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第百八十話「魔王城」


「切りがないわ、ね!!」


 ナディーネは手に持った拳銃を撃ちながら、次々と襲いかかって来る魔物に辟易していた。


 翼を持ったガーゴイルの翼を撃ち落とし、火を吐こうとするドラゴンの口の中に弾丸をお見舞いする。


「愚痴ってる暇は無い」


「そうですよ~。愚痴る前に手を動かさないと」


 ナディーネの隣ではブレアとミンティが紋章術を放って魔物を葬る。魔物は次々と地へと落ちていく。


 スレッド達は襲いかかる魔物を掻い潜りながら、魔王城を目指していた。






 ブレアの紋章術で魔物の群れを撃墜して、その隙間をすり抜けてきた。しかし、魔物は際限なく湧きでてくる。


 おそらく魔王城があるだろうと思われる方向から現れる魔物を最小限に回避しながら、ファトゥルーゼはスピードを上げて進んでいく。


 だが、それでも襲いかかってくる魔物はいる。


 それらを相手していては魔王と戦う前に体力を消費してしまう。どうしても回避できない魔物以外は無視しながら飛んでいく。


「まだ着きそうにないか!!」


『もうまもなくだ。だが、その前に関門だ』


 必死にしがみついているヴィンセンテの問いにファトゥルーゼは魔物を回避しながら答える。


 しばらく魔王領の上空を進んでいくと、その先に霧がかった城が見えてきた。漆黒に彩られたその城を見た瞬間、誰もがそれを魔王城と認識した。


「さっさと突入するぞ」


『まあ、まて。あの霧がある限り中に入れない。まずはアレを破壊する』


 そう言うとファトゥルーゼは城の上空を回り始めた。何かを確認するように飛んでいると、城のある一点に向かっていく。


 身体を輝かせ、嘴に力を集中させる。集中された力は煌々と輝き、霧にぶつかった。霧は輝く光によって消えていく。


 侵入を拒んでいた霧が消えたことにより、スレッド達は魔王城の入口に辿り着いた。わざわざ1階から馬鹿正直に攻略する事もないが、上階には危険を感じた。

 罠がないとも言い切れない。ここは確実に進んでいく。


 ファトゥルーゼの背中から降り、扉の前に立つ。扉は頑丈でそう簡単に開きそうもない。全員で調べてみるが、一向に鍵は見付からない。


「しゃらくせえ!!」


 どうしても扉が開かないことに苛立ち、ブラッドが背中から大剣を抜き、扉に対して振り下ろした。


 氣で強化させた大剣は扉を斬り倒し、魔王城への扉が開かれた。突然何も飛び出してこないことを確認し、慎重に城へ入っていく。


「…………普通の城だな」


 扉の奥はエントランスが広がっていた。中央に階段があり、2階へと進むことが出来る。


 罠はなさそうだ。スレッド達は目線で合図を送りながら、急いで上階へと進もうとした。


「とうとうここまで来たか…………」


『ッ!?』


 どこからともなく聞こえてきた声に、全員立ち止まり武器を構える。どこから攻撃されても対処できるように円陣を組む。


「貴様たちはあの方の元には辿り着けない。なぜなら、ここで死ぬからだ」


 天井付近に闇が出現し、闇の中からローブを被った人影、ラファエーレが現れた。すぐさまラファエーレは右手を前に出し、自身が出てきた闇を操る。闇は幾つもの帯状に変化し、突き刺すかのようにスレッド達に襲いかかる。


「うおっ!?」


「ちょ、待った!!」


「はっ!!」


 次々迫りくる闇の帯を必死に回避していく。闇の帯は壁や床を破壊しながらスレッド達を襲い、ラファエーレはその場から全く動いていない。


 このままではジリ貧だ。どうにかしなければ、魔王に辿り着く前に全滅だ。


「奴は僕達が引き受ける!! 皆は先に進んでくれ!!」


「!? だけど…………」


「迷ってる暇は無いわよ。さっさと行きなさい。私達には時間が無いんだから」


 攻撃を回避しながら、ヴィンセンテがスレッド達に向かって先に進むように促す。その言葉に戸惑うミズハだが、ナディーネは冷静に銃を撃ちながら諭す。


 今この時点でも魔物たちが人間界を襲っている。魔王の影響を受けている魔物たちは凶暴化しており、あまり時間を掛け過ぎては人間界が危険だ。


 一刻も早く魔王を倒さなければならない。


「…………すまない」


「気にしないでくれ。必ず奴を倒して、追いつくから」


 ヴィンセンテの決意に応え、スレッド達はヴィンセンテとナディーネを残して階段へと向かう。その間も闇の帯は迫って来る。


「行かせると思うのか?」


 先に進もうとするスレッド達の前に立ちはだかるラファエーレ。スレッド達を攻撃しようとしたが、何かがラファエーレに向かって飛んでくる。ラファエーレは飛んでくる物体を闇の帯で防ぐ。


「行かせてもらうわよ」


 構えた銃を連射するナディーネ。一発一発は威力が低くとも、数が多ければラファエーレも防御せずにはいられない。


 その隙にブレアが辺りに霧を発生させ、視界を遮る。この程度では直ぐに発見されてしまうだろうが、一瞬でも見失えばそれで十分だ。


 スレッドとブラッドのパーティメンバーはラファエーレの横をすり抜け、2階へと進んでいった。






「さて、問題はこれからね」


「ああ」


 スレッド達が進んだことを確認し、ヴィンセンテとナディーネはラファエーレに向けて構える。いつでも戦えるように全身に氣を纏わせる。


 ナディーネは銃の弾を交換する。この日為にギルドに用意してもらった紋章入りの弾を用意してもらった。


 数は100発。使い切る前に目の前の魔族を倒さなければならない。


「死ぬ準備は出来たようだな」


「勝つ準備なら出来ている」


「さっさとあんたを倒して、先に進ませてもらうわ」


 ラファエーレは闇の帯をヴィンセンテとナディーネに向けた。二人も武器を構え、闇の帯を回避しながらラファエーレに迫っていった。



ついに魔王城まで乗り込むところまで来ました。

今回の話は見直してみると、若干話のペースが早いような気がしますが、

一応はこのままでいこうと思います。

ゆったり進めるわけではありませんが、

あまりハイペースに進めないように気をつけます。


さて、近況ですが、まだ仕事は決まっていません。

先日面接に応募したのですが、本来書類選考が無かったのですが、

なぜか自分には書類選考があり、結局書類で落ちましたorz

実務経験が無いからとか書いてましたが、

求人票には無くてもいいと書いてたのに…………。


まあ、そんな感じでまだまだ仕事は出来そうにないです。

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