■第71話 謝罪
■第71話 謝罪
『ごめんなさい・・・
私です・・・
私なんです・・・。』
ハルキは、そんなリンコを笑って見ていた。
それは、慌てて自宅まで訪ねて来た時点で気付いていた事で。
『先生・・・。サクラの一番、全部もってくんだもん・・・
サクラの、一番・・・
家族みたいで
兄妹みたいで
恋人みたいで
・・・友達、みたいで・・・』
涙声で呟くリンコをそっと見つめる、ハルキ。
『”友達”くらい、
私にくれたっていいじゃないですか・・・
私、寂しくて
悔しくて・・・
でも、
でも、ほんとに。こんなつもりじゃなかったんです・・・
ごめんなさい。
・・・ごめんなさい・・・。』
泣きじゃくるリンコの声が、ベンチにくぐもって落ちる。
『私・・・学校に言います!
私が流したデマだって。先生もサクラも悪くな・・・』
『キノシタは悪くないだろー』
涙につまりながら言うリンコを、やさしくハルキが遮った。
『あの画像は問題じゃないんだよ。
悪いのは、あの夜に、俺とサクラがいたことだから。
キノシタがしたことは関係ない。
・・・申し出たところで、誰も得しない。』




