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【推理〔文芸〕21位】霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
汚職

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第7話 アレクシスの盤上にて推理

霧都ヴァル・ロンドリアの夜。


静まり返った星霧探偵事務所。

窓の外では、街灯が霧にぼやけている。


机の上。

チェス盤に白と黒の駒。


燭台の炎が静かに揺れている。


アレクシスがゆっくりと駒を並べていく。


ミレイアとオズワルドは黙って見守っていた。


その時。


ドアが開く。


ガルム警部補が入ってくる。


コートに夜霧がついている。


ガルム警部補

「報告だ」


低い声。


机に書類を置く。


「秘書IDの使用ログが出た」


オズワルド

「秘書ID?」


ガルム警部補

「ロウニン事務所の電子錠だ」


「犯行時刻前後」


「秘書IDでドアが開けられている」


ミレイアが顔を上げる。


ガルム警部補は続ける。


「さらに」


「近隣の証言」


「犯行の一時間前」


「執務室から」


「言い争いの声」


オズワルド

「口論…」


ガルム警部補

「内容は聞こえなかった」


「だが」


「男女の声だったらしい」


静かな部屋。


ガルム警部補は言う。


「つまり」


「犯人は女性」


低く。


「内部人物の可能性がある」


アレクシスは何も言わない。


ただ


チェスの駒を動かす。


カチ。


■ ボーン(ポーン)


小さな駒。


アレクシスが前に置く。


「末端の存在」


「秘書」


「助手」


「子供」


オズワルドが言う。


「サイファー…」


□ ポーン


もう一つの小駒。


アレクシス


「事件に巻き込まれた者」


「利用された存在」


ミレイア


「マーサ…の秘書ID」


✚ ビショップ


斜めに動く駒。


アレクシス


「宗教」


「思想」


「裏から動く者」


オズワルド


「モルガン神父」


♞ ナイト


飛び越える駒。


アレクシス


「常識外の動き」


「予測不能」


ミレイア


「ドクター・ハロルド」


♖ ルーク


直線の駒。


アレクシス


「権力」


「組織」


オズワルド


「白亜党」


♕ クイーン


最強の駒。


アレクシス


「政治の中心」


「影響力」


ミレイア


「バルク議員」


最後にアレクシスは


中央に置く。


♚ キング


「ロウニン」


沈黙。


燭台の火が揺れる。


ガルムが言う。


「整理しろ」


アレクシスはゆっくり言う。


■犯行可能な条件


・秘書ID使用

・口論

・刺殺

・窓から脱出


アレクシスは駒を一つ動かす。


■ ポーン


サイファー。


「猿人は」


「腕が長いそして驚異的な握力200キロ~300キロ」


「片手でぶら下がり窓に届く」


ミレイアが言う。


「怒り」


「すごく強い」


オズワルド


「でも密室ですよ?」


アレクシスは言う。


「密室は」


駒を動かす。


「作れる」


ガルム


「どうやって」


アレクシスは


チェス盤の窓側に駒を置く。


「窓」


「銀ナイフ」


「猿人の腕」


静かな声。


「外から刺せる」


ミレイアの目が揺れる。


オズワルド


「じゃあ犯人は…」


アレクシスはまだ言わない。


ただ


チェス盤を見る。


霧都ヴァル・ロンドリア。


チェスのように動く


政治と陰謀。


アレクシスが静かに言う。


「まだ」


「一手足りない」


燭台の炎が揺れた。


その時。


ミレイアが小さく言う。


「……待って」


全員が見る。


ミレイア


「この事件」


「怒りだけじゃない」


静かな声。


「誰か」


「利用してる」


アレクシスの目が細くなる。


「そうだ」


駒を見つめる。


♞ ナイト ドクター・ハロルド。


アレクシス


「ゲームはまだ終わっていない」


霧の街で次の一手が


静かに動き始めていた。


アレクシスの瞳がチェス盤を見据える。


「謎は解けた、チェックメイトだ」

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