第7話:最後の欠片(ピース)と、世界の王座
島の支配者
プライベートビーチに現れたバギーから降りてきたのは、日焼けした肌に勝ち気な瞳をした少女、**凛**だった。 彼女はこの一帯の土地を古くから所有する、地方財閥の末娘。地元では「小回りのきかない大人より賢い」と噂される、7人目のヒロインだ。
「あんたが、パパからこの浜を二倍の値段で買い叩いたガキ? 未来が見えてるみたいな買い方するって、パパが怖がってたわよ」
凛は俺の目の前まで歩いてくると、不遜に腕を組んだ。 まだ中学生か高校生かという若さだが、その背後にはこの地域の利権という強大な力が控えている。
「怖がる必要はない。俺はこの島を、数年後に来る『スマホ社会』の聖地に変えるつもりなだけだ」 「スマホ……? 何それ、新しい携帯のこと?」
俺はちひろが持っていた最新の試作端末を見せ、数年後の世界地図を彼女に提示した。 「凛、お前の家が持っている腐りかけたリゾート地を、すべて俺に預けろ。代わりに、お前の家を日本一の不動産王にしてやる」
「……はっ、大きく出たわね。でも、あんたのその目……嫌いじゃないわ」
凛の頬がわずかに上気する。彼女は退屈な地方の権力争いに飽き飽きしていた。 俺という「規格外の怪物」が現れたことで、彼女の魂に火がついたのだ。 「いいわ。アタシを飽きさせないって約束するなら、アタシの全部、あんたに投資してあげる」
これで、7人のヒロインがすべて揃った。
2006年の「王」の晩餐
その日の夜、島に建てたばかりの別荘のダイニングには、7人の美女たちが一堂に会していた。
料理を振る舞い、正妻の余裕を見せる結衣。
凛と不動産投資の議論を戦わせる美月。
サクラの新作MVの再生数を、ちひろと確認する冴子。
リナに最新のメイクを教わりながら、少し困り顔の真理恵先生。
かつて2026年の俺を苦しめていた「孤独」と「貧困」は、もうどこにもない。
「蓮、何ボーッとしてるの? ほら、あーんして!」 結衣がフォークを差し出してくる。 「ずるい! 次はアタシの番だよ!」とリナが割り込む。
彼女たちの笑い声を聞きながら、俺はシャンパンを喉に流し込んだ。 だが、俺の意識はすでに、数年後に迫る**『リーマンショック』**へと向かっていた。
「(世界が一度死に、富が再分配されるあの瞬間……俺は、この7人と共に世界の頂点に立つ)」
2026年への宣戦布告
食後、俺はテラスに出て夜風に当たった。 スマホ(の試作機)を取り出し、前世で俺を追い詰めた金融機関や、俺を捨てた連中のリストを眺める。
今の俺には、未来の知識、100億近い資産、そして各分野のスペシャリストである7人の女たちがいる。
「待ってろよ、2026年。今度は俺が、お前を支配してやる」
俺の「二度目の人生」は、まだ序章を終えたばかりだ。 これから始まるのは、一国の国家予算すら弄ぶ、究極の成り上がり劇。
「蓮くん、風邪引いちゃうよ?」 背後から、7人の誰かが俺の肩に上着をかけた。 俺はそれを引き寄せ、新しい夜明けを待つことにした。




