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喚ばれた死神~一撃必殺『絶対切断の大鎌使い』~  作者: 尋ね
2章 閑話 設定の公開と補填
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閑話5 剣士の覚悟

閑話2で設定説明しているキャラ達のストーリーフォローを閑話で行います。

今回はミロのお話です。


閑話は暗いお話が続きます。

本編に影響はないため、読み飛ばしていただいても問題ありません。

俺はミロ。


小さいころから、剣を毎日振っていた。

強くなることを夢見てたんだ。


物心ついたときには、剣士という職業をもらい、

村の周りにでた魔物達も仲間と一緒にやっつけてた。


俺は強い。そう自負できるほどに。

子供ながらに、

大人も苦戦するような魔物を仲間でやっつけてたんだ。


いつも仲間たち5人で笑いながら話してた。

冒険者になって、村をよくする。

俺が村を守ってやるって。



ある日、俺らが森の中で魔物を狩っていると、

頭の上を影が通っていった。


黒竜だ。


あいつだけは手を出しちゃならない。

あれに意思はない。あるのは破壊だけ。

天からの災害、『天災』そう大人にはいわれた。


この国の兵士達が500人もやられたが傷を負わせることしかできなかったらしい。


俺なんかあっという間に炭になるだろう。


「なぁ、今の黒竜だよな。飛んで行った方向って・・・」


仲間の声にはっとなる。


間違いなく、今の黒竜は俺の村に向かっていただろう。

胸の中で何かがそうささやいていた。


胸を蠢く黒い何かだ。


俺たちは夢中で走ったんだ。

村を一望できる丘。

そこから見えるのは、黒く燃える炎、


そして村の真ん中にいる一匹のドラゴン。


俺たちは走った。

どうにかなるわけがない。

だが、俺たちで助けられる命があるかもしれない。


結果は、散々だった。

まずは皆自分の家に全力で走った。


そこには、家なんてなかった。

もちろん、父も母も妹も。

全部全部全部全部なくなっていた。


ほかの仲間たちと合流する。

どうするか決めよう。

そんな話をしているときに、

急に仲間が俺を突き飛ばした。


そして、俺がその仲間のほうを見た瞬間に、

仲間たち4人は炭になっていた。


俺は逃げた。

逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。逃げた。


少し距離を取り、村を見る。

黒竜と目があった気がした。

笑っているような気がした。


俺は井の中の蛙だったのだ。

俺は弱い。


この世の中、子供一人がいきていくことなんてできない。

近くの街でご飯を隠れて食べていたのが見つかって奴隷になった。


俺は黒竜を許せない。

何もかもを奪ったあいつを許せない。




★★★★★★


あれから1年。

犯罪奴隷なんて誰も欲しがらない。

全然書いてがいなかった俺にも新しい居場所ができた。


ご主人様は迷い人だった。


今日は、お姫様が来るかもしれないといわれた日。

俺たちのリーダー、アリーさんが俺たちに礼儀作法を教えてくれている。


「完成じゃ~」

オーザーじいちゃんの大きな声が聞こえた。


オーザーさんのほうをみるとドキリとした。

忘れもしない、黒竜の鱗。

それでできた大きな鎌を持っていた。


「オーザーじいちゃん。それどうしたの?」


「これか?ご主人様が以前黒竜を1人で討伐したらしくての、その素材で頼まれていた。大鎌をつくっておったのじゃ。」


あいつが討伐されていた?ご主人様は強かった?

情報が整理できない。

俺の頭の中でぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐると渦を巻く負の感情。


あの時の仲間が一瞬で灰になる瞬間を思い出し過呼吸になる。


アリーさんが頭をポンっとたたいてくれた。


そうだ。敵は取れなかったが、

ご主人様はあいつをやっつけてくれたんだ。


俺の中でつっかえていた何かが決壊する。


俺のご主人様は最強だ。

だから、俺はそのご主人様の元で同じような思いをする人を作らないように努力するのだ。


俺は剣士ミロ。

ご主人様の執事で奴隷で剣士。


俺は理不尽を許さない。

俺は手に届くすべてを守りたい。




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