表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

始まりの日

―この世界にはひとつの戦争があった その戦争を人は『魔玉戦争』(カルマアーダー)と呼ばれており、今やそのおとぎ話として語られている逸話上とされる戦争には裏があった しかしそのことは国家の秘密とされていた…


~~~~~~~~~~~~~~~


「おう、また明日な」


「おう、またな~」


 同級生が俺に手を振りながら俺とは違う方向の道を通っていく 俺も手を振っていたがやがて遠くなってくると俺は手を振るのをやめ、自分の家へと足早に向かっていく 俺の家は山奥にあるので早めに帰らねばならない


「今日の宿題は…あぁ~そうだった、剣術じゃん」


 剣術というのは俺の通っているアテルス導剣学園の科目の一つだ 簡単に言えばお遊戯といっても差し支えない形だけのチャンバラを覚える科目だ しかしこれがカッコよくできないと女にはモテない、恥とも言われるなどの様々な障害があるため仕方なくやっている


「本物の剣術ってのをみんな忘れてるんじゃないだろうか」


―ガシャアァァァァァ!


 俺は腰に付けていた剣術用の剣をゆっくりと鞘から引き抜いた この世界は不思議だといつも思うのだが剣を腰に付けるのも校則の一つで、モテたい奴とかは必死で休み時間に剣術の修練をして日々努力する奴もいる


「でもやっぱり剣術じゃなくて所詮お遊戯だよなッ!」


―ビュン!


 俺が剣を思いっきり横に振ると風圧でそれなりの音が鳴る 俺の剣は本来お遊戯剣術ではなく真の剣術…戦闘に使う剣術のために親父にこしらえてもらった剣だ 

 親父は鍛冶屋だがお遊戯用の切れ味ではなく見た目の美しさを追求した剣を作るというのがとにかく嫌いで、巷じゃ「あの鍛冶屋は殺人者でも出したいのか?」と言われているが俺は気にしてない それが父の信念だというなら俺は何も言う気はないからだ


「さて、もうさっさと今日は帰ろうか…」


 俺は剣を鞘に納めると全速力で家に向かって走り始めた


-------------------------------------------------------------------------


「何だアリャア…」


 俺は走りつかれて一休みしていたところ、視界にトンデモないものを入れてしまった

 明らかに怪しい顔を布で隠した3人ぐらいの男たちが如何にも怪しそうな袋を下げて歩いているのだ、しかもいま俺が休んでいるのは山の中 絶対何かあるに違いない


(アイツらのことを近くのギルドナイトに報告しなきゃな…)


 ギルドとは国の治安を守っている国の認めた組織の総称だ 正しく言えばギルドに所属しなければ治安を守る一員にはなれない ギルドナイトとはそのギルドの騎士であらゆる地方におかれているギルドの管轄する建物「ギルドハウス」を中心に町中を巡回していたりする 犯罪行為や争いを止めるのが主な仕事だが最近は楽だからと入る奴も多いらしく、仕事は案外適当な奴も少なくない 平和なのはいいことなのだが…


(そーっとそーっと…)


 俺はアイツらに気づかれないようにゆっくりと恐る恐る歩く…がしかし


―バキッ!


 木の枝を踏んでしまった


「誰だ!」


「ヤッバ!」

 おっさん臭い声に反応して俺は全速力でアイツらとは真逆に走り始める しかし俺は気が動転していてミスを犯してしまう さっきからずっと持っていたやたら重い教科書やらが入っているバッグを背負ったままだったのだ 

 怪しい男どもは足が速く、俺は少しずつ距離を詰められていく


「このガキ!」


―ガッ!


 俺は髪を掴まれて頭を地面に押し付けられる そのまま掴んでいる男は続けて喋りだした


「おい、コイツどうするよ」


「殺しちまおうぜ、証拠さえ消せばバレやしねぇさ」


 そう言ってもう一人の男が俺の体を抑えながら、さらにもう一人が剣を引き抜く


「悪く思うなよ、ボウズ!」


―クソッ!死にたくねぇ!

 そう俺が心で叫ぶと俺を抑えている男が持っていた袋がまばゆいほど光りだした 素直にきれいな色だなと見惚れていたのだが、次の瞬間奇跡が起こった


―ビュウウ!バキ!


「ガハッ!」


 俺を除いた…つまり怪しい男どもが吹き飛ばされて、俺は拘束から解放される 俺は光っている袋を持って見てみる


「これは…何なんだ?」


 そう言いながら俺は袋から光っていると思われる一つの球を取り出した


「…綺麗だな」


 この球には今の状況を忘れさせるほどの魅力があった 少し俺が見惚れていると、男たちが立ち上がっている音に気付く


「テメェ…何しやがった!」


 そう言って一人の男が俺に飛び掛かるが次はもっと恐ろしいことが起きた


―バシャン!


 とびかかってきた男が…破裂した 破裂した男は鮮血の赤い花を咲かせ、持ち物と衣服だけが地面に落ちる それを見ていた二人の怪しい男たちは


「ひ、ひいぃ!」


「ば、バケモノだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 そう言って二人とも走り去っていった 俺は少し呆然として立ち尽くしたが、やがて頭の中に声が聞こえてくる


―お前の願いは何だ?


 そんな男とも女ともとれる中性的な声が聞こえてくる

 …俺には昔から一つだけ願いがあった 叶うはずもないと12歳ごろには諦めていた

しかしこの声は叶えてくれる…そう直感的に感じた

俺の…俺の願いは…


「ア・イ・ツ・を返してくれ!」


―ピィィィィィィィィィィン!


 そんな高い音と共に球が直視できないほどに輝いていく そして


―お前の願い、聞き遂げた


 その声と共に俺の意識は飛んで行ったのであった


-------------------------------------------------------------------------


「おい、おい!…ううむ、どうやって起こせばよいのだ?」


 俺はそんな俺と同い年程度に聞こえる女の歳にそぐわない爺臭い口調の若い声で目が覚めた


「うん…なんだお前?」


 視界がぼやけてよく見えない、さっきの光のせいだ


「何だ、見えんのか?小僧よ」


 そうは言ったが少しずつ視界が戻っていく その視界に映ったのは…





















―12年前に俺が失った女の子、その12年後としか思えないような美女の姿だった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ