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百九十三話

お待たせしました!!

色々とあって更新が遅くなってしまいましたが、

ようやく完成しました。


とりあえず本編をお楽しみください。


「……………………」


「……………………」


 魔王城の廊下を走っていくミズハとブレア。その横をライアが並走している。


 二人の間に会話は無い。話をする様な雰囲気では無い上、目指す先には魔王が待っているのだ。

 嫌でも口数は少なくなる。


 幾つかの廊下と階段を進み、二人と一匹は一つの扉の前に立った。


「ここか…………」


 扉には禍々しい紋様が刻まれ、厳重な封印がされている様に見える。ブレアが扉に触れながら調べていく。


 魔女の目で解析した術式に対して解除するための術式を構築していく。扉には複数の紋章が重なり合いながら組み込まれており、スレッドの合体紋章の様に力を増幅されている。


 扉の紋章は精密に構築されている。それをブレアは一つずつ丁寧に解除していく。


「…………これで、完了」


 最後の紋章を解除し、扉に込められていた禍々しい魔力が解放され、扉が独りでに開き始めた。


 扉の奥は微かな明かりが部屋を照らし、部屋の奥に影が見える。


 罠に警戒しながら部屋の中へと進む。いつでも攻撃されても対処できるように、二人は武器を手に持ちながら歩く。


「ほう、ここまで辿り着いたか」


『ッ!?』


 突然声を掛けられ、声のする方へと視線を向ける。徐々に目が慣れていき、部屋の奥にある椅子に座る男の姿が見えてきた。


 その男、魔王ヨハンは肘を椅子につきながら、楽しそうに二人の姿を眺めている。


「なるほど、奴らの末裔か。なかなか旨そうな魔力をしている」


 ミズハとブレアの身体に流れる魔力を視て、ヨハンは遥か昔を思い出す。


 自身を封印したアルサム、アリス、ルーファ。激闘を繰り広げ、人間と侮って封印されてしまった。


 目の前にその内の二人の力を受け継いだ者がいる。憎悪が無いわけではないが、それより先に受け継いだ力の輝きがヨハンの食欲をそそった。


「喜べ。お前達は俺の血肉の一部となる」


 まるで宣言するかのように言葉を紡ぎ、椅子からゆっくりと立ち上がる。まるでおもちゃを前にした子どもの様に嬉しそうに微笑む。


「ふん、お前と一緒になるなんてまっぴらだ」


「さっさと殲滅」


「ガウ!!」


《あの時と同様、いや、今度こそ叩き潰してやるわ》


 ヨハンの顔を睨みつけ、ミズハ達は武器を構えた。






「アイス・ブレイク!!」


 目の前に造り出した巨大な氷の塊を圧縮した空気を纏わせた拳で破壊するスレッド。氷はバラバラになってノアへ向かって飛んでいく。


 ノアは慌てることなく、右手を横に振る。身体を纏う魔力が右手から放たれ、氷は完全に破壊され、空中に綺麗な氷の結晶が舞う。


「はぁあああああああ!!」


 氷を破壊したノアの視界に見えたものは、右の拳を振り下ろすスレッドの姿だった。


「ふふ♪」


 ドォオオオオン!!


 拳と拳がぶつかり合う。ありえない音が閉じられた空間内に響き、幾つもの衝撃が折り重なるように周囲へと広がっていく。


 互いに攻撃と防御を繰り返し、なかなか決定打を与えることが出来ない。


「がはっ!?」


 攻撃の打ち合いはノアの勝利となった。ノアの拳がスレッドの腹に入り、後方へと吹っ飛ばされた。


「まだまだ終わらないよ」


 飛ばされていくスレッドへ向けて、黒い魔力の塊が弾のように発射された。自動追尾の様に全ての弾がスレッドへと命中し、激しく爆発した。


 爆発の煙の中から身体を丸める様に防御していたスレッドが地面に転がる。


「ごほっ、ごほっ!!」


 防御したとはいえ、ダメージは軽くなかった。すぐに立ち上がることが出来ず、次の攻撃を防御するために紋章術で自身の目の前に壁を造り出した。


「はあ、はあ、はあ…………」


 合体紋章のエネルギーを全身に循環させ、自己治癒力を高める。息を整え、周囲に紋章を展開させ、ノアの気配を探った。


「ッ!?」


 気配を感じた瞬間にその場からすぐさま移動する。次の瞬間、スレッドのいた場所にクレーターが出来た。


「おや、まだ大丈夫みたいだね」


「そう簡単に、くたばる、かよ!!」


 魔力で強化した拳でクレーターを作り出すノアに向けて、スレッドは力を集中させた右足を放った。


 渾身の一撃はノーガードのノアを吹き飛ばし、吹き飛ばした方向へ向けて数十の紋章術を発動させた。


 様々な属性の紋章術はノアへと直撃し、爆発を起こした。


「ふうー…………」


「いやー、実に楽しいよ。スレッド、君もそう思わないかい?」


「…………楽しくはないな」


 爆発によって巻き上がった煙が晴れると、無傷のノアが両手を広げながらスレッドに語りかける。その表情は非常に楽しげだ。


(圧倒的な一撃、そいつを撃ち込むしかない)


 ノアの身体には濃密な魔力が鎧のように纏っている。これによってスレッドの攻撃はなかなか通らない。


 ダメージを与えるには魔力の鎧を解除するか、防御力を超えた一撃を撃ち込むしかない。それも、一撃でノアを倒せるほどの。


(それにはやはり…………これしかないか)


「おや? 諦めたのかい?」


「…………見せてやるよ。新しい力を」


 一旦合体紋章を解除するスレッドを見て、ノアはつまらなそう表情を浮かべる。これから楽しくなると思っていたのに、合体紋章を解除したスレッドではノアの相手にならない。


 スレッドは不敵な笑みを浮かべ、再び紋章を展開させた。



いかがでしたでしょうか。

次回でノアとの対決に決着をつける予定です。

もう少し話数をかけて決着をつけようと思いましたが、

あまりダラダラ続けてもどうかと思い、2話での決着となりました。


次回の更新はまだいつになるか分かりません。

一応頭の中にノアとの決着は思い浮かんでいるのですが、

新しい仕事や新たな資格の勉強など忙しい日々が続きますので、

少し時間が掛かりますので少々お待ちください<(_ _)>

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