1話 初の冒険者ギルド
物語が動き始めます。
目が覚めた。
身体を起こし、ベッドに腰掛けながら深呼吸を一つ。
昨日の出来事を思い返す。
引っ越しの報告にいっただけなのに、
覗き、戦い、気絶し、キスされ。。。
顔が赤くなってしまった。
頭を振り雑念を払う。
一呼吸終え、
ベッドから立ち上がり身支度を終え、自室を出る。
まだ朝早い時間帯だ。
誰も起きていないだろう。
1階の調理場に向かう。
朝ごはんを皆のために作ろうかな。
するとそこには、
リシアとカンナがいた。
「あら、おはよう。アシナ。」
「おはようございます。。。」
2人の反応の差がひどい。
リシアはいつも通りな優雅な感じだが、
カンナは死んだような声だ。
「二人ともおはよう。何をしているんだ?」
「朝食を作っていたわ。早速カンナに和食を習っているところよ。」
ちらっとカンナの顔をみると目が泳いでいる。
「どれくらい前からやってたんだ?」
「少し前よ。」
ちらっとカンナを見ると顔を横に振り続けている。
多分あのあとすぐにたたき起こされたりでもしたのだろう。
「リシア。気持ちはうれしいが、無理をされては困る。夜はしっかり寝てくれ。カンナに習うのであれば、昼間カンナの仕事を減らすようにロメリアには相談しておくから。」
「分かったわ。ところでこれ作ってみたの食べてみてもらえない?」
皿に乗っているのは、炭みたいなナニカだ。
「これは?」
「卵焼きとやらよ。」
俺の知っている卵焼きとは違う。
「味見はしたのか?」
「いえ、最初に食べてもらいたかったから味見もしていないわ。」
うーん。食べ物を作るうえで根本的に間違っている。
正直拒否したいが、あんなに期待大の顔をされては困る。
俺は覚悟を決めることにした。
カンナを呼び寄せ小さい声で言う。
「あとは頼んだぞ。」
「任せて。」
カンナが親指を立ててくる。
卵焼きならば味付けによってかけるものを変えるのが俺流だ。
「これは味付けは何にしたんだ?」
「砂糖と醤油よ。」
甘いのかしょっぱいのかわからない。
しかたないので、そのままいってみる。
「いただきます。」
……。
その後俺は意識を失った。
昼過ぎに目が覚めた俺の横にいたのは、セシアだった。
「話は全てカンナに聞きました。リシア姉様が申し訳ございませんでした。姉様は家に帰しました。」
「あぁ。」
お互いに物申せない雰囲気が流れる。
「そろそろ私も城に帰ろうと思います。」
セシアが言う。
「分かった。俺はこれから少しダンジョンに潜ろうと思う。数日はこもる予定だから、帰ってきたら連絡する。」
「かしこまりました。」
そういって、セシアとレティナは帰っていった。
★★★★★★
「さて、アリー、ロメリア、ゼミア、あとはカンナ話がある。」
俺は4人を部屋に呼び話し始めた。
「これから話すことは他言無用だ。命令とさせてもらう。まず最初に俺は数日家を空ける。王様からの依頼でダンジョンにいくことになった。」
4人とも真面目な顔でこちらを向いている。
「そこでだ。俺が留守の間、アリー、ロメリア、ゼミアこの家やほかの奴隷達を頼みたい。」
3人とも頷いてくれる。
「カンナ、お前にはお金の管理を任せる。当たり前だが無駄遣いはするな。アリー、ロメリア、ゼミアと相談しながら使え。」
アリー、ロメリア、ゼミアの3人は俺が9歳のカンナにお金を預けたのに驚いている。
「いろいろ分かることがあるんだ。俺にはな。」
そういい。3人を押しくるめる。
んじゃ留守を頼むよ。4人とも。
そういって俺は家を出て冒険者ギルドがある6区に向かう。
「ご主人様!」
アリーが話しかけてくれる。
「どうした?俺はちゃんと帰ってくるよ。」
さわやかな笑顔でアリーに微笑みかける。
「昨日のメイド服代です!!」
俺は顔が熱くなった。
★★★★★★
支払いをおえ、冒険者ギルドに付く。
さっとギルド登録する。
この世界の冒険者ランクはE~Sまで、
A~Bくらいまで行けば一般的には上級者らしい。
普通はC~Dくらいだな。
Eは初心者に、Sは国が認めるレベルとのこと。
俺は当たり前だがEランクだ。
事務手続きを終えたばかりの冒険者ギルドの受付嬢に話しかける。
「すまない。北西にあるダンジョンに、向かいたい。地図が欲しい。」
「おひとりですか?」
「あぁ。何階層まで潜る予定でしょうか?」
「50くらいかな?」
「え?今の最高は42ですよ?パーティメンバがどこかにいらっしゃるのですか?」
「いや、1人だ。」
「申し訳ございませんが、死に向かうような方に地図をお渡しはできません。これは職務放棄ではなく、やさしさです。」
いや、完全に職務放棄じゃん。。。
新人とはいえ、地図くらいくれればいいものを。
すると横から声がかかってきた。
「ねぇお兄さん。私達も今からそのダンジョンに行こうと思うんだけど、一緒にどう?」
振り返るとそこには、2人の女性がいた。




