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閑話1 Sランク冒険者と神薙

本編に影響は出さないように本編でもフォローしますが、

本編にがっつりと絡んでくる内容です。


王城での療養を終えた俺は、

久々に冒険者ギルドに向かった。


「アシナさん!」


冒険者ギルドに入ると、

冒険者登録時に対応してくれていた受付嬢が声をかけてきた。


「どうぞ、こちらへ」


なぜか、そのまま応接室に通された。


高級そうなソファ。

我が家の応接室よりも少しフカフカ度が高い。

我が家の応接室もグレードアップしようか。

そんな風に思っていたところ、

綺麗な女性が入ってきた。


「君がアシナかい。」


エルフの女性だ。

見た目は20代くらいだが、

エルフは長寿であり、見た目もほぼ変化しない種族だと聞いている。


「はい。初めましてアシナです。」


見た目は同い年くらいだろうがはるかに年上の可能性が高い。


「私は、ランファ。この冒険者ギルドのギルト長という立場にあたる。今回来てもらったのは、あんたのランクについてだ。」


「ランク?」


「あぁ、私とシルファは古い仲でね。といっても、本当はシルファの両親と仲が良かっただけなんだけど。」


危ない。年上どころか、かなりの権力者じゃないか。

下手な対応をしなくて正解だった。


「それでね。今回シルファからいろいろ話を聞いた。そこでアシナのランクをSランクにあげるように言われたよ。」


「ありがとうございます。」


「だが、まだ私は色々信じていないことがあるんだ。本当に黒竜をやったのかい?」


「倒しましたよ。これが黒竜の素材から作った鎌です。」


アイテムボックスから煉獄を装備し、

ランファに手渡す。


「ほーう。これが黒竜の素材でできた武器か、見ただけですごいのがわかるねえ。シルファが持っている国宝の剣よりも正直すごく見えるよ。」


レア度でいうと間違いなく上だろうからなぁ。

と心の中で思うが口にはださない。


「ありがとうございます。」


煉獄を返してもらい、アイテムボックスにしまう。


「もっと聞きたいことはたくさんあるんだがね、まぁ今回はシルファからの直々の申し出だし、嘘はなさそうだ。ダンジョンの70層にも行ったんだろう?」


「はい。行きました。」


「ダンジョンの存在やダンジョンマスターという権限について聞いたときは私も目ン玉飛び出るかと思ったよ。長生きしてみるもんだねぇ。まだまだこの世には知らないことがたくさんある。」


年寄りの話が長そうだ。


「あんた、今失礼なことを考えなかったかい?」


ランファがギロリとにらんでくる。


「いえ、何も考えていません。」


食い気味に即答した。


「まぁいいや。とりあえずSランクには上げるよ。」


「ありがとうございます。」


話を終え、1階に降りると先ほど2階に案内してくれた受付嬢から、

ギルドカードと呼ばれるギルドランクがわかるカードを受け取る。

金色に光り輝いている。これがSランクのものなのだろう。


「ギルドカードは、Cランク以上になると王都の3区から1区に入れるようになります。通行するときはそのカードを見せるようにしてください。」


「あぁ。わかった。」


「あとは、この近辺にいないときは仕方ないですが、最低でも3日に1回程度こちらにきていただけると助かります。指名依頼というものが入りますので。」


「わかった。ありがとう。」



こうして俺のギルドカードの更新が終わった。




★★★★★★

ギルドカードを更新し、家に帰るとそこにはカンナがいた。


「ご主人様、付き合ってほしいの。」


「いや、俺はさすがに9歳と付き合う気はない。」


この付き合うはそういう意味ではないのは分かっているが、あえて言っておく。


「そういう意味じゃないわ。分かっていってるでしょう。あと私は先日10歳になったわ。」


「お、誕生日おめでとう。」


「ありがとうございます。ご主人様。」


カンナがメイド服のフリルを持ち上げ礼をする。

可愛い。


「それでどこにいきたいんだ?」


「冒険者ギルドとか、教会でも。なんでもいいわ。」


「教会にしようか。さっき冒険者ギルドにはいってきた。」


「はい。よろしくお願いします。」


カンナと二人で歩き出す。


教会は5区にあるはずだ。


「どうして協会に行きたいんだ?」


「ご主人様は知らないかもしれないけど、この世界では10歳になると勝手に職業が発現するわ。でも具体的になんて名前の職業かはわからないの。それを鑑定してくれるのが、教会か冒険者ギルドよ。」


「ほー。そうなのか。俺自身のスキルとかはメニュー画面から簡単にわかるけどな。」


「それはご主人様が特殊なのよ。普通の人は教会での鑑定か、冒険者ギルドの鑑定の書というものを使って自分の職業を知るわ。スキルとかについては、職業を自覚すると勝手に覚えるらしいけど…。」


「なるほど。10歳になったから職業が発現しているはずだけど、それを知るために行くのか。」


「正解!」


カンナも10歳になったので、自分の職業が知りたいのだろう。


他愛もない話をしながら2人で歩くこと20分ほど。

教会に付いた。


「んで、どうしたらいいんだ?」


「私も初めてだからわからないわね。」


そりゃそうだろうな。何回も職業診断を受けているやつはいるまい。

困っていると一人の男性が話しかけてきた。


「ようこそ、いらっしゃいました。お困りでしょうか。」


「この子の職業鑑定をお願いしたいんだが。」


「かしこまりました。こちらへどうぞ。」


懺悔室のような場所にカンナが入っていった。

少し待たされる。


カンナが笑顔で出てきた。

何かいいことがあったのだろうか。


「おかえり。カンナ。」


『ただいま、ご主人様。』


ん?違和感がある。

カンナの口が動いていないのに頭に声が聞こえてくる。


「なんだこれ?」


『これが私の職業みたい。』


「え?どういうことだ?」


カンナが口を開いた。


「私の職業は『神薙』だったわ。カンナに神薙なんて笑っちゃうわね。」


「神薙か。どういう効果なんだ?」


「神薙は神との交信や神の憑依ができるわ。つまり死神ともね。」


「え?」


俺は一回も死神であると伝えたことはないはずだ。


「私の力は神がわかるみたいだわ。といってもこの世界に現界しているような神はご主人様だけだと思うけど。」


「具体的にはどんなことができるようになるんだ?」


「まずは、神と連絡が取れるわ。つまり私とご主人様は遠くに居ても連絡が取れるようになる。」


「すげぇ。電話みたいじゃないか。」


「ただ、これ難しくて、私からパスを通しているときしかできないみたい。ご主人様から私に連絡は取れないわ。」


「まぁ仕方ないだろうな。」


「次に認識している神の力なら一部をまねることが可能よ。ということで帰ったらご主人様のスキルをいくつか見せてほしいわ。」


「分かったよ。」


そうして俺らは帰路についた。

帰ってからスキル全てを見せたのは言うまでもない。


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