■第42話 母親
■第42話 母親
その頃、
カタギリ家のリビングでは、ハナがハルキ母サトコに愚痴をこぼしていた。
『へぇ~、ユリちゃんがねぇ・・・
朝帰りする歳になったんだねぇ・・・』
サトコはソファーに深く腰掛け、クッションを抱えて笑っている。
『もぅ、笑い事じゃないってば!
年頃の娘が朝帰りのうえに、教育実習もサボったって言うのよ!』
ハナはリビングのラグに正座をして、背中を丸めうな垂れて、
怒っているのか悲しんでいるのか、よく分からない。
『コウちゃんは、なんて?』
サトコは、サクラ父コウジの反応が気になった。
ハナは首を横に振り、『なんとか誤魔化した。』 とポツリ。
父コウジには、ユリの朝帰りはバレていないようだ。
『お父さんになんか知れたら、もう大変よ・・・
考えただけでゾっとするわ・・・』
頭を抱えるハナを横目にサトコは立ち上がり、コーヒーを淹れるため
キッチンのコーヒーメーカーをセットした。
『まぁ。ユリちゃんはアレとして・・・。
いつかはサクラにも、そうゆう日が来んのかねぇ・・・?』
サトコが、ぽつり呟く。
すると、さっきまであんなに怒っていたハナが大笑いした。
『サクラ~ぁ?あの子なんか、恋したことすらないでしょ・・・』
『サクラが女らしくなる姿なんか、想像出来ないもんねぇ~?』
サトコも続き、母親ふたりして大笑いした。
すると、
『勝手なことゆってんじゃないよーーー!!!』
カタギリ家に上がろうと、玄関で靴を脱いでいたサクラの怒鳴る声が響いた。




