アミンバース物語:第2話
アミンバース物語:第2話(完結)
「星潮の森で出会う声」
惑星〈リオ=ナヴァ〉は、光る樹海が果てしなく広がる世界であった。夜になると、樹々の葉は星のように輝き、風が吹くたびに淡い音色を響かせる。その光と音が重なり合う様子から、この森は〈星潮の森〉と呼ばれていた。
この星に暮らす種族〈ルミア〉は、身体が細い光の糸で編まれたような非人型生命体である。彼女たちは声を持たず、光の揺らぎで意思を伝える。
若き女性〈シア〉は、森の奥にある“星潮の泉”に憧れ続けていた。そこには、古代から伝わる言い伝えがある。
――泉の底には、神族パーカー家の名を刻んだ光の石が眠っている。
シアはその石を一目見たいと願っていた。
ある夜、森が静かに揺れる中、同族の青年〈レイヴ〉が近づいた。彼の身体は深い青色の光を帯び、落ち着いた波紋を放っている。
「また泉のことを考えているのか、シア。」
シアの光が小さく揺れた。
「ええ。パーカー・アミン様の名が刻まれた石……本当に存在するのか確かめたいの。」
レイヴは柔らかく光を返した。
「神族パーカー家の名は、この森でも聖なるものだ。だが泉は危険だ。光の流れが乱れると、帰れなくなる。」
シアは静かに揺らいだ。
「それでも行きたいの。あの石を見れば……私の光がもっと強くなる気がするの。」
レイヴは少し迷い、やがて深い青の光を広げた。
「なら、僕も行く。パーカー・アミン様は“二つの光は共に進め”と教えている。」
二人は星潮の森を進んだ。
葉が星のように瞬き、足元の光が道を照らす。
やがて、森の奥に淡く揺れる泉が現れた。
泉の底には、確かに光る石があった。
そこには古代文字でこう刻まれていた。
――〈パーカー・アミン〉
――〈パーカー家〉
――〈光は迷う者を導く〉
シアの身体が強く輝いた。
「……本当にあった……。」
レイヴも静かに光を揺らした。
「神族の名は、どの星にも残されている。僕たちが生きるこの世界も、アミンバースの一部だ。」
その瞬間、泉の光が二人を包んだ。
まるで祝福するように、優しく、温かく。
シアは光を震わせた。
「レイヴ……一緒に来てくれて、ありがとう。」
レイヴは深い青の光を返した。
「これからも、君の光が揺れる場所へ行くよ。」
こうして二人は、星潮の森の静かな輝きの中で、
新しい絆と、新しい道を見つけたのであった。




