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【推理〔文芸〕21位】霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
吸血鬼歌劇場連続殺人

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第7話 盤上での推理

夜。

星霧探偵事務所。


応接間。

燭台の炎が、静かに揺れている。


中央の卓上にはチェス盤。

白と黒が、整然と並ぶ。


アレクシスは静かに駒を並べていた。


オズワルド

「ついに犯人がわかったんですね」


ミレイア

「……」


アレクシス

「まだ推理の最終段階だ」


指で♚キングを叩く。


♚ キング


アレクシス

「ヴァル・オペラ劇場」


巨大な舞台。


回転舞台。

昇降機。

霧装置。

血液装置。


アレクシス

「この事件の盤面だ」


アレクシスは駒を一気に置く。


♕ クイーン

♖ ルーク

♞ ナイト

■ ボーン

✚ ビジョップ


オズワルド

「全部出ましたね」


アレクシス

「では」


「動かす」


まずポーン。


■ エリザ・フェルナン


アレクシス


■ポーンを前に出す。


「衣装デザイナー」


「舞台装置には触れない。衣装の着せ替え演劇者との目撃証言が多数あり。」


ポーンが倒れる。


「犯行不可能!」


♖ ヘンリー・ヴァイス


アレクシス


♖ルークを盤の端に置く。


「舞台機械主任技師」


「劇場の機械はすべて彼の管轄」


オズワルド

「回転舞台」


ミレイア

「昇降機」


アレクシス

「血液装置」


♖ルークが横に動く。


アレクシス

「つまり」


「装置を触っても怪しまれない人物」


オズワルド

「演出ですね」


アレクシス

「その通り」


アレクシス


さらに♖ルーク駒を進める。


「舞台装置を改造する能力」


「これも満たしている」


ミレイア

「技師ですから」


オズワルド

「むしろ一番できる」


アレクシス

「だが」



♖ルークを止める。


「ここで次の条件だ」


紙に書く。


舞台演劇中に自由に動ける人物


オズワルド

「ヘンリーも動けるのでは?」


アレクシス

「いや」


♖ルークを機械室に置く。


「主任技師は」


「操作席に張り付く」


「犯行不可能!」


■ ヴィクトル・ハイド


■ポーンが前へ。


アレクシス

「劇団マネジャー」


「舞台機械には関与しない。演劇中に舞台に出入りしない。」


ポーンが倒れる。


「犯行不可能!」


♞ アルベルト・カリーニ


♞ナイトが跳ねる。


アレクシス

「スター歌手」


「舞台中央に立つ演技者」


「だが」


「機械装置には触れない」


ナイトが倒れる。


「犯行不可能!」


♞ ユリウス・カール


♞ナイトが跳ぶ。


アレクシス

「指揮者」


「音楽の人間」


「だが」


「舞台裏を歩き回る立場ではない。指揮者として舞台の下で待機」


♞ナイトが倒れる。


「犯行不可能!」


残る駒。


♕ 伯爵

♖ 舞台監督

✚ 作曲家


ミレイア

「残りは、三人」


アレクシス

「ここからが重要だ」


駒を大胆に動かす。


♕ ヴァルド・ドラクロワ伯爵


♕クイーンが大きく動く。


アレクシス

「劇場スポンサー」


「だが」


「舞台裏で装置を触る理由がない」


「また複数の人から席に座っていたとの目撃証言がある。」


♕ クイーンが盤外へ。


「犯行不可能!」


残る二つ。


♖ ルーク

✚ ビショップ


オズワルド

「舞台監督と作曲家」


アレクシス

「次の条件」


紙に書く。


舞台演劇中に自由に動ける人物


♖ クラウディア・ノクト


♖ルークが動く。


アレクシス

「舞台監督で確かに動ける」


ミレイア

「でも」


「吸血鬼です」


アレクシス

「そう、その通り。」


♖ルークが止まる。


「吸血鬼排斥組織に入る理由がない」


ルークが倒れる。


「動機が不十分」


盤上に残る駒。


✚ ビショップ


ルシアン・ヴァレンティ。


オズワルド

「作曲家の先生」


アレクシス


✚ ビショップを斜めに動かす。


「ビショップは斜めに進む」


「遠回りの動き」


✚駒が盤を横断する。


アレクシス

「舞台演劇中」


「音楽は常に流れている」


「作曲家は」


「舞台裏を歩き」


「演出と音を確認する」


ミレイア

「怪しまれない」


アレクシス

「さらに」


駒を進める。


✚ビション → ♞ナイト → ♖ルーク → 客席


「この殺人は」


「音を使ったトリック」


オズワルド

「注射針が刺さる瞬間」


ミレイア

「音楽のクライマックス」


アレクシス

「その瞬間に」


「椅子の装置が作動する」


静かに言う。


「音を理解し」


「舞台装置のタイミングを把握できる人物」


駒がキングへ迫る。


✚ルーク → ♚キングへ移動


アレクシス

「そして」


「もう一つ」


ガルム警部補の資料を置く。


アレクシス

「新聞記者モーリス」


「彼は」


「舞台後に」


「ある人物と会う約束をしていた」


オズワルド

「組織の構成員」


ミレイア

「ヴァンパイヤーハンター革命軍」


アレクシス


ビショップをキングの前に置く。


✚ビショップ


「吸血鬼に恨みを持ち」


「舞台装置を改造でき」


「演劇中に動き回れ」


「音のトリックを理解できる」


沈黙。


アレクシス


ゆっくり言う。


「人物は」


「彼しかいない」


オズワルド

「……」


ミレイア

「……」


アレクシス

✚ ビショップで♚キングを倒す。


コトン。


アレクシスは静かに言う。


「謎は解けた」


そして


チェス盤を見つめて告げる。


「チェックメイトだ」



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