表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メビウスの輪の上  作者: 早苗
3/3

0-2話 2日目

繋ぎです。

読み飛ばしても特に問題はないどすえ。

2日目 朝


「さて、どうするかな。」

頭の中で色々なことを考えていた。

焦って取り乱したとしても、状況は変わらないので深呼吸をし、状況を整理した。


まず、初めに思いついたことは、そう

いかにこの状況を楽しむかだ。


二回目の9月10日の時に分かったことがあった。

それは自分以外の人間が昨日と全く同じ行動を

とるという点だ。


そしてもちろんのこと、次の9月10日になると、それはゲームのはじめからのようにリセットされる。例としては目覚まし時計や生徒会長の記憶など。これはかなりの非常事態であるが、それと同時に


今ならなんでもできるのでは?


という発想も生まれる訳だ。ベタなことを言えば

「好きなの子のスカートをめくっても、次の日には無かったことになるじゃん!」


おっと、あまりに興奮して声が漏れてしまった。

つまりこういう行動を取ることが可能になる。


ただ、これにはもちろん問題がある。

それはこのループのタイムリミットだ。


例えば銀行強盗を行ったとして、その日にループが終了した場合、俺の人生も終了してしまう。


このループは何がきっかけで始まったのかが分からない上に、何をもって終わるのかも分からないのだ。


なので、あまりうかつには行動出来ないという制約がある。


「犯罪とかは止めておくか。」


良心もあるのでこのループ中の行動に1つルールを加えた。


という訳で学校をサボろうという発想に至った。

俺はそっと瞼を閉じた。二度寝だ。










ふと目が覚めると外は雨が降っていた。

「ああ、そういえば午前中は雨だったな」


ゆっくり瞼をこすり、キッチンに赴く。

朝ごはんを作るためだ。基本的に土日もバイトのせいで朝が早いから、朝食を食べる時間がほとんどないのだ。なので、とても久しぶりの朝食となる。無断欠席をするのは人生で初めてだった。

これが引き金でループが終わったら…などと考えてしまう自分は少し後ろ向きなのかもしれない。


朝食を終えた頃には雨も上がっていた。


「さぁ、いよいよだ。ループを存分に利用させてもらおうじゃないか。」


俺は意気揚々と外に飛び出した。


貯金を全て銀行から降ろし、ゲームセンターに向かった。大好きな格闘ゲームをする為だ。


「よし、ランキング1位をとってやるぜ」

と意気込み、コインを入れた。






三時間後




「はあ、1位とってすることなくなったな」


まぁ、しかしランキング画面に自分の名前が刻まれているのを見るのは、なかなかどうして嬉しいものである。



お、フィギュアか…お菓子もあるな。

ufoキャッチャーである。


「こ、これは…ファントムファンタジーの

クポーのフィギュアじゃんか!」


俺は即座にコインを入れた。ufoキャッチャーは苦手だったが30分に渡る苦闘の末…



ガチャン





「やった、手に入れたぞ、ふへへ。

町田辺りに自慢してやろう。」


大きな戦利品を得て夕方、いつものスーパーへ行く。

もちろん、鳥のタタキが特売だからだ。


「悪りぃな、おばさん。」


俺は最初の9月10日に手に入れられなかった「それ」

を簡単に手に入れた。ある意味、未来予知と変わらない力なので自分はこの9月10日の世界で一番無敵なのではないかと思うようになっていた。







だが、その時はまだ知らなかった。そんな大それた力を手に入れたのではなくループに嵌った人間だけが持つ孤独を手に入れていたことを。



もう1つ、実験しなければならないことがあった。



2回目の9月10日の夜、俺はベッドの上で寝た。当然朝起きるのはベッドの上である。

しかし、これがもし「ベッドではなくてベッドから離れた場所にいたらどうなってしまうのか」ということだ。俺は、ご飯を食べ外に出た。電車を使い、遠くにいき、繁華街にあるブックオフで漫画を読み時間を潰した。



「そろそろ0時か…」


時計の針は23:59をさした。秒針が次の12に届こうとした瞬間、突然目眩が襲ってきた。

意識が飛んだのを感じた。まるで、手術の時にした全身麻酔のように、一瞬で意識が飛んだのだ。

そして、








ピピピ、ピピピ、ピピピ

ピピピ、ピピピ、ピピピ


「ん、うるっさいっ」ガシャ



気づくと、そこには見慣れた天井があった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ