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第百九十四話

大変、大変長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした!!

新しい仕事場が大変だったり、新しい資格の勉強が大変だったりと、

なかなか執筆が進みませんでしたが、どうにか書き上がりました。


詳しいことはあとがきで。まずは本編をお楽しみください<(_ _)>


「ふう…………………」


 軽く息を吐き、気持ちを落ち着かせる。氣を右腕に集中させ、これから行なうことに向けて右腕を強化する。


「さあ、どう楽しませてくれるのかな?」


 新しい技の準備を行なうスレッドをノアは楽しそうに眺めている。


 今スレッドを攻撃すれば、簡単に決着が付くだろう。全く強化していないスレッドの身体にノアの攻撃は耐えられない。


 しかし、ノアは攻撃することはない。ここで攻撃して、簡単に終わらせてしまっては面白くない。


 魔力で自身の身体を極限まで強化させ、ノアはスレッドの準備が整うのを待っていた。


「……………………」


 スレッドはノアの言葉を無視して、集中して紋章を展開させる。ここで失敗すれば、下手をすると自分にダメージが降りかかる。


 両手の紋章をゆっくりと重ね合わせる。二つの紋章が反発するエネルギーが手の中で溢れ出し、気を抜けば爆発してしまうだろう。


「うおおおおおおお!!」


 左手に力を込め、膨大なエネルギーを右腕へと押しこむ。合体紋章で生み出されたエネルギーは全て右腕に宿り、準備が整った。


「待たせたな」


「…………まさか、その領域まで達するとはね」


 スレッドの右腕を見つめ、ノアは驚きの表情を浮かべる。まさか人間が行なえるとは考えてもいなかった。


 一見するとそれほど難しいことだとは思えないかもしれない。


 だが、スレッドが行なったことはとても高度な技術だ。本来なら全身に留めておくエネルギーを右腕一本に留めているのだ。


 激しいエネルギーは右腕の中で荒れ狂っており、一瞬でも気を抜けばエネルギーがスレッドを襲うだろう。


 しかし、その分威力は折り紙つきだ。この一撃が直撃すれば、いかにノアであろうとも耐えることは難しい。


「……………………」


「……………………」


 準備を終え、静かにタイミングを計る。


 おそらく次の攻撃でこの戦いは終わるだろう。だからこそ、タイミングを間違えるわけにはいかない。


 そして、二人は同時に動いた。


「はああああああああ!!」


「おおおおおおおおお!!」


 右手と右手がぶつかり合う。激しいエネルギーが反発し合い、辺りを衝撃が荒れ狂っている。


 スレッドとノアは相手の攻撃と荒れ狂う衝撃に耐えながら、互いに相手を押し込もうとする。


 全身から力を振り絞り、右腕に集中させる。この後に魔王との戦いが控えている事など考えず、スレッドは全力を出していく。


「これで…………最後だ!!」


「ッ!?」


 右手の手甲が輝き出し、手甲に刻まれた紋章の一つが発動する。すると、一瞬だがノアの魔力がかき消された。


 手甲に刻まれた紋章は「浄化」。浄化の紋章によりノアの魔力は浄化された。だが、それも一瞬のことだ。


 しかし、スレッドにとってその一瞬で充分だった。ノアの魔力が再び右腕を強化する前にスレッドは力の全てを叩きこんだ。


 荒れ狂っていた衝撃全てが収縮するようにノアへと向かう。そして、全ての力がノアを飲み込んでいった。






「ふむ、少し遊んでやろう」


 椅子から立ち上がり、ミズハ達を見下ろすヨハンは右手を上げた。その動作にミズハ達は十分に警戒する。


 その姿を眺めながら、ヨハンは右手を振り下ろした。すると、ミズハ達とヨハンの間に空間の歪みが二つ出来上がった。


 歪みは亀裂を生み出し、その奥に広がる深い闇の中から人の姿をした何かが現れた。


「……………………」


「……………………」


 服などは身に着けておらず、黄土色の肌をしている。一応目や鼻などはあるものの、まるで死人のように生気や表情が見られない。


 魔王が呼び出すほどの戦力とは思えない。それでも警戒は緩めない。


「さあ、これで完成だ」


 ヨハンは二つの魔力の塊を生み出し、それを目の前の人形に放り投げた。魔力の塊は人形の中に取り込まれていき、人形から魔力が噴き出した。


『なっ!?』


 次の瞬間、ミズハとブレアは驚きの声を上げた。まるで信じられないものでも見ているかのような表情だ。


 目の前の1体は身体の周りに炎を生み出し、もう1体の両目は蒼く輝いている。


「どうして…………」


「ありえない」


 2体の人形が発動させたもの、それはカグラの炎と魔女の眼だった。その光景に二人は呆然とせずにはいられなかった。


 『血の紅』はカグラ家の女性に代々受け継がれる力であり、魔王が生み出した人形が再現できるような代物ではない。


 『魔女の眼』も同様だ。二人にとって生まれた時から持っていたもので、後天的に発現させることなど出来ないはずだ。


《貴様!! なんということを!!》


「くっくっく…………」


 目の前の光景に怒りを顕わにする白夜。気付かれたことなど微塵も気にすることなく、ヨハンは楽しそうに笑う。


「…………白夜、どういうことだ?」


《あれは…………おそらく、アリス達の遺伝子を人形に無理矢理埋め込んだのじゃろう。血の力を強制的に引き出し、能力を発現させたのじゃ!!》


「何だと!?」


「ふざけてる」


 先祖を冒涜するかのような行為に二人は怒りを顕わにする。


「ラファエーレもなかなか面白い実験をする」


 人形が上手く力を発現させたことを見届け、ヨハンは満足げに王座へと戻った。


 ミズハ達の前にいる人形の様な生き物は、ラファエーレが造り出した人造人間だ。以前リディア共和国の武術大会でエリックという人間で実験を行なった結果の完成形だ。


 アルサム達によって魔王が封印された当時、ラファエーレはどうにか生き延びていた。そして、戦いの跡に残ったアリスとルーファの血を保存し、完成した人造人間に埋め込んだのだ。


「そいつらを倒せたら、相手をしてやろう」


 ヨハンが宣言するとともに、人造人間達はミズハ達へ向かっていった。



前書きにも書きましたが、大変お待たせしました。

気が付いたら前回の更新から2カ月近く経っていました。


職場についてはそこそこ慣れてきましたが、

帰ってきたら勉強をするなどなかなか時間が取れませんでした。

というのも一つの理由ですが、他にも194話の後半について

悩んでいた部分もあります。


さて、ここで一つお知らせがあります。

現在工場で働いているのですが、

今年も地方公務員の試験を受けようと考えています。

どうしようかと悩んだのですが、年齢制限も問題なく、

日付的にも受験することが可能だと気付き、

受けてみるだけ受けてみようかと考えました。

採用されるとも限りませんし、受けたところでデメリットもありません。

電気工事士の勉強と並行して頑張っていきますが、

執筆を止めるつもりはありません。

しかし、今回の更新期間の様に今後も期間が開くとは思いますが、

気長に待ってやってください。

時間がある時には活動報告で色々お伝えしたりしますので、

これからも応援よろしくお願いいたします<(_ _)>



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