風 『詩』
誰かの背中を押したかった
誰かに求められたかった
今思えばどの考えも自分を肯定するものだった
今に後悔はない
不満はある
私は白黒の明確をつけたかった
こんな生温い湿った風でなく
なぜ私は髪で指を切った時のように鋭い冬の風でもなく
乾燥した砂漠に沸く水のように、誰かが喜ぶ夏の涼しい風でない
この世の中には、止むことなく風が吹き続けていて
人達は風が何処かへ連れて行ってくれるなんて言うが、私達のことは誰が連れ出してくれるのか
あぁ、このままどこか遠くに連れて行って欲しい
光も闇も太陽も月も風もない場所へ
誰かが私を必要としてくれるところへ
誰かの背中を押せるところへ