プロローグ
みなさんこんにちは。なりせです。この小説を読んで1人でも面白いと思ってくれたら幸いです。
俺はある人を待っていた。かれこれ数時間待っている。なぜって?楽しみすぎて寝れなかったに決まっているだろう。そう、今日は待ちに待ったVRMMOの正式サービス日なのだ! 俺がゲームをやり始めたきっかけは、中学一年の頃だった。
当時流行っていたRPGゲームをやっていたら、意外とハマってしまった。その沼から抜け出せず、今に至る。当然、いまもゲームに魂を込めて過ごしている。なに?青春はどうだって?ふざけるな、充実してないに決まっておろうが!
……まあ、そんなことは置いといて、本題に入ろうか。
さて、同じゲーム仲間の中澤もきた。あと2人来るらしいので、しばらく待つ。中澤が言うにはその2人は女性らしい。
どんな人がくるのか楽しみだ。だが青春とはあまり関係のない人生を送ってきた俺は聞き流した。二次元にしか興味のない俺は、三次元の女など喋る草に見えてしまった。
「中澤〜はよ2人こなへんのかねぇ〜」
どこの方便かよくわからない方言を喋る俺である。
「まだ1時間前だしね」
「そーだけどさぁ〜」
「あそうそう、新作のげーむやけどさ、あれ、ヤバくねぇか?」
「やばいな。」
「だよな!あんなんやったら廃人になっちまうぜ!」
「ああ、そうだな。」
ゲーマー仲間であり、親友でもあり、そして、俺より少しだけ頭が良い中澤に俺はライバル心を燃やしている。ちなみに、俺は勉強が嫌いなので学年順位は下から片指の数で数えれるくらいである。
中澤と今日買いに行く新作ゲームの話をして数十分。もうそろそろ発売開始時間だからもう行くかとなったときだ。
「遅れてすみませーん!」
と甲高い声が聞こえたので振り返ってみる。するとそこには二次元の女でも顔負けしそうなレベルの美貌を持つ女性が息を切らして向かってきていた。
髪は肩にかかる程度の長さ金髪でサラッサラ。目は二重で大きく、鼻筋が通っている。口元にあるホクロがまたセクシーだ。
「えっと……あの……」
彼女は何を言いたいのかわからないような顔をしている。そりゃそうだ。初対面の人間に向かっていきなり仲良くしましょうというのは陽の方がする挨拶方式である。実際、俺もいきなり距離詰められたら困惑するからね!そしてよく見るとその輝いている女性の後ろに隠れている女の子もいる。こちらもまた二次元から召喚されたようなお顔をお持ちしている。そして長髪美女とは正反対に短髪美少女である。身長が低いため、変な心が目覚めかけた。——三次元も悪くないな——なんて思ってしまう始末である。煩悩を殺し尽くし、お互いに自己紹介をした。
彼女たちはそれぞれ、金髪の長髪美女が沢谷、赤髪の短髪美少女が奏と言うらしい。ああ、名前も可愛い——と思った!おっと、本来の目的を忘れてしまうところだった。これから新作ゲームを買いに行くので、雑談しながら目的の店へと向かっていった。
「そういえばさ、俺達、新作のゲーム買おうとしてんだけど、なんかオススメある??」
中澤が聞いた。この質問は、俺達が新作を買うときにいつも聞く質問である。毎回毎回同じ答えを返されるのだが、それが逆に安心できる。
「私達は、このゲームやってますよ!」
と言って見せてくれた画面には、見たこともないタイトルが表示されており、思わず目を見開いた。
「え!?マジか!!これ、めっちゃ面白かったんだよ!!」
と興奮気味に話す中澤。どうやら中澤もこの
「The World of the Ring 」略してTWRをプレイしていたらしい。これは嬉しい誤算だ。
「へぇ〜!そうなんですか!私はβテストのときにやりましたけど、面白いですよ!それに、ストーリーもいいですしね!」
「うん!すっごくいいよね!あと、グラフィックも綺麗だし!あ!あとね、イベントもたくさんあって楽しいよ!あとあと……」
と、沢谷さんと奏ちゃんが熱弁し始めた。正直言って何を言っているのか全然わからなかった。まあ、要約すれば、グラフィックも良くて、ストーリーも面白くて、イベントもあって、とにかくすごい!ということだ。
そんなこんなで話しているうちに目指していた店の目の前に着いた。
この時の俺は思いもしなかった。
まさかあんなことになろうとは———
高評価でしたら2話を載せます。
ちなみに主人公の名前は蒼です。
全員苗字ですので後々フルネームで人物紹介をしておきます。