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ソロパーティーしかないよね

 ◇


 私を見つめる眼差し――鋭く刺すようで痛くて仕方ない。しかも多方から。


 

 学院に通いながら、もちろん日課は続けているし、レベルMAXまであげている。まだそれでも魔法の研究や武術の鍛錬はソロ魔王対戦をするつもりだから、必要だろうし。


 攻略対象の彼らがどれだけ私を敵視したとしても、まぁだいぶ頑張っているみたいだけれど、まだまだなのよね。私から見ると。


 まぁレベルMAXまであげた私だから。それでもまだまだだってやっているところだからね。


 もちろん彼らと、本当の本気で戦ってない。本気すぎると一般より出鱈目に強いはずの攻略対象達でも危ないからね。本気らしくみせながら、手を限りなく抜かないと危険なのよね。



 こんなふうに思っていることがもしばれたら、もっとひどく闘志を燃やされそうだけれど。




 でも私の最終目標は魔王だしな。しかもソロだし。ヒロインでもソロ狩りしてもいいよね? 


 魔王に有効な聖なる力は力技でどうにか習得した。


 仕方ないよね。力技しかない。チートこわいわ。でもどうにかなってよかった。本番も使えるように鍛錬あるのみだけど。



 後は散らばっている武具やら魔法書やらを、まぁ覚えている限り迷宮とか、ソロで駆け抜けて集めていっている。



 ゲームではパーティー組んでいたっけな? 攻略対象達とラブラブに。


 ないな。ない。いちゃいちゃとかないよね。攻略対象達が強くなってヒロイン守りながら、守られながら。

 ヒロインとして足手纏いの大役を果たしながら。


 ゲームではこんなレベルあげてなかったしな。ヒロイン――



 まぁそれがこの乙女ゲームだったけれど。私にはないみたいだな。


 逆ハーレムみたいな世界、私にはないな。なんでこんな残念ヒロインになってしまったのだろう。



 ――レベルあげれば無双状態になるなんて思わなかったな。ここまでとは思わなかった。


 攻略対象よりがっつり強くなるとは。




 おかげでソロパーティーでいいやだよ。ソロ。ひとりだよ。


 剣士私、魔法使い私、賢者私……なんか考えていたら悲しくなってきた。


 前世でいう、ぼっちかな。ひとりぼっち。



 ――切ないな。


 まぁ攻略対象達くらいだとまだまだ危ないとこもあるし、怪我させても治せるけれど、命は私がチートでも多分取り戻せない。攻略対象達だって強い方なんだけどね。でも危ないしね。ゲームじゃないから。


 リセットボタンないと思うし。試したくもないし。


 ずっと相手して戦って、ああ成長したなとかこう色々感慨深く思っていたら、恋愛じゃないだろうけれど、つっかかってきてめんどうと思わなくもないけれど、それでも幾ばくかのなんらかの情はわいているみたい。


 そして、やはり死なせたくはないよね。


 やはりこっそりソロが一番かな。もしもがあるし。



 私、前世遠すぎて詳細は覚えてないけど、ルートによって出てきたんだったかの魔王、ゲームで倒せなかったのよね。だからもし上手く倒せたら、どうなるのか知らない。そこまでの記憶しかないのね。攻略系の情報見てなかったし。



 魔王は魔王で悪い魔王じゃなかったら、そっと逃したり匿ってもいいかなとかも思っていたりする。  

 ソロなら出来るよね?


 そういう系魔王もいたよね。物語には。そういう魔王なら倒したくはないかなって。


 ここのはどうかなって。とりあえずぶっ飛ばせじゃなくて見極めたい。だめそうならやる気出してぶっ飛ばすけどね。人間のレベルMAXでソロ、どうにかなるのかな? そのために、必要な武具とか集めているけど。


 武具、とりあえず所持でオッケーよね? 全部はまとえないし。ひとりだしね。うん。聖剣でどうにかなるかなぁ。


 ま、まだまだ準備段階だし本当に魔王が現れるかわからないけどね。



        ◇


 最近はこの国の王子、ルファード・ライフェス・エルテルシア殿下まで参戦してきている。


 まぁ攻略対象だものね。もちろん勝負のお誘いをいただくの。

 順番待ちだけれどね。ちゃんと律儀に待つのよね。そういうところは好感度高い。


 先着順でひきうけて、勝負をこなしてもこなしても誘いが来るから減らないけれど。エンドレス勝負かな。私が勝つのだけれど。


 攻略対象達かなり強いはずなのにな。


 それでも自分に思い切り枷をつけて挑むことになる訳だけれど。


 溜息しかないよね。




 デートじゃないの。果し合い。

 ラブレターじゃないの、果たし状。


 



 殿下のだいぶ後ろではらはらしているのかな? 殿下の婚約者、ゲームでは悪役令嬢のファイメア・トラシアタ様がそっと覗きにきていたりすることも気付いている。

 

 モブ令嬢レフィラン様は天然だけれど、殿下には婚約者がいるから気をつけてと、くぎはさしておいた。

 


 それでも殿下からの好感度高いみたいだけれどね。レフィラン様どういうものなんだろう? 魅了? 

 魔法はかかっていないけれど、ゲームの強制力かな? 

 

 私には恋愛無理だからレフィラン様にだったら悪いなで、攻略対象達にまるでヒロインのように群れられているレフィラン様も邪険にしきれない。



 もうヒロイン恋愛部門レフィラン様でいいと思うし。モブだけれど……。


 でも婚約者がいらっしゃらない方でお願いねで。惨劇は嫌だからね。


 レフィラン様、その婚約者達とも何故か仲良くなっているみたいだし。

 私の話で盛り上がっているってなんでだと思うけど。仲良きことは良きことかなってことで考えないことにしている。


 レフィラン様、みんな友達と言っているけれど――


 ここはここでなんだか恋愛が実るかんじがしない。男女同じくらいのテンションだし。


 それでも強制力仕事するのかしら?




 悪役令嬢も、悪役悪役全然していないし。縦巻きロールじゃないのね。


 銀色のふんわりとした巻毛、青い瞳の美しい公爵令嬢。嫉妬に狂わせたくはないよね。


 まぁ私に嫌がらせ、悪口言われても、私が気にしない。


 教科書とか隠されても、もう既に暗記終了しているし、飲み物や物を私にぶちまけたり、ぶつけたり出来る令嬢がいると思えないし。

 余裕で避けることが出来てしまうよね。


 まぁ突き落とされても突き落としきれないか、着地出来るだろうし。

 

 私にされても問題ないよね。


 レフィラン様に向いても困るからするようならとみていたけれどね。大丈夫そう。


 悪役令嬢相手までも気づくと無意識に籠絡して仲良くなってましたな世界になったし。

 むしろレフィラン様の方が怖いね。


 



 まぁ殿下も別の攻略対象達のように私に対しては勝負相手扱い。戦い相手としては夢中みたいだけれど。


 

 しかし、何故私はひたすら空き時間は勝負に費やされているか、女性に囲まれているのかさっぱりわからないなと心底思う。




 落ち着いてくれないかな? くれるかんじしないよね。違う意味執着されてないかな? 気の迷いじゃない気がしていた。


 これもある意味強制力?



 学院通いながら、空き時間勝負。他の時間に迷宮にもぐり、鍛錬を重ね、書物を紐解き…………。

 忙しいわ。休みなくぶっ通し。


 この勝負地獄いつになったら終わるのかしら。






        end

 お読みいただきありがとうございます。


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