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■第43話 激怒

■第43話 激怒


 

 

ハルキが自宅へ戻ると、リビングには母とサクラ母ハナ、そして

サクラがお茶を飲んでいた。

 

 

 

 『ハル、帰宅早々、面倒かけたわね・・・』

 

 

 

ハナが謝る。

ユリの様子を見てやってくれと頼んだのはハナだったのだ。

 

 

 

 『泣き止んだよ。今、落ち着いてる。』

 

 

ハルキはそう言うと、少し疲れた顔を向けて頬を緩ませた。

 

 

ハルキがチラっとサクラへ目をやる。

ラグに体育座りをしてクッションを抱え込み、顔を半分隠して

目を合わせようとしない。

 

 

 

 『ぁ、ジャンプあるけど。』

 

 

 

声を掛けても、『んぁ。』 とイエスなのかノーなのか分からない返事が

返ってきたのみ。

 

 

 

 『ん?読むの?読まないの?』

 

 

 

顔を覗き込むも、どんどん首を引っ込め、クッションに全て隠れてしまった。

しかし、『読むってば。』 と不機嫌そうな返事が聞こえた。

 

 

 

 『部屋だから。取りに来ーい。』

 

 

そう言って、ハルキは着替えをするためにリビングから出て行った。

 

 

 

サクラがしかめっ面でクッションを殴っている。

 

 

 『なに?どうしたの?』

 

 

ふたりの母が不思議そうに機嫌が悪いサクラを眺めていた。

 

 

 

 

 

ハルキの部屋の前に立ち、姿は見せず手だけ伸ばしてサクラは言った。

 

 

 

 『早く。貸して。』

 

 

 

不機嫌そうにひらひらと出す手の平を見て、ハルキは言う。

 

 

 

 『入れば?』

 

 

 

しかしサクラが部屋に入って来る気配がないので、ハルキはジャンプを片手に

部屋入り口の沓摺りまで行く。

 

 

 

 『なに怒ってんの?』

 

 

 

サクラを覗き込むも、やはり目を合わせない。

 

 

サクラが手を伸ばしてジャンプを取ろうとするも、それをかわして渡さない。

  

 

 

 『言いたいことあんなら、言え。』

 

 

 『別に。つか、早く貸してっ』

 

 

 

 

 

 『・・・さっきのアレ見て、怒ってんの?』

 

 

 

ハルキのその言葉に、サクラが顔を真っ赤にした。

 

 

 

 

 『怒ってねぇぇええええ!!!』

 

 

 

 

そう怒鳴って、ジャンプも持たずにバタバタと大きな足音を立て、

サクラは自宅に帰って行った。

 

 

 

その後ろ姿に、ハルキは背中を丸め、左手甲を口許にあてて大笑いした。

 

 


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