第4話 ミレイアの感知能力
星霧探偵事務所。
窓の外では霧都が燃えている。
遠くで爆発。
銃声。
怒号。
都市は完全に戦場になっていた。
その時
ミレイアが突然
胸を押さえる。
「……っ」
体が震える。
アレクシスが振り向く。
「秘書どうした!?」
彼女は苦しそうに言う。
「……感じる」
「街の魔力が…」
彼女の瞳が青く光る。
普通の人間ではない。
ミレイアは共感型魔導感応体質。
人の感情。
魔力。
都市の流れ。
それらを直接感じ取る力を持っている。
彼女は震えながら言う。
「霧都の魔力が…」
「吸い上げられてる…」
オズワルドが驚く。
「吸われてる?」
ミレイアは目を閉じる。
霧都の魔力の流れを感じ取る。
吸血鬼地区。
人狼地区。
魔女地区。
ゴーレム港。
すべての魔力が一つの方向へ
引き寄せられている。
そして彼女は目を見開く。
「黒い石碑は…」
アレクシスが静かに聞く。
「どこだ」
ミレイアは言う。
「霧都の結界の心臓を」
「利用してる!」
「結界の魔力を…」
「逆利用してる!」
つまり。
霧都の結界は都市を守るための装置。
しかし今は
逆に
都市の魔力を吸い上げる装置
にされている。
ミレイアは震える声で言う。
「このままだと…」
「街の魔力が全部…」
「持っていかれる」
その時
事務所の扉が勢いよく開く。
オズワルドが息を切らして入ってくる。
「師匠!」
「聞き込み終わりました!」
アレクシス
「報告しろ」
オズワルドは言う。
「街の暴動を煽ってるのは」
「白亜党の連中です!」
「それと」
「怪しい大型輸送があった」
アレクシスの目が細くなる。
「どこだ」
オズワルド
「白亜党議員会館」
「数日前」
「巨大な石を運び込んだらしいです。」
ミレイアが震える。
「石…」
オズワルドは続ける。
「運搬は軍の護衛付き」
「普通じゃありません」
アレクシスは静かに椅子に座る。
そして
チェス盤を取り出す。
駒を並べる。
♚キング。
♕クイーン。
♞ ナイト。
♖ルーク。
✚ビショップ。
アレクシスの推理
アレクシスは
ゆっくり話し始める。
「歌劇場事件」
■ポーンを一つ倒す。
「魔女裁判」
もう一つ倒す。
「魔導列車殺人」
■ボーンさらに倒す。
「人狼議員暗殺」
■ボーン駒が倒れる。
「怪人失踪殺人事件」
■ボーンを倒す
アレクシスは言う。
「すべては、」
「都市の魔力を動かすための実験の事件だった」
ミレイアが頷く。
「だから」
「霧都の結界の魔力が弱っていた」
アレクシスは
最後の駒を持つ。
「そして」
「最後の装置」
彼は駒を置く。
白亜党。議員会館。
アレクシスは静かに言う。
「この暴徒の元凶である黒い石碑は」
「そこにある」
沈黙。
ミレイアが震える。
「じゃあ…」
「街を狂わせてるのは」
アレクシスが答える。
「ドクター・ハロルド」
窓の外。
霧都は燃えている。
そしてアレクシスは立ち上がる。
コートを羽織る。
帽子をかぶる。
そして言う。
「行くぞ」
「白亜党の議員会館だ」
オズワルド
「え?」
アレクシス
「♚キングの城だ」
ミレイアが静かに頷く。
霧都の運命をかけた
最終推理の答え。
そして物語はついに最終決戦へ。




