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格闘家な紋章術士  作者: 愉快な魔法使い
第九章「魔王復活」編
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第百六十話「破壊」


「はああああああああ!!」


「ふん!!」


 合体紋章を発動させたスレッドは、空中を蹴ってノイドへと間合いを詰める。雷を纏った攻撃を放ち、ノイドはその攻撃を錫杖でいなしていく。


 攻撃が入らないことにスレッドは焦ることなく、一撃一撃に集中していく。まるで錫杖を初めから攻撃しているかのようにノイドを攻めていく。


「貴様の攻撃など効かん」


 錫杖に魔力を通し、強化していく。先ほどまでより強度が増し、感触が硬くなった。だが、スレッドもすぐさま対処する。


「なら、こっちも強化するだけだ!!」


 力を絞り出し、右手に集中させる。右の拳に膨大な雷が集まり、眩しいほどに輝いている。


 膨大な雷を見ても、ノイドは全く顔色を変えなかった。錫杖を構えるだけで、焦った様子など一つもない。


「その棒、へし折ってやる!!」


 錫杖へ向けて、スレッドは右の拳を振るった。激しい衝撃と共に雷がノイドを襲う。攻撃を受けた錫杖は変形していき、雷と力によって錫杖は真っ二つにへし折られた。


「むっ!?」


 スレッドの放った雷は錫杖をへし折るだけでなく、ノイドに帯電する。スレッドはすぐさま間合いを取る。


 そして、スレッドとノイドの間に何かが飛び込んできた。


《今じゃ、主》


 飛び込んできたものの正体は、白夜によって飛び上がったミズハの姿だった。ミズハは刀を鞘に納め、柄に手を添えている。炎が刀に吸収されていき、鞘の中の刀身が紅く染まっていく。


 空中で止まっているミズハは無防備だ。この様な状態なら誰だって攻撃を当てることが出来るだろう。


 だが、ノイドは動けない。一見するとノーダメージだが、先ほどスレッドから受けた雷が未だに帯電しており、上手く動くことが出来ない。


「…………はっ!!」


 白夜の尻尾がノイドの身体に巻き付き、引っ張る様にしてミズハとノイドの間合いが無くなっていく。そして、ミズハの間合いに入った瞬間、


 ヒュン!!


 ミズハはノイドに向けて抜刀した。真っ赤に燃える刀身は横薙ぎにノイドの身体を斬り裂いた。


「白夜!!」


 すぐさま白夜に声を掛け、白夜もすぐに反応する。ミズハのすぐ近くに炎が集まり、圧縮されていく。次々に炎が集まっていき、炎の中から劉炎宝刀が現れた。


 劉炎宝刀を手にする。白い炎が溢れだし、辺りへと落ちていく。破邪の力を秘めている白い炎は人間には無害だが、魔族や魔物には絶大な力を秘めている。岩の魔物は白い炎によって力を失っていく。


 左手に劉炎宝刀を持ち、ノイドに向けて振り下ろした。


「はっはっは!!」


『!?』


 白い炎を受けたノイドは力を失っていく。だが、ノイドは笑っている。まるで攻撃など効いていないかのように。


 そして、ノイドの身体は地面に落ちていった。






「やったぞー!!」


「人間の勝利だ!!」


 ノイドが倒されたことにより、兵士たちは大いに喜んだ。岩の魔物も倒れたことにより、封印は護られたのだ。


「…………」


「…………」


 しかし、スレッドとミズハは警戒を解かなかった。先ほどのノイドの笑い声が気になっているのだ。


 誰もが岩の魔物などを片づけようとしている中、スレッドとミズハは地上に降りてノイドに近づいていく。


「…………まさか、この力を使用する時が来ようとは」


 そう言って、ノイドは倒れたままの姿勢で浮かんでいく。見上げるほどの高さまで達したところで、両手を広げた状態で静止した。


「絶望を見せてやろう」


 ノイドの身体から黒い靄が溢れだし、魔力が胸の奥から溢れ出す。ノイドの胸には魔族の心臓である核が納められており、その核から魔力が溢れだしているのだ。


 黒い靄が晴れていく。靄の奥からは現れたのは、先ほどまでの細身の僧侶ではなく、巨大に膨れ上がったノイドだった。筋肉が二倍以上に膨れ上がり、背中から腕が二本生えている。


 四本の腕を身体の前に突き出し、黒い玉が浮かび上がる。魔力が一つに圧縮されていき、直径10センチほどの黒い玉が造り出された。


「まずい!?」


 直観的に危険だと感じたスレッド。すぐさま攻撃を止めようと動き出したが、遅かった。


「消えろ…………」


 黒い塊が神殿に向けて発射された。まるでビームの様に発射され、神殿を木っ端みじんに破壊していく。


 ノイドの攻撃は真っ直ぐに封印の石像が安置されている場所へと向かっていく。砂で造られた壁を軽々と破壊し、結界の封印が施された石像に直撃する。


 だが、そう簡単に破壊されることは無い。ブレアの張った結界は魔族の攻撃すらどうにか防いでいる。


「…………発動しろ」


 破壊出来ないことに焦ることなく、ノイドは違う力を発動させた。すると、どこかで何かが割れる音がして、ブレアが張った結界がいとも簡単に破壊されてしまった。




 ――――そして、全ての封印は破壊された。




『ッ!?』


 封印が破壊された瞬間、世界中のあらゆる人々が何かを感じた。それは不吉な予感でしかなく、この先の暗雲を予想させるものだった。






 嫌な感覚をスレッド達も感じていた。神殿が攻撃されていることを忘れてしまうほど意識を取られていた。


「遂に、遂に復活される。我らの悲願が達成されたのだ!!」


 同じ感覚を受けたノイドは、封印を破壊出来たこと、目的が達成されたことを大いに喜んでいた。四本の手を大空に伸ばし、何かを祝っているようだ。


「早速戻らねば。だが、その前に…………」


 喜びを抑え、眼下へと視線を向けた。正確にはスレッドとミズハにだ。


「ここで障害になりえる人間を潰すとするか」


 ノイドはスレッド達人間を殺す為に、四本の腕に力を入れた。



ついに封印が全て破壊されました。

そして何かが復活した…………って、皆さん何かは分かりますよね(笑)


さて、私の仕事の方ですが、11月にあった大役も終了し、

後は3月末まで雑務をこなすのみですが、

他の人材が今年入った新人ですので、

なかなか任せてばかりもいられません。

年末に向けて忙しくなりそうです(-_-;)


ですが、もうすぐボーナスも入りますし、

そこまで急ぎの仕事もありませんので、

ゆっくり就職活動しながら頑張っていきたいと思います。


後4カ月、頑張ります!!

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