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ドラゴンハンター

「では、次のドラゴン狩りの隊長に、戦士マックを推薦する、意義のあるものは?」

「異議なし!」

「では戦士マックよ、心して任務にあたってくれ、健闘を祈る!」

「はっ!!」


強靭な肉体を持つこの男の名はマック

ドラゴン狩りに出るのは今回で3度目となる

1回目は前衛の兵として参加した その時の隊長のせいもあったが、10人態勢で臨んだ狩りは、退却を何度も繰り返し、実に13回目のトライでようやく確保することができた 重症2名、死者7名という大損害であった

2回目はマックが隊長となり、同じ10人態勢で臨んだ

ここでマックは特注の大槍をもちいて、その刃先に眠り薬を仕込んだものを用意した その槍が見事ドラゴンの皮膚を裂いて、眠らせることに成功した

その時の死者数は5名 しかし、前回より抑えられ、しかもたった1度目の遠征

で捕獲に成功したのである

これによりマックはドラゴンハンターの名をほしいままにしていた


「はあ・・・ドラゴン狩りか」

マックは浮かない顔をしていた

ドラゴン狩りはリスクが大きく、必ずと言っていいほど死者が出るためである

「前回も散々だった、隊長の勤めとはいえ、死んだ人間の家族にあやまるのは気が重いんだよなあ・・・」

ドラゴンハンターの称号に一番近い男は、相手の脅威を最も知る男でもある

今回も相応の死者を見越していた


城の中にある兵士のみが入ることのできる区画内に、図書室がある

城の中には様々な分野の研究施設があり、そういった重要機関は城の中枢に収められている

この図書室はそういった学者のための施設である

マックは図書室の生物学に関する本が置いてある一角にやってきた

本棚の中から一冊の本を取り出した

「ドラゴンの生態」

ふっと息をかけてホコリを払った

古めかしい本である

早速、ページをめくった

以下内容の重要項目を抜粋する


ドラゴンの進化

現存するドラゴンの特徴は、巨大な翼があり、強靭な皮膚に覆われ、肉食であり、肉を裂く牙を持つもの であるが、進化を遡ると、ドラゴンは翼のあるものとないものに分けることができた

はるか昔には翼を持たず、陸で生活するドラゴンも存在していたのだ

陸で生活していたドラゴンを、レックスと呼ぶ

レックスは、その巨体を維持するのが難しくなり、次第に絶滅していった 食糧不足のためである

現在のドラゴンの原型であるワイバーンは、翼を持ち、軽量な骨格で、今の鳥の祖先という説もある

つまり、小型化したのが鳥で、巨大化したのがドラゴンだ

ワイバーンは、大陸間を飛翔することにより、食料難を逃れることができた

レックスが絶滅して、敵のいなくなったワイバーンは、その環境に恵まれ、今の姿にまで進化することができたと考えられる


ドラゴンの生態と、武器

ドラゴンは主に肉食で、牙で獲物の肉を裂くという狩りをする

陸上に天敵はいない

しかし、やはりその巨体ゆえ、絶対数は減らしてきているようだ

また、ドラゴンは子育てをし、子供のために餌を運ぶ姿も目撃されている

高い知能を有しているとのうわさもある

にわかには信じがたいが、仲間のドラゴンの亡骸を埋葬する姿も目撃されているのだ


ドラゴンの骨格、構造

巨大なもので、全長は10メーターにおよぶ

この最大級のドラゴンを、ドラゴンの王者、ドラゴンルーラと呼ぶ

平均的には7メーター級が多い

足は腰の下から生えていて、2足歩行が可能

前足は退化している

皮膚はうろこのような硬いものでおおわれている

歯は肉を裂くためにギザギザしており、折れたらまた生え変わるようだ

特に翼周りの筋肉が発達しており、巨体を飛翔させるためのものである


気づいたら夜も更けていた

マックは本から必要な檻のサイズが、少なくとも10メートルでなければならないことを知った

今回の相手は北の洞窟をねぐらにするドラゴンルーラであった

人員も20名とかなりの大所帯だ

作戦も一任されていたため、今回図書室でヒントを得ようと訪れたのである

ドラゴンには容赦はしない、それがマックのモットーだ

ドラゴンに対する憎悪が、その考えをもたらせた

狩りのたびに仲間が死ぬ

前回も眠らせたはいいが、運んでる途中で起きてしまったため、そこで死者が出てしまった

睡眠薬もより強力なものにしなければならない

前回特注の大槍による作戦を軸にするつもりではいた

今回は眠らせた後さらに斬りつけて、より大量に薬を取り込ませるという方法も考えていた

「今回は特注の槍をもう2本作ってもらってるからな、これが扱える人間を用意せにゃあならんな」

マックは本を棚に戻して、10メータークラスの檻を作ってもらうために、設計士のところに向かった







このおっさんを唐突に出したはいいが、扱いに困ったのでラスボスに無理やりしました

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