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■第13話 ラズベリーソーダ

■第13話 ラズベリーソーダ


 

 

バーカウンターの一番端に座ったその女性は

長い髪の毛を左肩にまとめて垂らし

毛先から落ちる雫を、あたたかいおしぼりでそっと押さえた。

 

 

右側の耳たぶと白い首筋が艶めかしくて、ジュンヤは思わず目を逸らした。

 

 

 

メニューをカウンター越しに渡すと、彼女は少し呆れて笑った顔を向け

『わたし・・・お酒飲めないんでした。』 と、ふふふ。と笑った。

 

 

 

 『アルコール以外もありますよ。』

 

 

ジュンヤはそのページを開き、指を差す。

 

 

 

 『この、ラズベリーソーダがオススメです。ノンアルコールです。』

 

 

その声に、『じゃぁ。』 と目を細めて微笑んだ。

 

 

 

マドラーが氷に当たるカランカランという音が、彼女が真っ直ぐ見つめる

視線にぶつかる。


浮かんだミントの緑が、紫がかったピンク色のそれに鮮やかに映える、

細長いタンブラー。

 

 

淡いピンク色のグロスがまばゆい唇。

ラズベリーソーダを一口含み飲み込むと、細くて白いノドがわずかに上下した。

 

 

 

伏せていた目を上げ、『おいしい・・・』 と微笑むその顔。

 

 

 

 『俺・・・まだ見習いで。だから、まだあんまり。もしかしたら・・・』

 

 

 

そう少し口ごもるジュンヤに、

 

 

 

 

 『おいしいです、わたしには。』

 

 

 

そう言って、また目を伏せた彼女。


ほんのり甘くてフルーティーな香水が、彼女の瞬きに合わせ香るようだった。

 

 

 

 

 

 

ドクン ドクン ドクン ドクン・・・ 

 

 

恋におちた瞬間の胸の音を、ジュンヤははじめて聞いた。

 

 


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