■第74話 先生
■第74話 先生
サクラは翌日から再び、学校に通っていた。
サクラに口止めを強要したと、ハルキが全ての罪をかぶった。
その為、サクラの停学処分は取り消しになっていたのだった。
当り前に、学校に、ハルキの姿はない。
教室にも、職員室にも、廊下にも、どこにも。
数日の謹慎の後、異動の発令が出るようだった。
リンコがサクラに泣きながら謝る。
サクラは俯きつつ、リンコに少しぎこちなく微笑み返した。
『カタギリ先生・・・守ってくれた。
ちゃんと、ほんとの、先生だったよ・・・
幼馴染、とか。隣に住んでるから、とかじゃなくて・・・
私のことも。
生徒、守るために、一生懸命・・・
すごい先生だって、思った・・・。』
そのリンコの言葉が、サクラの胸に刺さっていた。
サクラの心に、ひとつ、小さいけれど確かな何かが浮かび、灯った。
放課後。
サクラは、サカキといた。
サカキが、背を丸めちょっと笑いながら言う。
『お前さー・・・
気付いてないかもだけど。
あの、修学旅行んとき。
ずっとカタギリんこと、目で追ってたぞー
だから・・・
あまりにアイツばっか見てっから。
なんか、それ見たら、俺。ムキんなって、
ゴーインに、チュウしてやった。 ”ざまーみろ”って・・・』
サカキが目を細めて笑う。
『最初っから分かってたよ。
やっぱ、なんかカンケーあんだろ?カタギリ、と・・・』
サクラが泣きそうな顔を向けた、その時。
『もう、”お試し”はやめよーぜ?
・・・前のが、ラクだったわ・・・。』




