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第8章 山賊、再び

 第8章 山賊、再び!!


 俺達は新たにヴァイオレットを仲間にして旅を続けていた。

「次はどこに行けばいいんだ?」

「それが情報がないのよね・・・・・・ヴァイオレットは腐れ縁だから知ってたんだけど」

 サファイアが困り顔で答えると、ヴァイオレットがかえしてきた。

「相変わらずサファイアは役ただつですわね~」

「なっ!!何ですて~、そう言うあんたは知ってるのかしら。知らないならはっきり言いなさい」

「・・・・・・知ってますわ」

「そうそう、知らないなら・・・・・・って今何て?」

「だから他の精霊の居場所を知ってるって言いましたの」

「なっ!!」

 驚き顔のサファイアに対してヴァイオレットはしっれっとしていた。

 我にかえたサファイアがなおも食い下がろうとしていたが、俺が制して聞いた。

「それで次はどこに行けばいいんだ?」

 俺が聞くとヴァイオレットが答えた。

「そうですわね~この《深淵の森》を抜けたら街道にでます。そこからきたに20キロ行ったところに《電脳都市 コイルの街》があります。そこに雷の精霊がいますわ」

「次の目的地が決まったな。サファイア、行くぞ」

「・・・・・・」

(せっかく響也の役に立ってたのにおいしいところを持ってかれた気分だわ)

「おい、サファイア、サファイアってば?」

「な、何!?」

「だから行くぞって言ったんだけど、調子でも悪いのか?」

「問題ないわ。すこぶる快調よ」

「そ、そうか」

「そこの嫉妬深い女は、ほうといて行きますわよ。いつさっきの山賊が仕返しに来るか分かりませんしね」

「さっきの山賊って懲りたんじゃないか?」

「ああいう輩ほどプライド深いものなんです。今度はもっと卑怯な手も使ってくるかもしれません。それにただの野党ではこの森を抜け出ることはそうそうできるものじゃありません。だから面倒なことになる前に行った方がいいんです。分かりましたか?」

「・・・・・・一ついいか?」

「何ですか?」

「ヴァイオレットって説明するときやたら言葉が丁寧だけどなんでかな~って?」

「あ~あ、それは簡単なことです。ずっとサファイアといたら分かると思いますけどあの子はよくできるお姉さんぶるけどけっこうなバカなんです」

「・・・・・・ヴァ、ヴァイオレットさん?」

「まぁ、最後まで聞きなさい。私たちは昔、精霊の森にいました。そこには精霊見習いがたくさんいました。そこで勉強を教えてたんですけどサファイアのバカさ加減に気づいた子達が私の所に教えを請いにきました。そしてその子達に教えていたらこういう言葉遣いになっていましたわ」

 ヴァイオレットは昔を思い出してるのかサファイアの方を見ながらため息をついていた。

「このことはサファイアには内緒にしておいてください。たぶん気づいてないと思うので」

「分かった。ヴァイオレットも気苦労が耐えないんだな」

「分かってくれて何よりです」

 そう言って微笑んでるヴァイオレットを見てると嫌々って訳じゃないんだなっと思った。後ろから追い付いてきたサファイアを伴って歩き出した。


 深淵の森を歩くこと数分、森の中が不気味なほど様変わりしていた。

「なぁ、本当にこの道で合ってるか?」

「大丈夫ですわ。ここは私のお庭みたいなものですから、ちゃんとついてきてくださいまし。はぐれたら見つけるのも一苦労なので・・・・・・ま、サファイアは置いて行っちゃうかもしれませんけど」

「なぁ、闇の精霊ってひねくれてるから闇属性なのか」

「・・・・・・今の言葉、響也じゃなかったらぶっ飛ばしてますよ」

「ご、ごめんなさい」

 あまりにもヴァイオレットの顔が笑ってるはずなのにゾックと寒気がして思わず敬語で謝ってしまった。すると、ヴァイオレットはいつもの顔に戻っていた。

「ハァ~、今のは冗談ですけど、こんなことをするのはサファイアに対してだけですわ。あの子をからかうのはおもしろくて」

 とても冗談には見えなかったけど黙っとこう。藪をつつきたくないしと俺が思っているとサファイアに声をかけられた。

「ねぇ、響也。ヴァイオレットと何を話してたの。何か私のことを話してたような・・・・・・まさかあることないこと吹き込んでたんじゃ」

「なかなかいい線ですね。その通り、あなたの恥ずかしいメモリアルを教授していました」

「な、何ですて!!」

「大丈夫だよ。今のはヴァイオレットの冗談だから」

 意気消沈しているサファイアを元気づけようとしていたら囲まれてる気配がした。

「じゃぁ、何の話を・・・・・・」

 サファイアも気配に気づいたようだ。

「囲まれてますわね」

 ヴァイオレットも気づいてるようだ。

「まさかもう追っ手が」

「いや、動きが素人臭いから城の兵士じゃないよ。おそらくさっきの山賊がしかえしにきたってところじゃないかな」

「へ~、サファイアと違って冷静な分析ですわ」

「あなたは一言よけいよ」

 サファイアが気を取り直したことで戦闘態勢に入った。

「そこにいるのわかっている。さっさと出てこい」

 俺がそう言うと木の合間からゾロゾロとでてきた。

「さっきはよくもやってくれたな!!」

 そう言ったのはさっき逃げていたさんぞくだった。

「な~に、あのまま逃げてればよかったのに、また痛い目に遭いたいわけ。だったらお望み通りに今度は消し炭にしてあげるわ」

 サファイアは会話を打ち切られたのが尺だったのか手のひらに炎をだして脅している。

 山賊はヒィ~と後ずさりしていたが強気な態度に打って出た。

「今度はそううまく行くと思うなよ。助っ人をよんできたからな。それにお前等が賞金首でよかったぜ」

「もう手配書が、あいかわずはやいわね。こうなったらこんな所でちんたらやってないで速攻できめるしかないわ。いくわよ響也」

「分かった」

「ちょい、お待ちなさい」

「こんな時に何よ?」

 振り向くとヴァイオレットが前に出てきた。

「今回は私と響也でやらせてくださいな。響也には私の力を理解してもらいたいので」

「・・・・・・ハァ~、分かったわよ。その代わりコテンパンに伸しちゃいなさいよ」

「えぇ~分かりました。よろしくお願いしますね響也」

「あぁ!!」

「そっちで盛り上がるのは勝手だがこの人数に勝てると思ってるのか」

 しびれを切らしたのか山賊がどなってきた。

「分かった。じゃぁ、いくからな」

「お、お願いします先生」

 山賊が行った瞬間横から凄い速さで切りつけてくるのを咄嗟に交わすのがやっとだった。

「今のを避けるとはやるな」

 そう言う男は全身鎧で武具もなのありそうな感じだった。

「俺は用兵をやっているアガットってもんだ。覚えてなくていいぜ。お前等はここで終わりだからな。特にお前、響也といったな。お前を倒し城にいけば100万ガルトもらえるからな。ま~安心しろ。そこの聖剣は俺が丁寧に使ってやるからよ」

「何ですて~黙って聞いてたら。ヴァイオレット、殺気の撤回よ。私もやるわ」

「その必要はないよ。ここは俺とヴァイオレットに任せて。サファイアの分も徹底的にぶちのめすから」

「きょ、響也。けっこう怒ってる」

「おまえ達は謝っても許さないからな!やるぞヴァイオレット」

 そう言って俺は先制攻撃をしようとしたら武器がなかった。

しまった。俺の武器はサファイアだったじゃないか・・・・・・仕方がない

「サファイア、さっき言った手前恥ずかしいんだが聖剣に戻ってくれないか」

「もう、しょうがないわね。あなたのおっちょこちょいで怒りがどっかにいってしまったわ」

 聖剣に戻ったサファイアで攻撃しようとしたら、

「ちょっとお待ちなさい!私の力を見せると行ったはずですわよ」

『な~に、私に見せ場を取られたくないわけ~』

「勝手に言ってなさい。・・・・・・ではいきますよ」

 すると、ヴァイオレットは一歩でて掌を上に上げたとたん辺りが闇に覆われた。

『ちょっと何してるのよ。私たちまで見えないじゃない』

「ちょっと落ち着きなよ、サファイア」

『響也が言うんだったら・・・・・・感謝なさい』

 ハイハイとため息をついてさらに手を動かしてると

「ギャッ!」

「ギャァァァァァ!」

「テメエ、何しやがる」

 闇の向こうから怒号が聞こえた。

「いったい何が」

「私の魔法ですわ。私の闇魔法で相手を催眠状態にして味方が私たちに見えて攻撃してるんですの。これである程度は片づくと思うんですけどそううまくはいきませんわね」

 ヴァイオレットがそう言ったとたん闇の向こうから山賊の一人と用兵が現れた。

「てめえら、よくもやってくれたな!!」

「さすがに言うだけのことはありますわね」

 そう言うとヴァイオレットは闇の炎を放った。

「むだなことを。ただの時間稼ぎにしかならいというのに・・・・・・今度はこっちの大技を見せてやる!」

 傭兵はそう言うと刀を中断に構えている。

「この炎は属性が違うだけでサファイアの技と同じような・・・・・・」

「流石に気づきましたか。あの技は昔二人で覚えたので・・・・・・今では懐かしい記憶です」

『不本意だけどね』

 二人とも何だかんだで中が良いんだな。

「さて、響也失礼しますわ」

 ヴァイオレットが振り向きざまにキスをしてきた。

『ちょ、あんた、いきなりなにしてるのよ!』

「何って契約に決まってるじゃないですか」

「元々するつもりでしたし、あなただって精霊を探してたならこのぐらい覚悟してたでしょ」

『それはそうだけど・・・・・・』

「お前ら油断しすぎじゃねえか」

 ハッとすると、傭兵の放った刀が鎌鼬のようになって闇の炎を消し去っていた。

「次はおまえ達を切り刻んで城に送り届けてやる。安心しろ、手には入った賞金は有効活用してやるから」

「油断してるのはどっちかしらね。響也いきますわよ。《ユニゾン》」

 すると、全身が赤い炎で溢れてたところに闇の炎が渦巻いていた。

 俺が驚いていると、

『それはサファイアと私がいるからですわ』

「その声はヴァイオレットか?」

『えぇ。簡潔に説明しますと私とサファイアが《ユニゾン》している状態ですわ。単純に二つの属性が使えるようになったってことです。相性の問題もありますけどそれは追々説明するということで今は、目の前の敵を倒しますよ・・・・・・サファイア、今は、私に協力なさい!』

『・・・・・・分かってるわよ』

「じゃぁ、いくぞ。闇魔法ワープ

「消えやがった。どこに行きやがった!」

 俺は傭兵の背後に現れると炎の聖剣に闇を纏わせ、一閃した。

「ギャァァァァァ!」

傭兵は斬られると全身闇に覆われていた。

「この炎、消えないぞ。どうなってやがる。山賊野郎何とかしろ!!」

「ヒェェェェェ~」

 俺は怯えてる山賊の脳天を叩いて気絶させた後、傭兵に近づいていった。

「その炎でできた傷は回復魔法でも治らないし精霊魔法には精霊魔法でしか対抗できない。どうにかしてほしければ質問に答えてもらう」

「わ、分かったからどうにかしれくれ~!」

 俺は炎を消すと《ユニゾン》を解いた。

「もう、私の力を使いこなすなんて流石ですわね」

「それでこそ響也ね」

「君達~質問始めたいんだけど」

 俺が言うと恐縮したように隣にきた。

「さてっと、俺たちの手配書が出てるって言ったけどどこでそれを見たんだ?」

「・・・・・・誰が教えるか!」

 そのときドスッと音がするとサファイアが殴りつけていた。

「さっさと答えなさい。・・・・・・でないと次は消し炭にするわよ」

「は、はい。手配書は街道沿いの至る所に貼ってあったんだ。それに城の兵士らしき人が道行く人に配っていたんだ。それどころか俺みたいな山賊のアジトにも配ってたんだ。よっぽどな悪事をしたんだな。おまえ達に逃げ場はない。ざまぁみあがれ」

そのとき今度はドコッと音がした方を見るとサファイアが右拳を振り抜いていた。

「これ以上聞く必要はないわ。行きましょう!」

「確かにこんな奴の話はもう聞きたくありませんしね」

「珍しく意見が合うわね」

二人がわらいあっているのを見て気持ちが楽になった。

「さぁ、もうすぐ抜けるぞ」

 俺達は次の目的地に向かうのだった。

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