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【推理〔文芸〕21位】霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
魔女裁判

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第5話 地下魔女裁判

シュトレゴイカバール。


霧の谷。


夜になると、この村はさらに暗くなる。


教会の鐘が鳴った。


――ゴォォォン


その音は地上だけではなく、


地下へと響いていた。


村の地下。


古い石の階段。


松明の火。


湿った空気。


その奥に、


巨大な空間があった。


地下礼拝堂。


中央には円形の石壇。


その周囲を囲むように、


白いローブの男たちが並んでいる。


胸には同じ紋章。


白亜党。


そして。


石壇の上には、


一人の女性が縛りつけられていた。


狼耳の怪人女性。


鎖。


銀の杭。


恐怖で震えている。


村の男たちが叫ぶ。


「魔女だ!」


「邪悪な怪人だ!」


「人間社会の敵!」


その中央に、


ゆっくりと歩いてくる男がいた。


黒い司祭服。

長い杖。

深い皺の刻まれた顔。


モルガン神父。


彼はゆっくりと壇に立つ。


そして、


静かに言った。


「諸君」


低い声。


地下に響く。


「今夜」


「我々は神の正義を執行する」


村の男たちが頷く。


神父は怪人女性を見る。


「お前は」


「魔女である」


女性が叫ぶ。


「違う!」


「私は村の薬師よ!」


神父は微笑んだ。


「黙れ! しゃべるな」


杖で床を叩く。


ゴン。


「怪人の言葉など」


「真実ではない」


群衆が叫ぶ。


「処刑だ!」


「魔女を焼け!」


モルガン神父は静かに頷いた。


「判決」


「火刑」


女性が泣き叫ぶ。


そのとき。


地下礼拝堂の奥。


暗闇の柱の影で、


一人の男がそれを見ていた。


若い男。

フード。

軽い身のこなし。


オズワルド。


彼は小さく呟いた。


「……狂ってる」


そして、


神父の言葉を聞いた。


モルガン神父は言った。


「これは始まりだ」


ゆっくり言う。


「魔女裁判は」

「再びこの村で復活した」


白亜党の男たちが歓声を上げた。


その時。


オズワルドは気づいた。


礼拝堂の奥。


鉄の扉。


そこから


かすかな声が聞こえる。


女性の声。


泣き声。


オズワルドの目が変わった。


「……牢屋か」


彼は暗闇の中を進む。


静かに。


音もなく。


扉の小窓を覗いた。

そして

息を呑んだ。

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