■第68話 真実
■第68話 真実
サクラが職員室に飛び込み、ハルキの姿を探すも、そこにそれは無かった。
近くにいた教師に訊ねると、少し口ごもりながら
『今は、ちょっと・・・校長室で会議してるから。』
校長室へ駆ける。
握り締めた拳でドアを乱暴に2回ノックすると、
返事も待たずにサクラはドアを開けて飛び入った。
『なんですか?今は入って来るんじゃない。』
教頭の厳しい声色も、サクラの耳には入っていない。
『こないだの土曜は、カタギリ先生、そんな場所にはいませんでした。』
サクラが息を切らして言い切る。
ハルキが目を見張る。 『サ・・・ミナモトさん』
『こないだの土曜。
停電があった土曜は・・・
(言うな、サクラ・・・)
『ミナモトさん!!!』
ハルキがサクラを止めようとするが、止まらない。
『停電があった土曜は、ウチにいました。
あたしといました。』
(サクラ、言うな。止まれ・・・)
『ミナモトさん、やめなさい!!!』
『ウチの親に確認とってもらってもいいです。証明できます。
親が温泉行ってて、あたしだけ家に残って。
あたしと先生だけ家にいました。
ウチにいましたから!
だから、そんなトコに・・・』
(ダメだ・・・お前まで・・・)
『サクラっ!!!!!』
ハルキの怒鳴る声にまじり、サクラが、言ってしまった。
『ハルキは・・・そんなトコ。行ってなんかないっっ!!』
教師陣が、固唾を呑んで立ち尽くす。
校長が冷静に口を開いた。
『それの方が大問題ですよ、カタギリ先生。』




