閑話8 人を守る覚悟と剣
閑話2で設定説明しているキャラ達のストーリーフォローを閑話で行います。
今回はアスタ、メメリのお話です。
閑話は暗いお話が続きます。
本編に影響はないため、読み飛ばしていただいても問題ありません。
俺は、アスタ。
俺の父は、
とある地域を任された貴族の家で働いていた衛兵だ。
その貴族には一人の娘がいた。
奥様に似て綺麗な女性だった。
名をメメリという。
俺とは年齢も近く、
小さいときからメメリお嬢様の側近としてそばに置いてもらっていた。
さすが貴族のお嬢様というべきか。
メメリお嬢様は欲しいものもある程度自由にできたし、
学びたいことを言えば何でも学ばせてもらっていた。
楽器や勉学や礼儀作法に馬術など、様々である。
メメリお嬢様は、色々な技術をあっという間に身に着けていた。
俺も彼女を守るというなの名目で、彼女の学ぶ姿を横で見続けた。
俺の技術はメメリお嬢様の半分もいっていないだろう。
だが、一般的に通用するレベルで物事をある程度こなせるようになった。
そんな俺とメメリお嬢様だったが、
メメリお嬢様のお父様が実は税金を横領していた。
この地域は税金が高く、
その代わり貴族から守ってもらえる範囲が広いというのが、
うたい文句だった。
当たり前だが、民たちは怒りくるった。
民たちはあっという間に、領主館を制圧した。
お父様、お母様はその場で死刑。
メメリお嬢様も髪の毛を鷲掴まれ、
長く綺麗だった髪は切られてしまった。
メメリお嬢様はその後の奴隷商に売り飛ばされてしまうことがきまった。
俺は父に相談した。
メメリ様を助けたい。
俺の働いてきたお金で彼女を救うことはできないかと。
俺の父は一言。
「そんなことをすれば民たちが次は許さないだろう。」
といった。
俺は絶望した。
彼女を助けようにも助けては彼女が救われない。
本末転倒ではないか。
俺は悩み悩み悩み悩み、悩み抜いた。
その後一つの答えにたどり着く。
彼女が奴隷商に売られる当日。
俺は父に言った。
「父さん。俺はメメリお嬢様のそばに居たい守りたい。だから俺は奴隷商に直談判しようと思う。俺にお金はいらない。だから、俺も奴隷になる。その変わりにメメリお嬢様と二人一緒に購入してくれる人のところに売ってほしいと。」
父は頭を悩ませていたが、
しぶしぶ了承してくれた。
息子が男として覚悟を決めて女を守ると誓ったときに、背中を押してやるのが父の努めだと。
こうして俺は奴隷となった。
メメリお嬢様を守る1人の騎士として。
今日も彼女を守るのだ。