24.祭りの前日、今日もミヤと。
「よう」
『いらっしゃい』
見谷川祭りの飾り付けは、夜遅くまで続いたが予定通り終わらせることができ、もう万全の状況だ。
今日は早く帰って明日のために寝るべきなのだろうが、神様の顔が見たくなったので、通い慣れた神社に足を運んだ。
「とうとう明日だな」
『とうとう明日だね』
神社の縁に腰を掛ける、隣に神様が座る。
『コウは本当に凄いね』
「なんだよいきなり」
『私は、社会のことには疎いけど、高校生でこれだけのことをできる人は、あまりいない。それくらいはわかるよ。
だから、コウは凄いよ』
「凄いのは俺じゃなくて、俺の回りの奴らだっつーの。つーかなんだ、いきなりよそよそしいな。いつも通りしろよ」
『よそよそしいのはコウもじゃん』
「……そうかもしれねぇな。明日は大事な日だし、緊張してるんだ。たぶん」
『そうだね。きっとそうだよ』
「ああ、だから明日が終わったらまた今までみたいに遊ぼう。約束だぞ」
それは、神様のことを死なせないという約束でもある。
『……うん、約束だよ』
「さてと、明日も朝早いし、今日は帰って寝るわ」
『あ……』
神様が俺の手をキュッとつまんだ。
「どうした?」
『あ、ううん。なんでもないよ』
ミヤが慌てて俺の手を離すと、少しだけ困ったように笑った。
「あ、そうそう。明日、祭り当日の話なんだが、たぶん祭りの運営であんまりミヤと一緒に入られないと思う」
『そっか……』
「でも、絶対に時間作るから、その時一緒に見て回ろう!」
『うんっ』
ミヤの満面の笑み。それを失わないためにも、明日に全力で挑む。
たとえ、胸の奥にある一筋の不安を消せずとも。




