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【推理〔文芸〕21位】霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
影の蒸発

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第8話 時計台の閃光

霧都ヴァル・ロンドリアの夜。


濃い霧。

中央広場。

石畳の真ん中に


ガルム警部補。


肩には巨大な鏡。

古い理髪店の鏡を借りてきた。


遠く。


空にそびえる二つの塔。


電波塔と中央時計台。


通信魔導石よりアレクシスの声。


「ガルム警部補」


「時計台の建物は位置は、視えますか」


ガルム


「角度は分かってる」


彼は鏡を地面に立てる。


霧の中で静かに待つ。


ミレイアが震える。


「来る…」


オズワルド


「光の線だ」


その瞬間。


轟音。


電波塔より。


巨大なレンズが回転する。


そして。


時計台。


同じ装置。


水晶の魔導炉が唸る。


時計台の屋上。


エリザ・クレイド。


銀の眼鏡。

冷たい瞳。

彼女は静かに言う。


「怪人整理消去兵器」


「起動」


装置が唸る。


魔導炉が白く輝く。


空気が震える。

彼女は広場を見る。


「ガルム警部補」

「警察の怪人」

「排除」


彼女はレバーを引く。


ドォォォォォン!!


二つの塔から同時に光線が発射される。


電波塔。

時計台。

巨大な光。


霧を裂く。

空気が焼ける。

光が広場に落ちる。


ミレイアが叫ぶ。


「ガルム警部補 光が来ます!!」


ガルム警部補は肩より鏡を持ち上げる。


「来い!」


光が直撃。


閃光。


しかし


次の瞬間。


光が跳ねる。


鏡が光を完全に反射する。


ガルム警部補


「うおおおお!」


反射した光が


空へ跳ねる。


そしてもう一本の光と


衝突する。


爆発。


夜空に巨大な光。


次の瞬間。


反射した光が


そのまま


時計台へ直撃する。


時計台は音を鳴らす!

ゴォォォォォン!!ゴォォォォォン!!

ゴォォォォォン!!ゴォォォォォン!!

ゴォォォォォン!!ゴォォォォォン!!



時計台の屋上が吹き飛ぶ。


石が砕ける。


巨大な歯車が弾け飛ぶ。


窓が粉々になる。

塔が揺れる。


エリザの目が見開かれる。


「な…」


「何!?」


爆煙。


炎。


ドガァァァン!装置が暴走する。


魔導炉が唸る。


ドガァァァン!!


二発目の爆発。


屋上が崩壊する。

石の塊次々とが落ちる。

歯車が回転しながら飛ぶ。


霧都の夜に巨大な火柱。


ミレイア


「時計台が…!」


オズワルド


「崩れる!!」


時計台より崩れた屋上。

瓦礫の中。


エリザが立ち上がる。


髪が乱れる。

眼鏡が歪む。

彼女は震えている。


「……馬鹿な」


「この兵器は」


「怪人を焼く軍事兵器だ」


その時。

彼女の胸元が光る。

通信魔導石。


石が光る。


声。


「やぁエリザ」


聞き慣れた声。

ドクター・ハロルド。


エリザ


「ドクターこれはどうい事だ!」


ハロルドの笑い声。


「素晴らしい」


「実に素晴らしい」


エリザ


「何を言っている!」


「装置が破壊された!」


ハロルドは笑う。


「光の反射 、神話のメドューサの鏡の盾ですよ。」


一拍。


「予想通りです」


エリザの顔が凍る。


「……何?」


ハロルド


「鏡」

「光」

「角度」

「計算通り」


沈黙。


エリザ


「……まさか、裏切ったのか!」


ハロルド


「あなたは」


一拍。


「実験体です」


爆発。


装置がさらに崩れる。


エリザの顔が怒りで歪む。


「ドクター!!」


彼女の咆哮。


「貴様ァァァ!!」


彼女は通信石を握り潰しそうな勢いで叫ぶ。


「私は霧都を救うために!」

「怪人を!」

「怪人を駆除するために!」


彼女は空へ叫ぶ。


「怪人ども!!」

「この街を食い荒らす化け物め!」

「人間の皮を被った寄生虫!」

「貴様らのせいで!」

「霧都は腐った!!」


彼女は笑う。


狂ったように。


「そして!]


「ドクター!!」


「お前も怪人だ人間の皮を被った怪人だ!!」


通信石から


ハロルドの声。


静かな声。


「いいえ」


一拍。


「私は人間の科学者です」


塔が揺れる。


ゴゴゴゴゴ……


時計台が


崩れ始める。


下にはアレクシス

ミレイア、オズワルド


三人が見上げる。


エリザは縁へ下がる。


霧の街。

彼女は笑う。


「怪人」

「ドクター」

「探偵」

「全部同じだ」


彼女は叫ぶ。


「この街は」

「腐っている!!」


崩壊。


石が落ちる。


塔が割れる。


エリザは


最後に空を見る。


そして空中へと身を投げた。


落下。


霧の中へ。


その瞬間。


時計台が


完全崩壊。


ドォォォォォン!!!


巨大な爆発。


石と炎が空へ吹き上がる。


霧都の夜空に


巨大な火柱。


反射した光が空で弾け


ゆっくり消える。


広場。


沈黙。


アレクシスが空を見る。


そして呟く。


「ドクター・ハロルドこれが貴様の描いたシナリオか」


遠く。


霧の屋上。

白衣の男。


ハロルドが笑う。


「♕クイーンの崩壊、いいゲームでした。」


霧の中で。天才と天才の戦いが

最悪の結末の局面へ進んだ。

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