第11話:数兆円の神域と、七人との誓い
2021年、ビットコインの咆哮
時は流れ、世界は俺の予測通りに、そして俺の支配下で動き続けていた。 2021年。かつて「ゴミ」同然の価格でちひろに買い集めさせたビットコインが、ついに1枚600万円、700万円という狂気的な高騰を見せる。
「蓮……モニターの数字、もう読み上げられない。一、十、百、千……兆? ねえ、数兆円って、人間が持っていい金額なの?」
ちひろが震える指で画面を指す。 一円にも満たない時代から、数百万枚単位で抱え続けてきた「デジタル・ゴールド」。 ライブドアショック、リーマンショック、パンデミック……すべての危機を「買い場」に変えてきた俺の資産は、もはや一国の国家予算に匹敵する、数兆円規模の神域に達していた。
「ああ。これで世界を、俺たちの望む形に塗り替えられる」
俺はちひろの頭を優しく撫でた。 俺はこの莫大な資金を使い、GAFAの主要株主となり、エネルギー、食料、医療の基幹インフラを次々と手中に収めていった。 もはや、俺の許可なくして世界経済は回らない。
「一夫多妻」の法を越えた楽園
これだけの権力を手に入れた俺にとって、現代の法律などただの「古いルール」に過ぎなかった。 俺は地中海にある自らの領土において、独自の法を制定。 そして、ついに7人のヒロイン全員との**「誓い」**を立てることにした。
島の中央に建てられた、純白の神殿。 そこには、純白のドレスに身を包んだ7人の花嫁がいた。
涙を浮かべながら、幼い頃からの約束を果たした結衣。
「これからは、ビジネスではなく愛で繋がるのね」と微笑む美月。
「蓮の横はアタシの特等席だから」と胸を張るリナ。
世界的な歌姫となり、俺のためだけに愛の歌を捧げるサクラ。
100兆円規模の資産管理を任され、公私ともにパートナーとなった冴子。
世界を救う医療ネットワークを完成させ、穏やかに微笑む真理恵先生。
島の「女王」として、俺の隣で凛として立つ凛。
「蓮、幸せすぎて……死んじゃいそうだよ」
結衣の言葉に、俺は7人全員を引き寄せ、力強く抱きしめた。 「死なせない。2026年、俺が地獄を見たあの未来はもう来ない。俺たちが作る、終わらない黄金の時代が続くんだ」
2026年、運命の当日
そして、時計の針はついに2026年1月を指した。 前世の俺が絶望し、心臓を止めたあの土砂降りの夜。
今の俺は、世界一高いビルの最上階、豪華絢爛なペントハウスにいた。 窓の外には土砂降りの雨。だが、部屋の中は暖かく、7人の妻たちの笑い声と、彼女たちが産んでくれた子供たちの足音が響いている。
「パパ、遊ぼう!」 「蓮、シャンパンの用意ができたわよ」
俺の手元にあるタブレットには、前世で俺を破滅させた投資案件や、不況のニュースが流れている。 だが今の俺は、それらすべてを笑い飛ばせるだけの「力」がある。 いや、それどころか、俺はこの日のために「仕掛けて」おいた。
前世で俺を苦しめた不況そのものを、俺の資金力で「解消」し、世界を未曾有の好景気へと導いていたのだ。 復讐は終わった。今、俺は運命そのものを完全に捩じ伏せた。
「……終わったな」
俺はグラスを傾け、窓に映る自分の姿を見た。 そこには、絶望に震える38歳の男ではなく、すべてを手に入れた「世界の王」としての俺が立っていた。
「蓮様? 何か考え事?」 美月が後ろから抱きついてくる。 「いや……最高の人生だったと思ってね」
俺は愛する女性たちの手を取り、輝かしい未来へと続く長い夜へと踏み出した。 金も、女も、地位も。 すべては、俺の「知識」と「欲望」の結末だった。
【逆行転生:佐藤蓮の再演 —— 完結】




