第4話 人狼政治家 ロウニンの秘密
星霧探偵事務所。
夜。
机の上には書類の山。
オズワルドが紙を広げている。
「……あった」
低く呟く。
その目が輝く。
「これは……」
扉が開く。
アレクシスが戻ってくる。
ミレイアも後ろにいる。
アレクシス
「どうだった」
オズワルドは振り向く。
顔が興奮している。
「師匠」
「ロウニン議員」
「やばいです」
ミレイア
「何が?」
オズワルドは書類を机に叩く。
「献金です」
「それも」
紙を指で叩く。
「怪人家族連合会」
空気が止まる。
アレクシス
「怪人宗教か」
オズワルドは頷く。
「ええ」
「しかも」
「額が普通じゃない」
書類をめくる。
「三年前から」
「毎年」
「何億ものお金が流れてます。」
ミレイア
「そんな…」
オズワルドは得意そうに笑う。
「いやー」
「大変でしたよ」
「教団の幹部と酒飲んで」
「信者とカードゲームして」
「説法まで聞いて」
肩をすくめる。
「僕の自慢のコミュニケーション能力」
「フル稼働です」
ミレイアが苦笑する。
「よく潜り込めたね」
オズワルド
「信者って」
「意外と喋るんですよ」
紙を広げる。
そこには献金記録
そして
政治献金ルート
アレクシスは読む。
怪人家族連合→ ロウニン後援会
さらに。
あるメモ。
オズワルド
「これ見てください」
紙を差し出す。
そこには、こう書かれている。
怪人自治区政策
ミレイア
「……?」
オズワルド
「怪人票ですよ」
椅子に座る。
「ロウニンは」
「怪人側の政治家なんです」
「人間側の政治家じゃない」
アレクシス
「それを我々に隠していた」
オズワルド
「はい」
笑う。
「表では」
「人間と怪人の共存」
「理想政治家」
「平和の象徴」
そして肩をすくめる。
「でも裏では」
「怪人の宗教から多額の献金」
「怪人票の取り引き」
ミレイアは呟く。
「じゃあ…」
「白亜党と戦うのも」
オズワルド
「政治ですよ」
にやっと笑う。
「怪人側の代表として」
「人間至上党と対立」
アレクシスは静かに言う。
「政治の構図か」
オズワルド
「いやあ」
紙を叩く。
「善人づらして」
「とんでもない奴ですよ」
ミレイア
「でも街を守りたいって…」
オズワルド
「政治家の言葉ですよ」
「全部、嘘と計算」
少し考えて言う。
「師匠」
「これ」
「もし白亜党に知られたら」
「爆弾ですよ」
アレクシスは窓を見る。
霧の街。
ロウニンの言葉を思い出す。
「この街を守りたい」
アレクシスは呟く。
「守りたいのは街じゃない」
オズワルド
「票ですか」
アレクシス
「権力だ」
ミレイアは小さく言う。
「私ロウニンさんから変な感じがした」
「優しいけど。どこか本当じゃない」
オズワルド
「政治家の笑顔ですね」
アレクシスは書類を閉じる。
「だが」
「まだ事件じゃない」
オズワルド
「え?」
アレクシス
「政治の汚さは」
「罪にならない」
ミレイア
「……」
その時。
遠くで鐘が鳴る。
夜の街。
どこかで
何かが動いている。
この秘密は
やがて
血を事件を呼ぶことになる。




