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第百九十一話

お待たせしております。

どうにか更新までこぎつけました。


では、本編をお楽しみください。


「おらぁ!!」


 氣で造られた大剣をサイフェルへ向けて振り下ろす。


「はっ!!」


 ガキィン!!


 振り下ろされた大剣に対し、サイフェルは魔力を圧縮させた黒い剣で受け止める。氣と魔力が反発するかのように、接触した部分に火花が走る。


 反発を利用して、ブラッドは横薙ぎに大剣を振るう。刃を氣で造り上げることで今までの重量が無くなったことで剣速が早くなった。


 だが、サイフェルも負けてはいない。左手にも魔力の剣を生み出し、片手でブラッドの攻撃を受け切った。体勢は全く崩れておらず、まるでブラッドの渾身の一撃が無駄に思えてくる。


「死ね」


「うおっと!?」


 更に魔力を込め、右手の剣をブラッドの首目掛けて振るう。慌てて回避するが、紙一重で微かに喉元が切れてしまう。


 しかし、ブラッドもただ回避するだけではない。回避すると同時に左脚をサイフェルの脇腹へと叩きこむ。


「ぐっ!!」


 氣で強化した蹴りがサイフェルを怯ませ、ブラッドはサイフェルの頭目掛けて全力で大剣を振り下ろした。


 大剣は二本の剣によって受け止められ、ブラッドとサイフェルの力は拮抗する。


「うおおおおおおおお!!」


「はああああああああ!!」


 拮抗は崩れることなく、互いの剣を弾く。再び間合いを詰め、一進一退の攻防が続く。


 互いに攻撃と防御を繰り返すが、決定打を繰り出すことが出来ない。


「……………………」


「……………………」


 まるでタイミングを計ったように、ブラッドとサイフェルは後方へと下がり、切っ先を相手に向けて構える。


「バースト…………フォース!!」


 瞬間的に全身の氣を爆発させ、全ての感覚を上昇させる。一気にサイフェルへと近づき、渾身の一撃を振り下ろす。


 ドォオオオオン!!


 しかし、ブラッドの一撃はサイフェルに当たることなく、大剣は床を破壊する。破壊された床の破片が飛び散り、煙が辺りに舞った。


「ブラック・サイス」


「ッ!?」


 煙の先からブラッドへ向けて正確に魔力の剣が飛んでくる。音と煙の動きで飛んでくる剣を察知し、大剣で叩き落とす。


「ちっ!!」


 グシャ!!


 一本の剣が左腕に刺さる。深く刺さった場所から血が噴き出し、鋭い痛みが腕全体に走る。


 剣を引き抜き、流れ出る血を氣と筋肉の引き締めだけで止血する。


(……………………)


 静かに周囲の気配を感じ取る。サイフェルだけでなく、シャンテとミンティの二人についても位置を把握し、同志討ちにならない様に気をつける。


 それと同時にタイミングを計る。ここから手順を間違えるわけにはいかない。


「そこか!!」


 煙が晴れる前にブラッドはサイフェルの位置を把握し、大剣にありったけの氣を込める。サイフェルの気配のする方へと駆けていく。


 上段から一気に振り下ろす。


「その攻撃は、もう見飽きた」


 だが、その攻撃は簡単に受け止められた。左手に持つ剣で大剣を受け止め、右手の剣を肩口から袈裟切りに振り下ろした。


「何!?」


 後方に回避するだろうと考えていた。これまでの攻防からブラッドの動きは見切っている。そう簡単に倒せない。


 その予想に反して、ブラッドはサイフェルの剣を左腕で受け止めた。


 氣による強化は行なっているものの、鋭い切れ味を持つサイフェルの剣は簡単にブラッドの腕に入り込んでいく。


「貴様、正気か!?」


「てめえを倒すのに、腕の一本惜しくねえ!!」


 次の瞬間、腕が二本空を舞った。


「おのれ!!」


 空を舞った腕の一本はブラッドの左腕であり、もう一本はサイフェルの右腕だった。


 ブラッドはわざとサイフェルの剣を受け、自分の左腕を犠牲にした。犠牲を払わなければ、おそらくサイフェルの腕を奪うことは出来なかっただろう。


「今だ!!」


「うおおおおおおおお!!」


 斬られた腕を気にすることなく、ブラッドは後方へと飛んだ。そして、後ろへ向けて合図を送った。


 合図と共に煙の奥から猛スピードでシャンテが槍を構えたまま突っ込んできた。






 時間はブラッドが床を破壊し、辺りに煙が舞った頃に遡る。


「ミンティ、大丈夫か?」


「…………何とか」


 サイフェルに気付かれない様に、シャンテとミンティは小声で無事を確認し合う。


 どうにか無事ではあるが、サイフェルの攻撃によるダメージは大きい。動けてはいるが、いつもの動きは出来ない。


 煙の先ではブラッドとサイフェルが戦っている音が聞こえてくる。


「…………ミンティ、アレを頼む」


「!? 駄目!! アレは危険すぎる!!」


「静かに…………このままではリーダーは勝てない」


 戦況を把握しながら、このままではブラッドは負け、負傷した二人の状態ではすぐさま殺されてしまうだろう。


 無理をしなければいけない。


「ミンティ、頼む」


「…………分かった。でも、決して死なないで」


 シャンテはミンティの了解を得て、懐から黄色い液体の入った瓶を取り出した。魔王領に来る前にナディーネから貰った栄養剤を一気に飲み干す。


 細胞が活性化し、強引に回復させる。氣が全身から溢れ出し、その氣を槍に集中させた。


 その間にミンティはシャンテに向けて身体強化の紋章術を掛け、更に紋章術で風をシャンテの身体に纏わせる。


「…………ふう」


 槍を構え、しっかりと体勢を整える。更にその後ろでミンティが杖をシャンテの背中に向けた。


 紋章術で風を集め、圧縮させていく。圧縮させた風の塊を安定させ、タイミングを待つ。


「今だ!!」


 ブラッドの合図を聞き、ミンティは風の塊を前方へ放った。風の塊は激しい圧力となってシャンテを押し出した。


「うおおおおおおおお!!」


 全ての氣を槍の穂先に集中させ、シャンテはサイフェルへと迫った。




……というわけで、終わりませんでした(-_-;)

今回でサイフェルとの戦いは終わる予定でしたが、

意外と文字が進んでしまいました。

次こそはサイフェルとの戦いに決着をつけます。


さて、近況ですが本日面接に行ってきました。

やはり転職を繰り返している部分は大いに突っ込まれましたが、

全く駄目だったとは思いません。

どうなるか分かりませんし、もう一つも書類審査中ですので、

天命を待ちたいと思います。

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