表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
格闘家な紋章術士  作者: 愉快な魔法使い
第八章「魔王領探索」編
156/202

第百五十一話「作戦実行」


「フレイムドリル!!」


 ミンティは自分の周りに炎を展開させ、炎を捩じらせた。まるで螺子の様な形に変わった炎は、回転しながら魔物に突き刺さる。


 炎は魔物の体内へ侵入し、内側から魔物の身体を燃やし尽くしていった。


「せいっ!!」


 魔物に向かって槍を突き刺すシャンテ。すぐさま槍を抜いて、次の突きへと繋げた。槍をあまり突き刺し過ぎると、抜けなくなってしまう。


 槍を横薙ぎに払い、魔物の足を払う。足を払われた魔物は地面に倒れ、そこに他の冒険者達が魔物に止めを刺した。


「で、いつまで戦えばいいんだ!!」


 ブラックは大剣の重さを感じさせない様な動きで魔物を葬っていく。その勢いは他の冒険者とは格が違っていた。


 対して、話しかけられたザックも大剣を振るいながら、ギルドからの連絡を耳元に受けていた。ザックの耳元には紋章の刻まれた連絡石が付けられている。


 連絡石とは、特殊な紋章を二つの石に刻みつけ、石に魔力を通すことで離れた場所でも会話をすることが出来る。必要な魔力は微々たるもので、一般人でも使用することが出来る。


 しかし、一般には出回っていない。使われている紋章が特殊な事もあるが、この紋章は雷を利用したある一定の周波数を使用しており、あちらこちらにあると混線を引き起こしてしまう。


「…………分かった。作戦を続けてくれ」


 作戦本部からの知らせを聞き、ザックは一瞬言葉を失った。しかし、そこで止まるわけにはいかない。


 現在は戦闘中であり、ザックはここで冒険者たちへの指揮を執っている。


 ここで使命を放り出すわけにはいかない。


「お前ら!! もうすぐ作戦が実行される!! それまで踏ん張れ!!」


『おお!!』


 他の冒険者に悟られない様に、気合いを入れて冒険者達を鼓舞する。


(死ぬんじゃねえぞ、リカルド)


 心の中でリカルドへの愚痴を言いながら、ザックは作戦成功を信じて剣を振り続けた。






「準備は整ったか?」


「はい。ですが、一か所だけ連絡が無く、観測隊からの報告では既に結界の紋章が発動しているようです。出力も低く、本来の数値が出せないだろうと」


「…………」


 ギルド職員の報告を聞きながら、ソルは作戦前にリカルドから話されたことを思い出していた。






『裏切り者、ですか……』


『まだはっきりはしておらんがな。しかし、作戦の一部が漏れたことは確かじゃ』


『ならば、早急に調査しないと!?』


『いや、ここで本格的な調査をすれば、相手にこちらの動きがばれてしまう。このまま泳がせておくのじゃ』


『しかし、それでは作戦が失敗してしまう可能性があります』


『おそらく本来の作戦ほどの数値は出せんじゃろう。じゃが、それでも作戦を進める。出力は後でどうにでもなる』


『…………分かりました』


『それと、わしに何かあった場合は、お前さんが皆を指揮してくれ』


『冗談でもそんなこと言わないでください』


『大事なことなんじゃ。作戦中は何がおかしくない。ギルドを仕切っているわしを狙うのは必然じゃ。じゃが、お前さんがいれば心配ない』


『…………』


『もしもの場合は、頼んだぞ』


『…………はい』






 リカルドとの会話を思い出し、ソルは決意した。


「…………このまま作戦を実行してくれ」


「!? しかし!!」


「ここで立ち止まるわけにはいかない。出力が弱くなってもいい。今は結界を展開させることが重要だ」


「分かりました」


 ソルの力強い言葉を信じて、職員は作戦を実行に移す。連絡石を使用して、カウントダウンを開始した。


「五、四、三!!」


「…………」


「二、一!!」


 カウントダウンを聞きながら、誰もが成功を祈っていた。


 そして、結界の紋章が発動した。






『ッ!?』


 目の前に結界が展開される。結界の内側にはまだ魔物がいるが、それでも結界の外側には、結界に激突する魔物の姿が見える。


 結界は魔物の激突にびくともしない。逆に結界にぶつかった魔物が激突の衝撃で死んでいくほどだ。


 その光景を見たザックは声を張り上げる。


「野郎ども!! 作戦は成功した!! 後は残りを排除するだけだ!! 気合いを入れろ!!!!」


『おおおおおおおお!!!!!!!!』


 終わりが見え、冒険者達は手に持つ武器に力を入れる。気力を振り絞って、結界内の魔物を討伐していく。


 討伐を他の冒険者に任せながら、ザックは連絡石でソルに話しかけた。


「よくやってくれた」


『いえ、ザック様達のおかげですよ』


「それで…………リカルドの状態は?」


『…………術士による治療が行なわれていますが、危険な状態です』


「そうか。まあ、あいつなら大丈夫だろう。後の指揮は任せたぜ」


『分かりました。出来る限り頑張ります』


 連絡を終え、辺りを見渡す。既に殆どの魔物は討伐されており、後は死体を片づけるだけだ。


 後片付けを手伝う為に、ザックは冒険者達を指揮しながら歩いていった。



次回の更新ですが、少し遅れると思います。


特に忙しいわけではなく、

ついに明日9月14日に待ちに待ったゲームが発売するからです!!

執筆もしますが、おそらく休みはゲームを優先しそうです(-_-;)


それでも来週半ばには更新できたらと思っています。

少々お待ちください<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ