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【推理〔文芸〕21位】霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
魔導鉄道レム=エクスプレス殺人

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第6話 魔導列車の秘密

魔導列車レム=エクスプレス。


食堂車両。


窓の外には霧都の夜。


重い沈黙。


テーブルの上には列車の設計図。


イリーナの手が震えている。


イリーナ


「そんな……」


「私の研究は」


「蒸気圧効率の改良です」


「兵器なんて…設計図が変わってる。」


ガルム警部補


「だが現実は違う」


彼は図面を指す。


蒸気管。

密閉車両。

拡散構造。


ヴォルフ少佐が言う。


「これは軍事設計だ」


イリーナは顔を覆う。


「利用された…」


オズワルド


「つまり」

「この列車は」


ガルム


「兵器輸送装置」


沈黙。


霧の中を

列車は走る。


その時。


アレクシス・グレイヴンが

静かに言う。


「まだです」


全員が彼を見る。


ミレイア


「まだ?」


アレクシス


「この事件」


「まだ何か足りない」


ガルム


「何がだ」


アレクシスは設計図を指す。


「この規模の列車」


「魔導炉」

「特殊蒸気管」

「密閉結界」


一拍。


「莫大な資金が必要です」


オズワルド


「確かに」


「研究者だけじゃ無理だ」


アレクシス


「軍も」

「簡単には動かない」


ヴォルフ少佐が腕を組む。


「そうだ」

「軍の正式計画ではない」


ミレイア


「じゃあ」


「誰が…?」


アレクシスは言う。


「資本です」


沈黙。


アレクシス


「巨大な計画の裏には」


「必ず資本がある」


彼はテーブルの書類をめくる。


契約書。


融資証書。


投資契約。


アレクシスの指が止まる。


「ここです」


ガルム


「何だ」


アレクシス


「魔導鉄道会社」


「設立時の資金」


オズワルド


「スポンサー?」


アレクシス


「そう」


ミレイア


「誰なの?」


アレクシスは紙を机に置く。


そこに書かれていた名前。


ダルゴ・マーシャル


沈黙。


ガルム


「投資家…」


オズワルド


「やっぱり金か」


その時。


背後から声がする。


「その通り」


振り向く。


そこに立っていたのは


ダルゴ・マーシャル。


葉巻をくわえ

ゆっくり拍手している。


ダルゴ


「見事だ」


「名探偵」


アレクシスは静かに見る。


ダルゴは言う。


「世界は」


「理想では動かない」


彼は椅子に座る。


「資本で動く」


ミレイア


「あなたが」


「この列車を?」


ダルゴは笑う。


「私は投資しただけだ」


「未来に」


アレクシス


「未来?」


ダルゴ


「戦争は儲かる」


静寂。


ガルム


「最低だな」


ダルゴは肩をすくめる。


「秩序は金で作られる」


アレクシスは静かに言う。


「ですが」


「まだ一つ足りない」


ダルゴ


「ほう?」


アレクシス


「資本」


「研究」


「軍」


一拍。


「だが」


「この列車の構造を作った人物」


沈黙。


ミレイア


「設計者…」


アレクシス


「そう」


彼は設計図を見る。


「この人物こそ」


「全てを知っている」


窓の外。


霧の中を列車は走る。


その影の奥で。

静かにこの事件の黒幕が笑っていた。

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