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第百七十六話「決戦前夜 上」

大変お待たせいたしました!!

ここ最近忙しかったり、話が思いつかなかったりと

更新が遅れてしまいました。


まあ前書きで長々と書いてもしょうがありませんので、

本編をお楽しみください。


 空に無数の星が煌めく夜、アーセル王国首都モルゼンの酒場から楽しげな声が聞こえてくる。


 周りの店は閉店しており、本来この時間でも大通りにはそれなりに通行人が見えるが、今は人一人見当たらない。どうやら人々は不安で家の中に閉じこもっているようだ。


「ゴク、ゴク、ゴク。ぷはあ!! こいつは良い酒だ!!」


 酒場の中には席数の割には人が少なかった。カウンター近くのテーブルには多くの料理と酒が並んでいるが、それを食べているのは十人にも満たない人数だ。


「さあ、どんどん食べておくれよ!!」


 大量の料理を運びながら、料理を進めてくる店の女将、リーネ。カウンターの奥の厨房にいる料理を作っている亭主も大きく頷く。


 その料理を次々と胃に納めていくブラッド。その横で同じく料理を食しているシャンテとヴィンセンテ。


 その隣のテーブルではミンティとナディーネがゆったりと料理とお酒を楽しんでいた。


「美味しいです!!」


「うん、全て絶品だね」


「そいつは良かった。今日の料理は材料を国とギルドから提供されているからね。全て最高級品だから腕の振るい甲斐があるよ」


 ヴィンセンテとシャンテが次々に感想を述べ、リーネはその様子を嬉しそうに見つめる。やはり美味しいと言われることは嬉しいもののようだ。


「全く、もう少し落ち着いて食べられないのかしらね、この男共は」


「まあまあ、いいじゃないナディーネ。楽しく食べた方がいいですよ~」


 互いのグラスに酒を注ぎながら、ナディーネとミンティはゆったりと食事を楽しんでいる。


 それぞれに料理を取り分け、無くならない様に自分達の分はしっかりと確保していた。


 この食事が最後の晩餐になるかもしれないのだ。ブラッド達はしっかりと味わいながら決戦前を過ごしていた。






 魔王城までの道は繋がった。女神ミストの力によって翼は復活する。高濃度の魔素への対策もでき、魔王を倒すための武器も手に入れた。


 後は魔王領へ侵攻するだけだが、すぐに動くことが出来なかった。ミストによって復活した翼は卵の状態であり、孵化するのに数日時間が掛かってしまう。


 スレッド達はその時間を利用して準備を行なった。携帯食料や医薬品などを買い揃え、防具を新調した。


 また、短い期間の中で訓練を行ない、少しでも技を磨く為に模擬戦を行なう。紋章術師は国が保管している閲覧禁止されている魔道書などの閲覧が許され、覚えられるだけの紋章を修得した。


 そして、卵の孵化が明日の朝に迫った本日、国王とギルドが魔王領へと向かう冒険者の為に料理や酒を用意した。


 魔王領に進攻すれば、落ち着いて食事もままならない。また、無事に帰ってこれるかも分からない。


 故に、魔王領へ向かう前に英気を養う為に宿屋を貸し切りにして、最高の食材で料理が振る舞われた。






「…………」


「どうした? 元気がねえな」


 食事が始まってからしばらくして、ヴィンセンテが背もたれに身体を預けながら何かを考えていた。


 ヴィンセンテの表情はどこか緊張を感じさせ、何か不安を抱いているようだ。その姿に気付いたブラッドはグラスの酒を飲みながら声を掛けた。


「…………僕の実力で通用するのだろうか」


 ヴィンセンテが考えていたこと、それは自身の実力で魔王領で戦えるのかというものだ。


 魔王領へ向かう冒険者は3組、スレッド達とブラッド達、そしてヴィンセンテ達だ。その中でも一番実力が低いのは自分達であると理解している。


 冒険者の中でも上位に入る実力だが、他の2組と比べれば数段見劣りしてしまう。


「やっぱり、違う冒険者の方が…………」


「いいか、ヴィンセンテ。伊達や酔狂でギルドはお前を選んだわけじゃねえ」


「その通り。君なら魔族にも対抗できると認められたから、今回の討伐メンバーに選ばれたんだよ」


 ブラッドの言葉を補足するようにシャンテがヴィンセンテに語りかける。


 今回の討伐メンバーは冒険者のランクだけで選ばれたわけではない。準備期間の間にギルドの施設で実力を計る為の模擬戦を行ない、選ばれたのだ。


 スレッド達との共闘からヴィンセンテ達は自分達を鍛え直していた。下級の魔族に全く歯が立たなかったことが悔しくて、クエストを受けながら実力をつけてきた。


 その努力が実り、カロリーナとザックに認められ、魔王領へのメンバーに選ばれた。


「あんたは心配し過ぎよ」


「ナディーネ…………」


「一人の実力で戦いが決する訳じゃない。力を合わせれば何とかなるわよ」


「そうですよ~。このメンバーなら大丈夫!!」


 顔を赤くしながら、ナディーネとミンティがヴィンセンテ達へ話しかける。テーブルのグラスの数から想像すると、二人ともかなりの量の酒を飲んでいるようだ。


 確かにヴィンセンテだけで魔族と戦うのは無謀かもしれない。戦えばおそらく負けるのは確実だろう。


 しかし、チームを組んで戦えば、勝てる可能性は十分にある。


「俺達は明日魔王領に侵攻する。だが、負ける為に行くんじゃねえ。勝って、生き残るために行くんだ」


『……………………』


「全員、死ぬんじゃねえぞ」


 いつもとは違う真面目な表情で語るブラッドに全員が頷く。そう簡単に死ぬつもりは無い。


 彼らの言葉を聞きながら、リーネは笑顔で料理を運ぶ。


「さあ、しっかり食べて、必ずもう一度食べに戻ってきなよ!!」


 その後もブラッド達は料理と酒を堪能した。



決戦前夜は一応後2話続く予定となっております。

ちなみに更新は今回ほど遅れませんが、

ちょっと遅れると思いますので、ご了承ください。


さて、近況報告ですが、未だに職は決まっておりません。

いくつか応募は出しているのですが、なかなか難しいです。

資格試験ですが、そちらの勉強は順調で、

この調子ならば6月試験で合格できそうです。

ただ、6月の試験を受けてから、次の資格はどうしようか悩んでいます。

勉強はするつもりですが、どの資格の勉強しようか書店で本を見ながら、

あーでもない、こーでもないと唸ってます(笑)

一応候補としては、現在勉強している簿記の2級に挑戦するか、

11月に試験がある行政書士に挑戦するか、

はたまた月に2回もチャレンジできるMOSの試験に挑戦するか、

費用と期間のバランスを考えて悩んでいます。


ただ、6月の試験に失敗してもしょうがないので、

とりあえず簿記3級ですが、全力で頑張ってきます!!

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