♯02 昼休み
「ユキ 大丈夫だったらお弁当たべよ。」
麗奈が言った。
4時間目が終わり今は昼休みだ。
みんな席を移動し始めていた。昼休みは仲の良い人と食事をする。
大所帯で賑やかにしている人たちから一人で食べるのが好きな人、とさまざまだ。
私がいつも昼食を共にしているのは麗奈と・・・・・・・・絵里香と美紀と加奈と杏奈だ。
入学当初は麗奈と二人でいたあたし達がこの4人と一緒に食事をするようになったのは先週の月曜日からだ。
彼女達はそとづらは良い。他のクラスメイトとも普通に話すし食事に誘われて断る理由は特に無い。
今日も机をあわせて一緒に食べることになった。
端から見ればあたしも不良グループだな・・・
昼ごはん。
だが、私の頭の中は昨日の出来事でいっぱいになっていた。
芽衣子はあれからどうなったんだろう?
普通ならあの場で放置だよね?
なのに絵里香たちは芽衣子を男の運転する車に連れ込んだ。
車内でも絵里香たちに乱暴されたのだろうか。家にはかえれたのかなぁ。まさかあの男に…。
イヤな想像ばかりが膨らんでいく。
「ユキどうかした?」
『・・・・えっ!?』
「どうしたのぉ~ げんきないよぉ?」
『絵里香・・・』
「早くお昼食べよ♪」
昨日の出来事で頭がいっぱいだったあたしは、絵里香の言葉でいっきに現実に引き戻された気分だった。
「昨日寝不足だったんだってさ。」
麗奈が取り繕ってくれた。
「ふぅ~ん まぁテストもそろそろだけどさ。早く寝ないとお肌に悪いよ~」
『いやぁー 勉強なんか全然してないよ。昨日もぶかつでさぁ。』
「あぁ そういや 遅く帰ってたね。」
『うん・・・・ 』
え?
いや・・ 確かに遅くは帰ったけど、そのころ絵里香たちは芽衣子をイジメてたじゃないか。
あたしたちを見ているはずがない。というかあたしたちが絵里香を見てたんだ。
『え・・ 絵里香、部活入ってないよね? きのう学校に残ってた?』
「うん 図書館にいたよ。そしたらちょうどユキとレイナが体育館の前の道帰ってたから。」
背筋に悪寒が走った。
あの時間は間違いなく絵里香は体育館裏にいた。ってことは・・・・まさか見ているのを気づかれてた!?
だから嘘をついてあたしと麗奈の反応をみているのかも。
「へぇー・・・・・ 絵里香図書館にいたんだ・・ 私たちそのまま帰っちゃったから。声かけてくれればよかったのに。」
麗奈もそう思ったらしい。かなり緊張している。
そりゃそうだ。
気づかれてたとしたらかなりヤバい!
「いやいや。 何言ってんの? そのあと体育館裏にいってたじゃん。」
『ぃ!・・・行ってないよ!!』
「嘘言わないでよ。」
「何を見たの?」
終わりだ・・・ 気づかれてた。
あたしも芽衣子と同じ目にあわされるんだろうか・・
殴られて・・・・髪を切られて・・
サイアク。
「今日は二人も手伝ってよね。」
『え?』
「だぁーからー 二人も手伝ってって言ってんの。もう完璧に仲間入りだね☆」
「放課後まってるからね。」
なんてことだ。
まさか、こんな風にかえされるなんて思っても見なかった・・
絵里香たちの仲間入り・・・・
「ぅん・・・・わかった。」
『レイナ・・・。』
麗奈は同意した。
あたしは・・・・
・・・・・イヤだ!
イジメだなんて、クラスメイトをあんなことをする手伝いだなんて。
『あたしは・・・』
いや。まてよ?
ここで断っても芽衣子の二の舞になるだけだ。
それなら乗ったフリをして芽衣子のことを調べたほうがいい。
あんな男に連れて行かれたんだ。絶対ひどい目にあっている。
仕方ないんだ。ここは仲間になった・・・ふりなんだ!
『いいよ。部活終わるまで待っててね・・・・』
仲間入り。
「おっけぃ。 じゃ、放課後ね♪」
To be continued