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ぎゃっぷ  作者: Yuyu
3/5

風俗嬢との結婚

「では、私はここで失礼します」


そう背後で男性の店員が言っているが、俺の耳には入ってこなかった


後ろで扉が閉められると、嬢と俺だけの二人きりになる


だが、俺はそれどころじゃなかった


「か、かわいい」


俺は目の前の嬢に一目惚れしていたのだ。清楚そうな見た目なのに、グラビアアイドル並みの胸。なのにスタイルはモデルかくやというところだ。はっきり言って、もっと高級な店で働いていてもおかしくはない容姿だった


「こんにちは可憐です。こちらにどうぞ」


そう言う彼女、可憐に言われて備え付けられているベッドに座る


「今日は何で指名してくれたの?」


「えっと、今日急に予定が空いちゃって、ここのホームページ見たら直感で君としたいなって」


彼女、可憐の直球な質問に俺は素直に答えていく


なるほど、確かに評判通り愛想があまりない子のようだ


「へぇ、文人ってこういうところで結構遊んだりするの?」


「いや、大学のとき以来だ…よ?あれ?俺名前言ったっけ?」


そう言うとイタズラが成功した子どものように可憐が笑う


「あは、気づかないの?」


「えっ、え!?だ、誰ですか?俺の知り合いとか!?」


まさかの俺のことを知っているようだった。だが、こんなかわいい子俺の知り合いにはいない。付き合ったことのある女性や友人や知人だった女性にも該当する人物はいない


「えー、やっぱ気づかないか。もう15年くらい前かな、文人裏山に秘密基地作っていたでしょ?」


確かに俺は中学2年生のころ、この時期にかかる特殊な病を患っていて、一人で活動出来る拠点が欲しかったのだが、それを実家の裏山に秘密基地を作ることで解決させていたのだ


「確かに俺が中学2年くらいのときに拾ってきた廃材で作ったな。でも何であんたがそれ知ってるんだ」


「うーん、当ててみて?」


「無理」


「あはは、降参早いって笑」


「そんな昔のこと、覚えてるわけないだろ。アラサー舐めんなよ」


「まぁいいや。教えてあげる。あれは文人が忍者漫画の技を練習しているときだったかな?そのとき、一人の子どもが声かけたの覚えていない?」


俺の早く教えろという遠回しな言い方に、可憐は笑いつつも答えを教えてくれる


「子ども?っていうか、俺が螺旋○とか雷○を練習してたの見てたってことか!」


「うん、見てたよ。それでどう?思い出さない?」


「子ども…子ども子ども子ども子ども子ども子ども子ども」


俺が何とか思い出そうとするが、思い出せないでいる。正しくは選択肢が多すぎて誰だっけ?となるのだ


俺が悩んでいる様子に可憐はニヤニヤしつつも、どこか心配そうな顔もしている


「あのときは、いろんな近所の子どもたちが来てたんだよなぁ」


ピキッと可憐の顔が固まる


「そ、それはつまり私の他にも文人と秘密基地で遊んでいる子がいたってこと?」


「え?まぁ一人で来たり、複数人で遊びに来たりする子たちだけどな。っていうか、その中に可憐はいたってことは何か特徴があったはずだが…」


近所の子どもがほとんどだったから、もし可憐がその子たちの中の誰かだったら俺がわからないはずがない


近所の子どもたちの顔は今でも覚えているのだ。可憐がその子たちだったら今すぐにでも当てているはずだ


だったら、それ以外の子で、なおかつ一人で来て女の子だったことだ


「うーん。あ!白いワンピースを来たお嬢様っぽい女の子だ!」


これは当たっただろうと可憐を見ると、凄い怖い顔でこちらを見ている


「…と思ったけど、髪の色が違うな」


ちらと見ると、元のニヤニヤした顔に戻っていた


俺は内心で安堵の息をついていたが、安堵で思い出した


「あ!れんだ!」


どうやら正解だったようで、今度は笑顔で頷いていた


れんというのは、当時秘密基地に来ていた子のニックネームみたいなものだ


「しっかし、正解させる気ないだろう」


「ごめんね。これで気づいたら私も凄いと思ってたよ」


なぜ凄いかというと、当時のれん、可憐はサイズのあっていない男物の服を着て、痩せこけた明らかに虐待を受けているのでないかと思われるボロっちぃ子どもだったのだ


俺はそんなれんを見ていられなくて、一緒に遊んだり、いつもお腹を空かせていたので、お弁当を持っていったりしたのだ


「いやぁ、あのときの子がこんな美人になっちゃって」


「そうでしょ?私の遺伝子最強だったみたいで栄養さえ取れていれば容姿は勝ち組だったみたい」


なんか違和感がある言い方だな


「容姿以外は違ったのか?」


「うん。父親はほとんど記憶にないし、母親は育児放棄とDVが当たり前のクズ親だったからね。これはもう容姿以外負け組でしょ」


結構ダークなこと言っているはずなのに、可憐は軽い感じであははと笑いながら言っている


「マジか。ちなみにこの仕事と両親は関係あるの?」


聞いた瞬間に何で聞いてしまったんだと思ったがもう遅い


聞かなければよかったと思いながら可憐の返答を待っているとまた軽い感じで


「うん。母親が借金残して蒸発したの」


またかなりシビアなことを言ってきた


「あーうん。でもそれって親の借金は子どもは負担しなくていいんじゃないの?」


「私もそれ知っていたから、そのことを借金取りに言ったんだよ。そしたら、あのクソ親かなりヤバイところから借りていたらしくて、強制的にフロに沈められたの」


ヤバいところって、本当にヤバいんだな。しかし今の俺になら彼女の借金を返せるんじゃないか?どうせ偶然当たっただけの泡銭だし。そう思えば、気が楽になる


「今どれくらい借金あるんだ?もしよかったらーーー」


「え?もう返し終わってるよ」


「俺がーーーいやなんでもない」


危なかった。もう少しで一生の黒歴史になるところだった


「そ、そうかそれならよかった。でも何でまだこの仕事をやっているんだ?」


「借金返し終わったのが、だいたい半年前くらいで、これでも借金が発覚する前には奨学金で有名大学受かるくらいには頭良かったんだ。だから、もう一回大学の試験受けようかなって思ったけど、別に大学に受かってもなりたい職種もないし、この仕事借金返し終わったらかなり給料良いんだよね」


こいつ見た目に違わず頭良いんだ。大学にいたら絶対ミスコンで優勝しそうな外見だもんな


俺が確かに別に仕事って金を得るためにやるんだもんなと共感していると、この和やかになりつつ雰囲気をぶっ壊す発言が可憐の口から出た


「でもね、文人に再会してから夢出来たよ」


うん?と流れが変わったと俺が思っていると、衝撃的な言葉が出た


「うんとね、私文人と結婚したい」

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