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霧都ヴァル・ロンドリア探偵事件簿ー怪物に戸籍のある街で  作者: 虫松
首吊る部屋

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10/40

第3話 容疑者プロファイリング

霧都ヴァル・ロンドリア。

霊術師アルバート・クロウリー密室死亡事件。


アレクシス・グレイヴンは新たな人物関係図を机上に描き直す。

レイア・ルーンベルは感情の残滓を拾い、

ガルム警部補は物理的可能性を検討する。


① 娘:リディア・クロウリー(人間)

立場:被害者の一人娘

関係:研究に強く反対していた


■ 動機

父の危険な霊術実験への反発

唯一の遺産相続人

研究中止を巡り激しい口論あり


■ アリバイ

午後九時、友人宅にいたと主張

友人も証言

ただし移動時間に約20分の空白


ミレイアが感じた感情


強い恐怖

そして“罪悪感”


ミレイア


「自分を責めています……でも、殺意とは少し違う」


アレクシスの所見


恐怖は“父そのもの”へのものか、“事件”へのものか未確定。


② 弟子:エヴァン(半霊体質)

立場:被害者の高弟

特性:半霊体質(霊気干渉能力が高い)


■ 動機

研究成果を横取りされた可能性

師に霊術の不正を疑われていた

協会発表目前で対立


■ アリバイ

事件時刻、地下霊室で修行と主張

結界記録は作動履歴あり

だが単独での修行のため目撃者なし


ミレイアが感じた感情


怒り

嫉妬

抑圧された焦燥


ミレイア 「……この人、ずっと否定されてきた」


アレクシス 「霊気を操れるなら、“演出”は可能だ」


※ただし物理的絞殺の力が十分かは未検証。


③ 競合霊媒師:マルコム・レイヴンウッド

立場:同業の著名霊媒師

関係:公然と対立


■ 動機

顧客争奪戦

協会内地位争い

過去に公開討論で敗北


■ アリバイ

当夜は貴族主催の舞踏会に出席

証言多数

9時前後も目撃されている


ミレイアが感じた感情

虚勢

強い焦燥


アレクシス


「焦ってはいるが、今夜の犯行機会は薄い」


※遠隔霊術の可能性は理論上あるが、密室内物理痕との整合性が弱い。


④ 使用人:老執事ハロルド

立場:三十年仕えた執事

関係:最近、解雇通告を受けた


■ 動機

長年の忠誠の否定

老後の不安

主人の人格変化への失望


■ アリバイ

午後九時、厨房にて食器整理

下働きが目撃証言

だが5分程度の不在時間あり


ミレイアが感じた感情


深い諦念

そして“守ろうとする意志”


ミレイア


「この人……誰かを庇っている感じがします」


アレクシス


「忠誠は時に、真実を歪める」


■ 現時点での整理


■ 物理条件

絞殺後に吊るされた可能性

二段階痕

足掻き痕なし

密室は内側から施錠

内部からの一時結界解除痕あり


■ 精神的要素

強い霊気は“増幅された可能性”

壁の“怨”は演出の疑い

遺書は筆圧変化あり


アレクシスの暫定分析


「犯人は」


彼は静かに言う。


「霊術を理解している」


「だが怪異に責任を押し付けたい人物だ」

そして付け加える。


「半霊体質というだけで犯人にはならない」


ガルム警部補が低く唸る。


「物理的殺害と霊的演出。両方が可能な人物か」


ミレイアは目を閉じる。


「この家には……まだ“本当の恐怖”が残っています」


犯人はまだ判明していない。

だが構図は整った。


次に崩れるのは、アリバイか。

感情か。

それとも密室そのものか。

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