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【推理〔文芸〕21位】霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
魔導鉄道レム=エクスプレス殺人

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第2話 走る列車の密室

悲鳴のあと。


黒い魔導列車

レム=エクスプレスは止まらない。


霧の中を静かに走り続けている。


個室車両。


椅子に座ったままの男。


魔導工学者

アルトゥール・レンブラント。


ガルム警部補が腕を組む。


「すでに死んでいる。」


ドアを指差す。


「内側から施錠」


ミレイアが壁に触れる。


青い魔法陣が浮かぶ。


「魔導結界が作動しています」


オズワルドが窓を見る。


「窓も完全封印!」


ガルム


「さらに監視魔導石」


天井の水晶が淡く光る。


「誰も出入りしていない」


ガルムは低く言う。


「つまり」


「完全密室だ」


食堂車。


乗客が集められる。


この事件の容疑者。


① 鉄道会社社長

グラハム


② 魔導技師

イリーナ


③ 投資家

ダルゴ・マーシャル


④ 軍人

ヴォルフ少佐


⑤ アクションスター

ジャッキーチョン


ジャッキーは困った顔をする。


「いや〜」


「映画じゃなくて本当の事件か」


オズワルドが小声で言う。


「なんでこの人いるんだ」


ミレイア


「次の列車殺人映画の宣伝ゲストらしいです…」


ガルム警部補が言う。


「検死の結果」


「死因は神経毒」


ざわめき。


しかし。


ガルムは続ける。


「だが問題がある」


アレクシス


「その毒が見つからない」


ガルムは頷く。


「その通りだ」


「飲み物」


「食事」


「部屋の中」


「全部調べた」


「毒はどこにもない」


沈黙。


その時。


椅子に座っていた男が笑う。


白衣。

銀眼鏡。


ドクター・ハロルド。


「実に興味深い」


彼はゆっくり言う。


「密室」


「毒殺」


「そして」


「毒の消失」


彼は楽しそうにアレクシスを見る。


「名探偵」


「どう思う?」


アレクシスは落ち着いて言う。


「まだ何も」


オズワルド


「え?」


アレクシス


「毒がどこから入ったか」


「それすら分かっていない」


ガルム警部補


「つまり?」


アレクシス


「まず」


「遺体を詳しく調べる必要があります」


ハロルドが微笑む。


「いいね」


「非常に科学的だ」


彼は椅子に背を預ける。


「毒は」


「三つの方法で入る」


指を立てる。


「食事」


「注射や傷」


「吸入」


ミレイア


「でも」


「食事には毒がない」


ガルム警部


「注射痕や傷もない」


ハロルド


「なら残るのは」


アレクシスが言う。


「まだ分かりません」


ハロルドは楽しそうに笑う。


「慎重だ」


「実に君らしい」


そして少し身を乗り出す。


「だが」


「私は一つだけ言える」


アレクシス


「何です」


ハロルド


「この殺人は」


「計画的だ」


沈黙。


ハロルド


「偶然では起きない」


「密室」


「毒」


「走る列車」


彼は笑う。


「これは」


「美しい設計だ」


オズワルド


「設計…?」


アレクシスは小さく呟く。


「設計…」


その言葉に


ハロルドの口元がわずかに歪む。


まるで、何かを知っているように。


ガルム


「とにかく」


「遺体を詳しく調べる」


「毒の入り方が分かれば」


「犯人も見える」


アレクシスは頷く。


「ええ」


「この事件の鍵は」


「そこにあります」


ハロルドが微笑む。


「楽しみだ」


「名探偵」


「君がどこまで気づくか」


黒い列車は霧の中を

ただ走り続けていた。

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