第6話 動機の解明
夜。
星霧探偵事務所。
机の上には
劇場の図面と資料が広がっている。
オズワルド
「トリックはわかりました」
「舞台装置と椅子の注射機の圧力発射」
「人間だけ死ぬ毒入り人工血液」
ミレイア
「でも……」
静かに言う。
「動機がまだです」
アレクシスは椅子に座り
考え込んでいる。
アレクシス
「この事件は」
「単なる殺人ではない」
ミレイア
「計画事件……」
アレクシス
「そう」
その時。
扉が開く。
ガルム警部補
「新しい情報だ」
資料を机に置く。
古い新聞。警察資料。
ガルム警部補
「新聞記者モーリス」
「奴はある組織を追っていた」
オズワルド
「組織?」
ガルムが言う。
「ヴァンパイアハンター革命軍」
部屋の空気が変わる。
ミレイア
「吸血鬼排斥組織……」
ガルム警部補
「そうだ」
資料をめくる。
ガルム警部補
「人間至上主義」
「吸血鬼社会を破壊することが目的」
オズワルド
「過激ですね」
ガルム警部補
「さらに危険なのは」
静かに言う。
「連中は」
「革命を狙っている」
ミレイア
「革命……」
ガルム警部補
「計画はこうだ」
指で資料を叩く。
ガルム警部補
「人間を犠牲にする」
オズワルド
「え?」
ガルム警部補
「吸血鬼の社会で」
「人間が殺される事件を起こす」
ミレイア
「それで……」
アレクシス
「対立を煽る」
ガルム警部補
「そうだ」
「人間社会は怒る」
「吸血鬼社会は動揺する」
「その混乱の中で」
静かに言う。
「革命を起こす」
沈黙。
オズワルド
「じゃあ……」
「ソフィアは」
ミレイア
「犠牲……」
アレクシス
「計画の一部だ」
ガルム警部補
「さらにもう一つ」
資料を出す。
「モーリスは」
「組織のメンバーを追っていた」
オズワルド
「犯人?」
ガルム警部補
「その可能性が高い」
ミレイア
「つまり」
「劇場の関係者の中に」
ガルム警部補
「いる」
アレクシスは静かに言う。
「すでに」
「候補は絞れている」
オズワルド
「え?」
アレクシス
「舞台装置」
「音楽のタイミング」
「劇場の構造」
一つずつ言う。
「これらを理解している人物」
ミレイア
「……」
アレクシス
「さらに」
「革命思想を持つ者」
ガルム警部補
「名前は?」
アレクシスは答えない。
代わりに言う。
「舞台で会いましょう」
オズワルド
「劇場?」
アレクシス
「犯人は」
静かに言う。
「舞台で殺した」
ミレイア
「……」
アレクシス
「だから」
「舞台で終わらせる」
ガルム警部補が頷く。
ガルム警部補
「全員を呼び出す」
オズワルド
「ついに……」
アレクシスが立ち上がる。
「最終幕です」
窓の外。
霧の街。
そして遠くに見える
ヴァル・オペラ劇場。
巨大な赤い幕が
静かに最後の舞台を待っていた。




