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僕が僕であるために-最終話

「中学卒業まででいいわ。といっても、あたしが養って上げるとは言えないから、バイトの世話と、それと住む所を用意して上げるわ。もちろん、お金は払うのよ」

「そんなに稼げるの」

「あたしの親戚がアパートを持ってるの。そこに出世払いで住ませてもらうの。あなたが成人して働き始めたら、そこから返すってことでOKよ」

「本当にそんなうまい話あるの?」

「道楽でやってるようなトコだからね。朝夢見ちゃんがそうさせてもらってるの」

「あゆみちゃんって」

「三代目ファントムレディ」

「あぁ、そういや、そんなのもいるって聞いたことあるよ」

「バイトは、知り合いに当たってみるわ」

「いいよ。金ならあるんだ」

「でも、それは妹さんのために用意したんでしょ」

「どうして、知ってるの?あ、あの子、気がついたの」

「全部聞いたわ。その件も、あたしに協力させて。知り合いに警察官もいるし、力になれると思うわ」

「あんた、何者だ」

「ただのお節介オバサン」

「でも、何の得になるんだ」

「何にもならないわ。あたしには。でも、あんたには、いいんじゃないの、そのほうが」

「そりゃそうだけど」

「あたしは、やりたいようにやるの。何か文句ある?」

「いえいえ」

「何だったら、うちの学校に編入する?」

「あんた先生か。そういう感じもするな。でも、あそこ、試験あるんだろ」

「私立だからね。でも、きっとあの娘も喜ぶわ」

「会わす顔はないよ」

「会いにきたんじゃなかったの」

「それは、そうだけど」

「じゃぁ、覚悟しておきなさい。あたしが保護者になった以上、必ず会わせて上げるから。今から言う台詞を用意しておきなさいよ」

「編入させてくれるの」

「あたしを先生と呼ぶ覚悟あるなら」

「緑川先生、か。似合ってるね、なんだか」

由起子は笑いながら大島の頭をこづいた。

「さぁ、とりあえず、あの娘たちに会いに行きましょうか」

「いきなり?」

「そう。見舞いもかねて」

「あ、ネコ」

「どうしたの」

「ネコ置いてきちゃった」

「どこ?」

「あんたの学校の裏。荷物をテニスコートの裏に隠して、その近くに置いてきた」

「とりあえず、それを探しに行くのね」

「あぁ、全財産入ってるからね」

「どれくらいあるの?」

ぼそっと大島が言うと、由起子は呆れたように言った。

「あんたの方があたしよりお金持ちじゃないの。あきれたぁ」

由起子は大島を突き飛ばした。大島は、痛い痛いと言いながらも笑っていた。笑いながら、こうして笑うのは、いつ以来だったろうか、と思い出そうとしていた。

 大島には由起子が眩しく見えて仕方なかった。街もいつもより明るく見える。今日の太陽は眩しい。


途中重複投稿してしまっていて、本当に申し訳ありませんでした。


次回以降は十分気を付けますので、

 今後とも見捨てずに

 よろしくお願いいたします。


辻澤あきら 拝


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