上に繋がる階段が13階段になるとき黄泉の国へ繋がる』
は、一番最初に確認したけど、他の階段と同じ12階段しかなかった。これも1と同じでどういう状況で発生するのかが不明だった。
『3.虹現る時、虹の根元で不思議なことが起こる。』
は、そもそもここの高校での話なのか日本全体での話かわからなかった。
そして、この1年間、虹の始りがこの高校にあることはなかったから、未確認だ。
『4.塞がれた枯れ井戸に徳川の埋蔵金が眠っている』
これに関しては、眉唾もいいとこの噂話だったね。学校を建てる時に山と山の間を埋めたて高校を建てているから、その作成した井戸に埋蔵金を埋めること自体がナンセンスなんだ。たかだか50年の歴史で、そんなものが埋まっているわけがない。
それに、その噂の真相を確かめに歴代の先輩達が先生達の目を盗み、井戸の中に入り、掘削したようだけど、今の所発見の報告はないらしいし。
『5.理科室の人体模型が夜な夜なダンスを踊っている』
これは、理科の先生が宴会芸の練習に人体模型とダンスを踊っていたから、完全に七不思議とは関係なかったね。それにしても毎日踊っているとは流石に予定外だったね。これじゃあ七不思議も何もないよ。ただの可笑しな日常だよ。
『6.音楽室のベートーベンの肖像画が、交響曲第5曲(運命)を弾くと表情が変わる。』
これは、ナナちゃんが一生懸命お昼に音楽室のピアノを弾いて、やってみたけど、ベートーベンの表情はかわったように見えなかったね。その代わり、音楽の先生があまりの見事さに表情が変わってたっけ。これも条件があるかもしれないね。
『7.七不思議を追うものは神隠しにあう』
これは僕たちが七不思議を追ってはいるけど、二人ともこの場に存在しているから未確認だね。 もっとも、この最後のものに関しては起きたら僕たち二人ともいなくなるから、勘弁だね。
とこれが僕たちがこの1年間調べてきた内容だけど、これがどうかしたの?」
「そうね。調べた結果になるけど、この七不思議っていくつかのグループに分けられるのよ。
1と2と6は、他の学校でもよくある話の怪談の七不思議のひとつだわ。これは、おそらく誰かが七不思議が欲しくて作ったんだわ。きっとっそうよ。
4は、夢のあるお話だけど、あまりに俗物的な話よね。というかこれは不思議じゃないわよ。希望的観測じゃないの。きっと面白犯がやったのよ。
5に関しては、日常にあった事実を面白おかしく、七不思議に取り込んだんだわ。でも先生に聞いたら、模型と踊りだしたのは、ここ2年間、つまり、私たちが入学する前の話だから、その間に誰かが七不思議に取り入れたのよね。きっと。
3と7が可笑しいわよ。夢見る子ちゃんまたは、不思議ちゃんが作ったのかもしれないけど、それにしてはあまりにも内容が抽象的すぎるのよ。だって、不思議ちゃんが書くのなら、きっと3は『虹の根元で妖精さんに会えるよ』そっちの方が夢があるもの。追うのも期待一杯で楽しいし。
でも、七不思議の一つで不思議なことが起こるっていったいなんなのよ。あまりにも意味がわからないわ。日常ではありえないことが起きた現象が七不思議として語り継がれているのに。
一番最後の7もおかしいのよね。これではまるで、七不思議自体を追うなと言われている感じがするわ。だって、不思議を追及したら、ある日私たちはいなくなるのよ。そして、この学校では、これまでに生徒が失踪したということはないって先生が言ってたわ。」
彼女、ナナちゃんは、スタイルはもとより、外見もよし、頭脳明晰で、学年でも10番内に入る。そして、体育や芸術関連の成績も良い。いわゆる文武両道の出来た人なのだ。
画して僕は、成績は普通、真ん中ぐらい。体育は下から数えた方が早いし、音楽は音痴だし、絵のセンスはピカソ並だ。つまり、僕たちが一緒にいるなんて理由はあまりないのだ。それでも一緒にいる理由というのが、このナナちゃんのオカルト好きである。
この1点があるから、ついて来れる人間が限られてしまうんだ。僕は幼い頃から、ナナちゃんの怪談話や世界の謎、ムー大陸、やユーマなど様々な世界の不思議を聞かされて育ってきて免疫があるんだ。
でも、他の人からしたら、いきなり真剣にそんなことを話す人はちょっとって距離を置かれることが多いんだね。モテはするけど、一歩引かれる。かくして、同好会は二人で結成される運びになったのだ。
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