五つ目
忙しいだろうに、先輩は一週間もしないうちに手紙を返してくれた。
楽しい気分で僕は封を開ける。もう先輩の気持ちはわかっているので、そこまで怖がることもなかった。先輩、なんて書いてくれているかな。ただ、楽しみで仕方なかった。
さすがは先輩。衣服を送ることの危険を考えるとは、やはり先輩は素晴らしいお方。余計な心配をさせてはいけないし、重いものを送って失敗したら迷惑を掛けてしまう。今度から気を付けないといけないね。
先輩は、僕のご褒美で興奮してくれたと言う。その文字を見るだけで、僕も興奮してしまうよ。鼻血が付いていたのなら、それはそれで味わいたい。脱ぎたての下着を求めるなんて、とんだ変態を好きになってしまったものだ。いくらなんでも、下着って何度も書き過ぎだよ。
少し文字が乱れているところから、本当に先輩が興奮してくれているんだとわかる。それを演技で出来るほど、先輩は器用な人ではないから。
これがきっと、先輩の愛の言葉なんだね。確かに僕は興奮出来たし、合格かな。てか、永久保存版ってどうゆうことなんだろ。よくわからないけれど、先輩がいかに乱れてくれているかはわかる。
罪を償うだなんて、何を言っているんだか。あの手紙のおかげで、僕の傷なんて殆んど癒えたよ。この手紙のおかげで、僕の傷なんて完全に癒えたよ。今の気持ちは喜びと幸せでいっぱいだもの。涙は流したけれど、こうして僕は今幸せを手に入れている。それなのに、先輩はどこまで優しい人なんだ。
考えてみれば、先輩の笑顔を僕は見たことがないかもしれない。それなら、どちらかがではなく二人で笑顔を見つけさせよう。お互いに、手紙の力で笑顔にさせよう。それでいいじゃん。
しかし、やらせて欲しい。という言葉に反応してしまった僕も、とんだ変態だね。まさか先輩、わざとそんな表現をしているんじゃないだろうね。先輩に限って、有り得ないだろうけど。
次の手紙で交渉しよう。僕が先輩を笑顔にする術を見つける。だから、先輩は僕を笑顔にする術を見つけてくれと。そんなの簡単だけどね。だって、隣にいるだけでも温もりを感じて笑顔になってしまうから。むしろ、手紙の文字を見るだけでも幸せさ。
涙の償いをするくらいなら、僕をこんな気持ちにさせている。その罪を償って欲しい。手紙を読んだだけで、僕のモノは勃ってしまっていて。直接触れることは出来ないから、僕は……。ちゃんと先輩に責任取って貰うんだから。